この学園には図書委員がいない!

空飛ぶ桂川

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そして文化祭当日。

「じゃあ、車道君は幽霊役だからこの衣装着てね!」
「なんで俺は幽霊役って決まってんだよ。」
「いやー、俺が推薦したんだよー!ほら!コーちゃんって死んだ魚みたいな目してるじゃん?」
「お前、よく友達にそんなこと言えるな・・・。」
「逆に友達だから言えるって考えてよー!・・・ちゃんと桜山さんがシンデレラやる時間は休憩時間にしてあげるからさ!」
神沢に肩を組まれて余計なひと言を言われ、半ば強制的に幽霊役をやることになった。
俺は森下から渡された衣装に着替え、お化け屋敷の中に入っていく。

「んで、柴田・・・なんでお前は俺の隣にいるんだよ・・・お前の定位置はそこじゃねーだろ。」
「なにを言ってるんっすか!柴田的に車道君の隣が定位置と思ったからに決まってるじゃないっすか!」
「決まってねーよ。お前もお化け屋敷のお化け役なんだから真面目に働けよ。」
「ちぇっ・・・お化け役やれば一緒にいれる口実ができると思ったのにっす・・・。」
柴田は自分の定位置に戻っていった。
俺はお前のしたたかさが1番こえーよ。

そして文化祭がはじまる。
とは言ってもはじまった瞬間は既にお化け屋敷の中にいたからはじまったという感覚が特にあったわけでもないけど・・・。
最初の方は文化祭自体にお客さんが少なく、暇な時間の方が多いくらいだった。
何分かに1度来た人を驚かせて・・・というのを何回か繰り返していた。
また足音が聞こえる・・・その足音に耳をすませて近づいたと思ったタイミングで俺は飛び出した。

「あんた、なにやってんのよ?」
少しの暗闇の中、目を凝らすと口をあけて本気で怖がっている鶴里と笑うのをこらえている桜山がそこにいた。
「・・・お前こそ何やってんだよ。」
「いや・・・神沢君に・・・面白いものが見れる・・・って言われて・・・これだったのね・・・確かに滑稽ね・・・。」
桜山が笑いを堪えながら話す。
「・・・っていうかお前、劇の準備はいいのかよ?」
「・・・うん・・・まあ・・・。」
「・・・どうした?なんかあったのか?」
「別になんかあったってわけじゃないけど・・・今日のために皆・・・すごい頑張ってて・・・もし、私が・・・失敗しちゃったら・・・」
「皆の頑張りを無駄にしちゃうってか?」
俺の問いに桜山が涙ぐんで頷き、その様子を鶴里が不安そうな顔で見つめる。

「無駄なんてことは無いんじゃないか?」
「・・・えっ?」
「・・・失敗したら確かにその時は皆ショック受けるかもしれないけど、成功しようが失敗しようがいつかはきっと良い思い出になるだろうし・・・そもそもお前だってシンデレラの役、頑張ってるんだろ?」
桜山が小さく頷き、何故か鶴里が大きく頷く。
「じゃあ、お前の頑張りは成功しようが失敗しようが皆認めてくれるさ!胸はってやってこいよ・・・応援しててやるから頑張れよ。」

桜山は少し笑顔を見せて、さっきの不安そうな顔とは真逆の顔で歩き出した。
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