23 / 41
22 疑惑①
しおりを挟む
警察署に着いた時、事務所内はやけにバタバタとしていた。
康介の姿に気付いた木野井係長が慌てた様子で声を掛ける。
「藤咲、ちょうど良かった。今、連絡しようと思ってたところだ」
「報告書の訂正の件なら聞いてますが」
「それは後でいい。そんなことより、来たとこすぐで悪いが楓くんが居る病院に戻れ。今すぐに」
「何かあったんですか?」
「浦坂実が現れた」
「何だって⁉︎」
思わぬ事態を聞いて、康介は眼光を鋭くさせる。
「病院から通報があった。楓くんが奴に襲われたらしい」
「なっ……!」
「既に何人か刑事たちを向かわせている。藤咲、お前は楓くんの傍に付いていてやれ」
「楓は⁉︎ 楓は無事なんですよね⁉︎」
上司である木野井に掴みかからん勢いで康介が迫る。
「落ち着け。命に別状はないと聞いている」
「その言い方……何か怪我はさせられたってことですか⁉︎」
「詳しいことは医者から直接聞いてくれ。お前は捜査には関わらなくて良いから」
「……分かりました」
木野井の襟元を掴みかかりそうになっていた手を握り締めて、康介は警察署を出ていった。
再び病院を訪れると、駐車場横の院内庭園に警察関係者が何人も右往左往しているような状態だった。
同僚の刑事たちが、関係者に事情聴取を行なっている。
その中に、楓の友達の少年の姿もあった。
それらを横目に、康介は楓がいる病室の方へ急いだ。
「楓……」
辿り着いた病室で、楓は静かに眠っていた。
傍に立ち状態を確認していた医師が、康介に気付いて声を掛ける。
「ああ、藤咲さん」
「先生、楓は無事なんですよね?」
「頸部圧迫による失神を起こしてました」
「頸部圧迫……」
医師の言葉から楓が首を絞められたことを察する。
浦坂に、再び同じことをされたのだ。
「ですが、発見が早かったので軽症で済みました。
今は鎮静剤の効果で眠っていますが、1時間もすれば目を覚ましますよ」
「そうですか。ありがとうございます」
「他に目立った外傷はありませんでした。
検査も行いましたが、基本的に問題はありませんでしたね」
「そうですか。……良かった」
「ですが、事が事なので退院は少し先に伸ばすことをお勧めします」
「そうですね」
「では、私はこれで失礼します。何かあったら呼んで下さい」
説明を終えて医師は出ていった。
二人きりになった病室で、康介は楓の様子を窺う。
首周りに新鮮な圧迫痕が赤く刻みつけられていた。
(せっかく、前のやつが消えかかってたのに)
やりきれない思いでため息をつき、首周りの圧迫痕を指先でなぞる。
(俺が、庭園で楓たちを見かけた後の出来事だったわけか。
やはり、俺がちゃんと付いていてやれば良かった)
後悔で唇を噛む。その時、背後から扉の開く音が聞こえた。
振り返ると、例の茶髪の少年が立っていた。やけに神妙な顔つきだった。
「あれ、あんた誰?」
「俺は楓の父親だが」
「ああ……! あんたがそうなのか」
「どういうことだ?」
「あ、すみません。楓から何回か話を聞いたことがあったから、つい」
「なるほど、そういうことか。ところで君は?」
「はい。俺は楓の友達で……」
「北條蒼真君、だね」
「え? 何で?」
「楓から話を聞いてる。楓と仲良くしてくれているそうだね」
「どうも」
少し気まずそうな顔をしつつ、蒼真は楓の傍に寄ってきた。
「楓、どうですか?」
「発見が早かったお陰で軽症で済んだらしい。時期に目覚めるよ」
「そうですか。……良かった」
康介の話を聞いて蒼真は心底ほっとしたように息をついた。
「北條君、君は現場にいたのかな?」
「はい。あの……すみませんでした」
「何のことだ?」
「俺が楓を一人にしたから、楓は襲われてしまったんです。
……ずっと一緒に付いていれば良かった」
「ふむ」
悔しそうに顔を歪めて拳を握る。
蒼真のその態度を受けて、康介は一定の信頼を寄せることにした。
「北條君、警察の事情聴取で散々話してくれたことだは思うが……
君が目撃した内容を、俺にも教えてくれないか?」
「分かりました」
楓のリハビリに付き合う形で、蒼真は楓と二人で院内庭園を散歩していた。
そうして庭園の端にあるベンチで休憩をした。
