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中編
祭りの夜。
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それからも一行は祭りを楽しむ。紅蝶の事もあり、それはもう濃い一日だった。
夜になって、城に戻った五人は、楽しんで来た事がまるわかりだ。
お風呂から上った後。部屋でそれぞれ自由に過ごす。鏡月は買って貰ったお面を頭に付けて、綿あめを山砕と一緒に食べていた。様々なゲームの景品や買った物達がとりあえずで机の上に置かれ、その机の横で白刃と尖岩が半分こした肉まんを食べている。
そして覇白は白刃の向かい側の席に座って、机に置かれたものを物色している。
自分に似ていると言われた犬のぬいぐるみと馬のぬいぐるみは目に入らないように端に避けると、白刃が犬の方をすっと取って己の膝の上に乗せた。覇白は明らかに何か言おうとしたが、疲れているからか何も言わない。
楽しかった分、皆疲れが回っているのだろう。しかし、覇白は荷物の中にとあるモノを見つけ、声を出す。
「鞭……?」
所謂、バラ鞭というやつだ。下のダイヤルを回すと、種類が変えられるようで、よく見る一本鞭の形にもなる。
「あぁ。買った」
「そうか」
自然の流れで言われたモノだから、こちらも自然と流そうとしてしまったが、これは流してはいけないと気が付き白刃を見る。
「今日は使わねぇよ。俺も疲れた」
「そうか」
それは一安心……とはいかない。
「明日、やるのか?」
「さぁな」
些か怖い返答に身震いすると、白刃ははっと笑う。
「ま、やるとしたら尖岩が最初だ。安心しろよ」
「えぇ、さらりと俺に火が向いたんだけど。なんでぇ?」
「お前が一番気に入られているからだろ」
山砕が適当にそういうと、白刃が「うん」と答える。
「皆さん、お休みする前は歯磨きするんですよー?」
「えぇ、分かっておりますよ。おやすみなさいませ、司白さん」
「はい。皆さんも、疲れたでしょうからお早めにお休みくださいね。では」
その一環の流れでの、白刃の変わり身の速さはこれまた恐ろしい程だ。司白が扉を開けた瞬間に笑みを作り、いなくなった瞬間にすっと戻った。
「お前怖い」
「性分なんだよ」
尖岩の直接的な感想は、その一言で跳ね返し、歯を磨くために洗面台の方へ行った。
まぁ、公私の切り替えが早い事は良い事だろう。多分。
覇白から鞭を受け取り、先程のバラの方に切り替えて見てみる。やっぱり、尖岩には特殊な掃除道具のように見える。
「てか、覇白。さっきのよく鞭だって分かったな。鞭っつったら、こっちじゃね?」
この一本のやつは尖岩も見覚えがある。こっちを出されたら流石に鞭だと分かるのだが。適当に振り回すと、あらぬ所に飛んでいきそうだったら直ぐにやめる。
「紅蛾が使ってたのがこれと同じやつだったんだよ。ま、さっき形はさして痛くないから、大丈夫だろ。ただ、こっちにされた時は本当に逃げた方が良い。死ぬかと思うから」
「へー……。って、何、お前、打たれた事あんの?」
これは、単純な疑問だ。山砕もそれは思ったようで、二人共がじーっとこちらを見て答えを求めている。
「……寝ようか」
「ちょいちょい! 誤魔化すなよ、気になるじゃん! お前、その婚約者とどこまで行ってんだよ、ヤったのか? ヤったんでしょ!?」
「子どもか! そんな事訊くでない!」
ぎゃーぎゃーとし始めた部屋の中で、自分だけ話に混じれていない鏡月がすっと入って来る。
「何の話ですか? 私も一緒にお話ししたいです~」
大人達は一旦立ち止まり、この話に巻き込んでいいのかを判断する。いや、いくら何でも鏡月も十七歳だ。そういう発想にいたらないだけで行為の事は知ってはいるだろうから、大丈夫と言えば大丈夫だろう。しかし、万が一と言う事がある。
