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十二話 平和な放課後
しおりを挟むオウカさんが先に帰り、放課後。
「やっぱ学校と言えばさ、放課後だよね!!」
「ウチこの近くにええタピオカ屋知っとるでぇ」
「みんなー一緒にタピろうよー!!」
タピろう、とは?
首をかしげていると同じように首をかしげているヒロシさん。
犬神さんが教えてくれた。
「中に黒い餅のようなものが入った甘い飲み物だ、一緒に食べないかとさそっている」
「ああ! いいですね」
「ワシもかの?」
「もちろんヒロシさんだって一緒に行こうよ!!」
こうして皆で学校から大きな店の中へ。
フードコートという場所で色んなものが食べられる。
タピオカにも種類があるらしく――。
「でもやっぱ定番はタピオカミルクティーかな」
「せやな」
女性に言われたら覚悟を決めるしかない。
どうみても、あまり美味しそうには見えない。
ただ二人は喜んでいるしと、いざ実食。
「……おいしいですね」
「せやろ!?」
「皆でタピっちゃうなんて僕ら現代っこー」
「わしゃこれ気に入ったけぇの!!」
犬神さんは黙って食べている。
表情が変わらないのだが、美味しいのだろうか。
「もしかして甘いの苦手やった?」
「いや……美味いぞ」
「分かりにくい顔しとるだけかーい」
甘い汁を食したあと、ライトさんが一言。
「こういう店で暗殺するならさ」
「どんな話題やねん」
「え、しない? デパートって死角が多いしセキュリティ用に仕掛けてある防犯カメラをまずはハッキングするよねーって」
戦をするなら、どう攻めるという話らしい。
「こんなに狭いと刀がひっかかりませんか?」
「銃使うんだよ、あれ、知らない?」
「銃って伝来が十六世紀だからさ……奈良時代からすれば800年ぐらいあとの話だよ」
「僕この地獄にきて誰も銃持ってなくてビックリしたし、銃も爆弾も鬼って効かないんだよー」
「鬼を撃ったん!?」
「鬼って強いんだねー」
銃がなんなのか分からないが刀よりも強い武器とは恐ろしい。
「こういう時はさ!! プリクラだよね!?」
「確かにプリは外せへんな!!」
小さな部屋に入れられて中指と人差し指を立てるようにとのこと。
皆がいる写真に女性たちが何か文字を書いていた。
『仲良くしてね!』
何を書いたかを教えてもらい『こちらこそ』と学んだばかりのひらがなで書き記した。
「若いもんはええのぅ、学校の帰りにこんなにすごい体験ができるんじゃけぇ」
「私からすればヒロシさんも十分に和解ですけども……」
「死んでから老人扱いされんわい」
家に帰ったのち、壁に『プリクラ』を張り付けた。
これでなくさないだろうと次々に。
ナキさんが複雑な顔をして言葉をこぼした。
「ここは賃貸なのだが……」
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