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冒険者ギルド

ランク試験

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カランカラン
午後だからか、依頼終わりらしき冒険者が酒を飲んでいて暑苦しい。さっさっと登録を済まして家に帰ろう。
「すみません。ここで冒険者登録できますか?」
「はい。この紙に名前、使う武器をー」「よおぉ、俺はズーリだぁ。そんなニコニコしてエレンちゃんに気に入られようとしてるのかぁ?ヒョロヒョロで冒険者なんてできねーぜえぇ。俺の強さを見せつけてやるぜぇ。」
この人酔っているのか?吐息から酒の匂いがする。エレンさんはこの受付嬢さんのことか。そう言われてみると綺麗な顔だな。ちょうど良いや、ズーリさん?まぁ相手の戦い方でランクを決めてもらおう。
「分かりました。エレンさん、俺の戦い方を見てランクを決めて頂けますか?」
「はい。分かりました。先に訓練場で待っていてください。訓練場へ係の者を連れていきます。」


「よっ、ズーリまた新人いじめか。いい加減嫌われるぞ。で、そこの小僧が相手か。俺はウルザだ。よろしくな。」
「はい。よろしくお願いします。この場合剣と魔法どちらも使っていいですか?」
「礼儀正しいな。そうゆうのは好かれるぞ。あと、魔法も使っていいよな、ズーリ。」
「おう!使っても俺が勝つけどな!」
「じゃ、始めるぞ。両者剣を持て、始めっ!」

バンッ、カンッ、カンッ
「ファイヤーボール!ウィンドカッター!」
「八ッ、こんな初級魔法当たっても痛くねぇ。」
クソッ目くらましに煙を起こしたのに避けられた。近衛騎士団長にも5回中2回は勝てるようになったのに、まだまだ頑張らないと。じゃないと、じゃないと…
「考え事してんじゃねぇ!」
突っ込んできた。重いっ相殺できないっ!?受け流して、脇腹があいてる!
視界が360度ぐるっとまわった。気付いたときには背中が地面についていた。
パチパチ、パチパチ
「小僧も強かった。が、さすがズーリ。ギルド長の名も伊達じゃないな。」
「強いなぁ、ってギルド長なの?!」
「まぁ、そのへんはギルドで話そう」

「本当にズーリさんが?」
「えぇ、ズーリさんはギルド長ですよ。これでも。これでもですけどね。負けてしまいましたが、ギルド長相手にこんな善戦した人を初めて見ました。」
「2回もこれでもって言わなくていいじゃないか。小僧名前は?」
偽名のほうが良いか。レオ、レオにしようかな。
「レオです。俺は何ランクでしょうか」
「俺、ギルド長がレオをAランクに任命する!」
周りにいた人達が後からヒソヒソと話しているのが見えた。
「なんか不正したんじゃねぇの。」
「なんであんな見たこともないようなやつが」
まぁ、知らないやつが急にAランクって言われても困るよな。本人でも困るし。少ししたら噂も落ち着くだろう。

「これがギルドカードです。赤色になると緊急クエストで内容をギルド長が話します。黄色になるとカードの更新期限、クエストの受注期限が近いことを表します。なくさないでくださいね。」

このときの俺は想像もしなかった。後に語り継がれるようになることを…。
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