「きょ、鏡月。赤ちゃんはどうやって作るか知ってる?」
山砕が尋ねると、鏡月は「流石に分かりますよ」と笑う。そりゃそうだよなと安心した所で、彼は言った。
「桃を食べるんですよね」
「ん?」
なんか、雲行きが怪しい気がする。
「既婚の女性が桃を食べたら妊娠するんです。昔お母さんがそう言ってました」
穢れのない笑みで堂々と答えられる、昔母親に聞いたと言う話。
三人は一旦集まり、審議を始める。これが鏡月なりの冗談か、はたまた本気で言っているか。いやこの表情、本気の方だろう。
確認のため、尖岩はもう一つ尋ねてみた。
「鏡月、サンタさんってさ、知ってる?」
これは超越者がこれまた異世界から仕入れて来た、彼曰く「面白い文化」だ。
親が子にプレゼントを渡すのに、わざわざサンタとかいう赤の他人を装う。サンタはいい子の所にプレゼンを持ってやって来るという前提条件があり、その為子どもは一年をいい子に過ごすという。そういう戦略のイベントだ。
この世界の場合、サンタは親が務めると同時に、超越者の場合がある。どうしても金銭的な都合上渡せない家庭には、超越者がプレゼントを用意して渡してくれるのだ。
まぁ、ここまでは知らないとしてもだ。どういった認識をしているかで色々と変わってくる。
「もう、流石に知っていますって。いい子にしていたらプレゼントくれるおじさんですよね。小さい頃は来てくれていましたよ~。ここ数年間は、悪い子だったから来てくれないんですけど」
そう言って、少しだけしょんぼりとした顔をする。これでもう察した。
教えるべきか、いや、まだいいかと。大人は夢を壊さないように持っていく事にした。
「そうか。今年は来るといいなぁ」
「はい!」
「鏡月、お前も歯磨いて寝るといい。良い子には早寝早起きも大事だぞ」
「あ、そうですよね。じゃあ、歯磨きしてきます」
ぱたりと扉が閉じられ、彼は歯磨きをしに行く。ほぼ入れ替わりで白刃が戻って来て、るんるんとしている鏡月を目で追ってから、特に何も気にせず椅子に座る。
「なぁ白刃」
「ん?」
「サンタさん、知ってる?」
「あぁ。あの異世界から入って来たとかいう冬の文化か。それがどうした?」
「あ、良かった。お前は大人だ」
「は?」
それは、ごもっともな反応だった。
同日の夜中。尖岩は非常に困っていた。白刃が眠れないから相手をしろと言ってきた訳ではない、それはもう今更何も困りはしない。むしろその逆だ。
白刃は、眠っている。何時ものように相手をしろと言われ、そして小一時間適当に相手をしてやったのだが、そこで寝てしまったのだ。
寝てくれたのはいい、とてもいい。しかし問題は、離してくれない事だ。
白刃はたまに布団の中に入れてくる。何でだと聞いても「何となく」と答える為、本当になんとなくなのだろう。尖岩は、白刃が寝たら自分の布団に戻っている。しかし、今日はそれが出来ない、そこそこの力で抱きしめられている。
無理にやったら起こしてしまう。折角寝ているのに。
「俺はぬいぐるみかって……」
どうしてこんな心配してやらなければならないんだろうか。やはり、顔面が良いのが妙に腹立つ。
しかし、いつも眠くないとか何とか言って起きていて、朝方気絶するかのように眠りにつき、一時間ほどで起きるという無茶苦茶な睡眠をほぼ毎日見せられている身としてはこうしてスヤスヤ眠ってくれると安心できる。
白刃の睡眠事情は、早死にしそうで心配になるのだ。
折角似てくれているのだがら、自分も寝た方が良い。そう考えていると、うとうとし始めてくる。
白刃の体から感じるその力が、どうしてか安心できた。思い出す、小さい頃に超越者と一緒に寝た事。アイツは本当に、お世辞にも子育てが上手とは言えないが、確かに愛情を持って子と接していた。ただ、何と言うか。本人がマイペースの自由人過ぎるだけなんだ。
