死んでみたら天国が思ったのと違う~あの世スローライフ~

宝者来価

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7話 観光地が思っていたのと違う

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『そこの綺麗なお兄さん着物にあってるいねぇ!!』
 
まんざらでも無さそうな三日筋肉
共に呼びかけた店に入る
和服を売っていて1着3000円ほど
 
「これ普段から着ていても変に見えませんか?」
「あの世なんて全裸で歩いてないかぎりは目立たないぞ」
「確かに昭和に流行った謎の服装などが多いですね」
「俺はジャージが楽だから普段はずっと着てるけど」
「あれ掃除用の制服かと思っていました」
 
奥に着替える為の試着ルームがあり
気になった服をせっかくだから試してみれば
大きさから色味からやけに気に入った
少し古風な見た目になってしまうが上下あわせて5千円
 
「こちら買いますね」
「まいど」
「今まで来ていた服を持ち帰るの大変そうです」
「郵送するか」
「天国に郵送あるのですね」
 
 
段ボールを用意して貰って
中に服を入れて蓋を閉じて数字を書き
三日筋肉はスマホで段ボールを写真におさめた
 
「あとは100円で業者がやってくれる」
「そんなに安く!?」
「死にたては割引きが効くからな」
 
着物姿(羽織と袴)になりさらに極楽を歩く
足湯コーナーがありお年寄りが沢山いたり
近くの屋根付き休憩所でアイスを食べている者
 
「賑わっていますね」
「あの世は人口が多いからさ」
「静かな場所で暮らしたい人は困りませんか?」
「別にのどかな場所も普通にあるぞ」
 
『いらっしゃい!!天の川があるよ!!』
 
何だと見に行ってみればキラキラと輝くジュース
青いし飲み物としてはインスタ映えするが美味しそうには見えない
だが三日筋肉は迷うことなく行き
 
「彼の分と二つ」
「え?」
「これを飲まなきゃ極楽に来たとは言えない」
「そうなのですね」
 
天の川は甘いジュースで甘酒に似た味がした
しかし喉にくるような感覚も無くすっきりとさわやか
所々の黄色い光がタピオカみたいで美味しい
 
「今年の流行りらしい」
「天国にもあるのですね」
「現世ではタピオカが今ブームなんだろ?」
「まぁまだ売ってはいるかと」
 
和服でタピてオカを飲むのは似合わない気がする
今時そんな事をいうのはどうなのかと思わなく無いが
ナイフとフォークで和菓子を食べるのは何か違うきがするのだ
 
『おみくじひかない?』
 
一回500円で外れても一番下のストラップ
せっかくだからと二人で引いた
三日筋肉には一番下の賞が当たり
 
「こんなもんだよな」
 
まんざらでも無さそうに可愛い猫のストラップを選んでいた
自分の番になり紙を一枚ひいた
中に書かれていたのは2等
 
「2等?」
『ドライヤーです』
 
天国でドライヤー必要あるだろうか
先ほどと同じように段ボールを用意して貰ってアプリで配送を頼んだ
まだシャンプーすら買っていないのにドライヤーが先になるとは
 
「髪の毛ってあの世でも伸びます?」
「あ、うん」
「伸びるのですね」
「美容室とか普通にあんだよ」
「死んだ時に髪の毛無かった人とかいるのでは?」
「発毛剤と育毛剤つかえばいいと思う」
「天国なのに?」
「病気だろうがなんだろうが1時間で20センチ伸びてくるから注意な」
「強力すぎて怖いのですけど」
 
1時間で20センチ妖怪なみの速度である
使い間違えれば髪の毛が長くなりすぎて生活出来なさそうだ
切ればいいと言えばそれまでだが
 
『石焼きいも~』
 
天国でもお腹は空くらしい
声を聞いた瞬間に身体がそちらの方向へ向いて
ホカホカの焼き芋を買っていた
 
『はいおつり』
「最初に財布買えば良かったですね」
「よしじゃあ今すぐ財布選べあそこで」
 
女性人気が高そうな小物を売っている店が反対側にあった
ワゴンに財布が沢山いれられている
千円ポッキリ!と書かれていたので店員に渡して即決めた
 
「ならこれで」
「早いな決めるの」
「お金さえ入れば何でも良かったので」
 
先ほど買った焼き芋のお釣りを財布に入れ
食べ終わったゴミをゴミ箱へ
まるで文字を消した時のようにきれいさっぱり無くなる
 
「ゴミはゴミ箱に全部いれてくれればいいから」
「そういえば景観がすごく綺麗ですね」
 
観光地だと箸やら紙コップやら落ちていたりするが
今までの道では特にそういうものがなく
葉っぱ一枚すら落ちていた様子が無かった
 
「善行を積みたい天使たちが競争してゴミ捨てるから」
「なるほど」
「パトロールしてる天使ってたくさんいるからさ」
「天国の警察官が天使?」
「そもそも悪い事する奴は天国に残らないぞ?」
「え?」
「だって異世界転生すれば悪い事やりほうだいよ?」
「例えば?」
「透明人間にもなれるしお金もちに産まれる事も出来るし」
「確かに天国に残る意味は無さそうですね」
「あと公務執行妨害で悪魔になるし」
 
悪魔が通り過ぎて行った
くしゃみをする三日筋肉
アレルギーが出たらしくしばらく続いていた
 
「大丈夫ですか?」
「そうだ忘れてたわここ悪魔も来れるんだった」
「マスクとか買います?」
「天国にマスクは売ってねぇぞ」
「確かに誰もしていませんね」
 
人が山ほどいるが『この時代』に誰もマスクをしていない
お年寄りが多く若者は店員ばかりだが関係あるとは思えず
皆が別に気にしてもいない
 
「アレルギー用の薬を忘れて来た俺が悪いなこれは」
「薬局で買えるなら買いますか」
「ちなみに人を信じすぎる奴は悪魔アレルギーになるらしい」
「三日筋肉さん誤解されるタイプのいい人だと思いますよ」
「何でか距離は置かれやすいが俺は優しいぞ」
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