この学園には図書委員がいない!

空飛ぶ桂川

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どうしよう・・・。
四人でお祭りをまわっていたはずが、人混みに慣れていないのと初めて浴衣を着て動きにくかったせいで私だけはぐれてしまった。

高校生にもなって迷子なんて射的にムキになってたことよりも恥ずかしい・・・。
っていうか・・・見回しても知らない人ばかり・・・ちょっとこわいかも・・・どうしよう・・・このまま今日ずっと1人でいなきゃいけないのかな。
不安。こわい。どうしよう。・・・とりあえず人が沢山いるところから離れたい・・・。

そう思って私は1人でひと気の無さそうなところへ歩き出す。
人混みを抜けてしばらく歩くと石段が見えてきた。
とりあえずこの辺に座って落ち着きたい・・・痛っ!
足元を見ると草履の鼻緒が切れて裸足で砂利を踏んでしまっていた。
・・・最悪。
歩くこともできなくなり、石段に座ってうつむく・・・なんだか泣きそうだ。

「せっかくお祭り楽しみにしてたのに・・・。」
寂しいからか独り言をつぶやく。
「1人は寂しいな・・・誰かと喋りたい・・・誰か来てくれないかな・・・。」
と思って目を瞑る。まぶたの裏に何故かあいつの顔が浮かぶ。驚いて目をあけてしまう。
「なっ・・・!な、なんであいつのこと考えてんのよ!気持ち悪い!」

・・・でも私は本当にそう思っているんだろうか・・・。
気持ち悪いって・・・確かに最初はメガネがどうとか初対面のくせに言ってきて気持ち悪いって思ってた・・・。
・・・でも・・・今は・・・気がついたら当たり前のように近くにいて・・・楓ちゃんのピンチの時に助けてくれたりして・・・琴子ちゃんのプレゼント選ぶ時もアドバイスくれて・・・変態だし、嫌味ばっかり言うけど・・・良いやつで・・・私は・・・

「お前、こんなとこで何してたんだよ。」
その声に顔をあげる。あいつが探しに来てくれた。
思わず飛びついてしまう。私らしくないけど・・・でも心の底から嬉しかった。
鼻緒が切れて歩けない私をおぶってくれる。なんだかすごくホッとする。

・・・そうか・・・私は・・・この人に・・・恋をしてしまったんだ・・・。
私は・・・こいつのことが・・・好きなんだ。
気づいてしまった恋心に胸が熱くなる。なんだか顔も熱い気がする。
でも・・・琴子ちゃんの気持ちを知ってしまっている。だからこの気持ちをどうしていいのかわからない。
気持ちを整理できずにいると遠くの夜空に花火が上がる。

「あー、花火上がっちゃったな・・・悪かったな・・・花火見る相手が俺だけになっちゃって。」
「別に・・・これははぐれた私が悪いから・・・。」
あんたと2人で見るのも悪くない・・・だなんて言えない。

「花火・・・綺麗ね。」
誤魔化したかったのか、これだけで伝わってほしかったのか、そんな言葉を私は言った。
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