夜になって、城に戻った五人は、楽しんで来た事がまるわかりだ。
お風呂から上った後。部屋でそれぞれ自由に過ごす。鏡月は買って貰ったお面を頭に付けて、綿あめを山砕と一緒に食べていた。様々なゲームの景品や買った物達がとりあえずで机の上に置かれ、その机の横で白刃と尖岩が半分こした肉まんを食べている。
そして覇白は白刃の向かい側の席に座って、机に置かれたものを物色している。
自分に似ていると言われた犬のぬいぐるみと馬のぬいぐるみは目に入らないように端に避けると、白刃が犬の方をすっと取って己の膝の上に乗せた。覇白は明らかに何か言おうとしたが、疲れているからか何も言わない。
楽しかった分、皆疲れが回っているのだろう。しかし、覇白は荷物の中にとあるモノを見つけ、声を出す。
「鞭……?」
所謂、バラ鞭というやつだ。下のダイヤルを回すと、種類が変えられるようで、よく見る一本鞭の形にもなる。
「あぁ。買った」
「そうか」
自然の流れで言われたモノだから、こちらも自然と流そうとしてしまったが、これは流してはいけないと気が付き白刃を見る。
「今日は使わねぇよ。俺も疲れた」
「そうか」
それは一安心……とはいかない。
「明日、やるのか?」
「さぁな」
些か怖い返答に身震いすると、白刃ははっと笑う。
「ま、やるとしたら尖岩が最初だ。安心しろよ」
「えぇ、さらりと俺に火が向いたんだけど。なんでぇ?」
「お前が一番気に入られているからだろ」
山砕が適当にそういうと、白刃が「うん」と答える。
「皆さん、お休みする前は歯磨きするんですよー?」
「えぇ、分かっておりますよ。おやすみなさいませ、司白さん」
「はい。皆さんも、疲れたでしょうからお早めにお休みくださいね。では」
その一環の流れでの、白刃の変わり身の速さはこれまた恐ろしい程だ。司白が扉を開けた瞬間に笑みを作り、いなくなった瞬間にすっと戻った。
「お前怖い」
「性分なんだよ」
尖岩の直接的な感想は、その一言で跳ね返し、歯を磨くために洗面台の方へ行った。
まぁ、公私の切り替えが早い事は良い事だろう。多分。
覇白から鞭を受け取り、先程のバラの方に切り替えて見てみる。やっぱり、尖岩には特殊な掃除道具のように見える。
「てか、覇白。さっきのよく鞭だって分かったな。鞭っつったら、こっちじゃね?」
この一本のやつは尖岩も見覚えがある。こっちを出されたら流石に鞭だと分かるのだが。適当に振り回すと、あらぬ所に飛んでいきそうだったら直ぐにやめる。
「紅蛾が使ってたのがこれと同じやつだったんだよ。ま、さっき形はさして痛くないから、大丈夫だろ。ただ、こっちにされた時は本当に逃げた方が良い。死ぬかと思うから」
「へー……。って、何、お前、打たれた事あんの?」
これは、単純な疑問だ。山砕もそれは思ったようで、二人共がじーっとこちらを見て答えを求めている。
「……寝ようか」
「ちょいちょい! 誤魔化すなよ、気になるじゃん! お前、その婚約者とどこまで行ってんだよ、ヤったのか? ヤったんでしょ!?」
「子どもか! そんな事訊くでない!」
ぎゃーぎゃーとし始めた部屋の中で、自分だけ話に混じれていない鏡月がすっと入って来る。
「何の話ですか? 私も一緒にお話ししたいです~」
大人達は一旦立ち止まり、この話に巻き込んでいいのかを判断する。いや、いくら何でも鏡月も十七歳だ。そういう発想にいたらないだけで行為の事は知ってはいるだろうから、大丈夫と言えば大丈夫だろう。しかし、万が一と言う事がある。
「きょ、鏡月。赤ちゃんはどうやって作るか知ってる?」
山砕が尋ねると、鏡月は「流石に分かりますよ」と笑う。そりゃそうだよなと安心した所で、彼は言った。
「桃を食べるんですよね」
「ん?」
なんか、雲行きが怪しい気がする。
「既婚の女性が桃を食べたら妊娠するんです。昔お母さんがそう言ってました」
穢れのない笑みで堂々と答えられる、昔母親に聞いたと言う話。
三人は一旦集まり、審議を始める。これが鏡月なりの冗談か、はたまた本気で言っているか。いやこの表情、本気の方だろう。
確認のため、尖岩はもう一つ尋ねてみた。
「鏡月、サンタさんってさ、知ってる?」
これは超越者がこれまた異世界から仕入れて来た、彼曰く「面白い文化」だ。
親が子にプレゼントを渡すのに、わざわざサンタとかいう赤の他人を装う。サンタはいい子の所にプレゼンを持ってやって来るという前提条件があり、その為子どもは一年をいい子に過ごすという。そういう戦略のイベントだ。
この世界の場合、サンタは親が務めると同時に、超越者の場合がある。どうしても金銭的な都合上渡せない家庭には、超越者がプレゼントを用意して渡してくれるのだ。
まぁ、ここまでは知らないとしてもだ。どういった認識をしているかで色々と変わってくる。
「もう、流石に知っていますって。いい子にしていたらプレゼントくれるおじさんですよね。小さい頃は来てくれていましたよ~。ここ数年間は、悪い子だったから来てくれないんですけど」
そう言って、少しだけしょんぼりとした顔をする。これでもう察した。
教えるべきか、いや、まだいいかと。大人は夢を壊さないように持っていく事にした。
「そうか。今年は来るといいなぁ」
「はい!」
「鏡月、お前も歯磨いて寝るといい。良い子には早寝早起きも大事だぞ」
「あ、そうですよね。じゃあ、歯磨きしてきます」
ぱたりと扉が閉じられ、彼は歯磨きをしに行く。ほぼ入れ替わりで白刃が戻って来て、るんるんとしている鏡月を目で追ってから、特に何も気にせず椅子に座る。
「なぁ白刃」
「ん?」
「サンタさん、知ってる?」
「あぁ。あの異世界から入って来たとかいう冬の文化か。それがどうした?」
「あ、良かった。お前は大人だ」
「は?」
それは、ごもっともな反応だった。
同日の夜中。尖岩は非常に困っていた。白刃が眠れないから相手をしろと言ってきた訳ではない、それはもう今更何も困りはしない。むしろその逆だ。
白刃は、眠っている。何時ものように相手をしろと言われ、そして小一時間適当に相手をしてやったのだが、そこで寝てしまったのだ。
寝てくれたのはいい、とてもいい。しかし問題は、離してくれない事だ。
白刃はたまに布団の中に入れてくる。何でだと聞いても「何となく」と答える為、本当になんとなくなのだろう。尖岩は、白刃が寝たら自分の布団に戻っている。しかし、今日はそれが出来ない、そこそこの力で抱きしめられている。
無理にやったら起こしてしまう。折角寝ているのに。
「俺はぬいぐるみかって……」
どうしてこんな心配してやらなければならないんだろうか。やはり、顔面が良いのが妙に腹立つ。
しかし、いつも眠くないとか何とか言って起きていて、朝方気絶するかのように眠りにつき、一時間ほどで起きるという無茶苦茶な睡眠をほぼ毎日見せられている身としてはこうしてスヤスヤ眠ってくれると安心できる。
白刃の睡眠事情は、早死にしそうで心配になるのだ。
折角似てくれているのだがら、自分も寝た方が良い。そう考えていると、うとうとし始めてくる。
白刃の体から感じるその力が、どうしてか安心できた。思い出す、小さい頃に超越者と一緒に寝た事。アイツは本当に、お世辞にも子育てが上手とは言えないが、確かに愛情を持って子と接していた。ただ、何と言うか。本人がマイペースの自由人過ぎるだけなんだ。
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