その際、「飲み物を買ってくる」と言って蒼真は一人で売店の方に言った。
戻ってきた蒼真が目の当たりにしたのは、
白衣を纏った男に押し倒され、首を絞められている楓の姿だった。
蒼真は咄嗟には楓の名前を叫び、男の方へ突進していった。
男は驚いて一瞬だけ怯んだが、すぐに立ち上がりその場から逃走した。
その男を追いかけるかどうか迷ったが、蒼真は意識の無い楓を医者の元に連れて行くことを選んだ。
「なるほど。発見が早かったから軽症で済んだと聞いていたが、
それは君のお陰だったんだね。北條君、楓を助けてくれてありがとう」
「いえ、元はと言えば俺が楓を一人にしたから……」
「いや、悪いのはその男だ。君は何も悪くない」
「…………」
康介に諭されて少し気が楽になったのか、蒼真はずっと強張っていた目元を少し緩めた。
「ところで、君が見た男は白衣を纏っていたんだね?」
「はい。だからぱっと見医者かと思ったんです。
楓に何かあって、医者がその処置をしてるんじゃないかって。
でも、よく見たらそいつ、楓の首を絞めてたんです」
「なるほど、そうか」
顔の特徴については既に調べがついている。
浦坂の顔写真を見せたら、「この男だ」と蒼真は証言した。
その浦坂が白衣を着て病院に紛れんでいたという新たな事実が、康介は気になった。
「…………」
難しい顔で考え込む。
そんな中、蒼真が言いづらそうに声を掛けた。
「すみません。ちょっと用事があるので、俺はこれで失礼します」
「ああ、色々とありがとう」
「いえ、こちらこそ」
「また、何か気付いたことがあったらこの番号に連絡してくれるかな」
「分かりました。それじゃあ、これで」
「あ、ちょっと待って。北條君、もう一つだけ良いかな?」
「?」
帰ろうとした蒼真を呼び止めて、康介は声を顰めて問いかけた。
「ちょっと聞きたい事があるんだが」
「何ですか?」
「君、楓から俺のことを聞いてたんだよね?」
「ええ、まあ」
「どんなこと言ってた?」
「え? ああ……すごく尊敬してるって」
「ほ、本当に?」
「はい。実の子でもないのにすごく良くしてくれて、感謝しかないって」
「ああ……養子だってこと、普通に話してるんだ」
「はい。すごく普通に。あっさりと言ってました。
つーか親父さん、さっきまでと急に雰囲気変わりすぎじゃないっすか?」
「いやー。だって、楓が俺のことどんな風に思ってるのか聞ける機会なんて
なかなか無いからさ」
「はあ……」
事件の話をしている時は刑事然りとしていた康介だったが、
楓の話になるとヤワな父親の顔になっていた。
その変貌ぶりに戸惑いつつ、蒼真は言葉を続ける。
「それでですね、楓の奴『“康介さん”に迷惑を掛けないようにしないと』
ってよく言うんっすよ」
「え?」
「だから、放課後とかに遊びに誘っても全然乗ってこないっつーか。
家のことをしなきゃならないから、遊ぶ時間は取れないって。いつも断られます」
「そう、なのか」
「あ、すみません。本当に時間が無いんで、俺もう行きます」
時計を見るなり、蒼真は慌てた様子で病室を出て行った。
康介の姿に気付いた木野井係長が慌てた様子で声を掛ける。
「藤咲、ちょうど良かった。今、連絡しようと思ってたところだ」
「報告書の訂正の件なら聞いてますが」
「それは後でいい。そんなことより、来たとこすぐで悪いが楓くんが居る病院に戻れ。今すぐに」
「何かあったんですか?」
「浦坂実が現れた」
「何だって⁉︎」
思わぬ事態を聞いて、康介は眼光を鋭くさせる。
「病院から通報があった。楓くんが奴に襲われたらしい」
「なっ……!」
「既に何人か刑事たちを向かわせている。藤咲、お前は楓くんの傍に付いていてやれ」
「楓は⁉︎ 楓は無事なんですよね⁉︎」
上司である木野井に掴みかからん勢いで康介が迫る。
「落ち着け。命に別状はないと聞いている」
「その言い方……何か怪我はさせられたってことですか⁉︎」
「詳しいことは医者から直接聞いてくれ。お前は捜査には関わらなくて良いから」
「……分かりました」
木野井の襟元を掴みかかりそうになっていた手を握り締めて、康介は警察署を出ていった。
再び病院を訪れると、駐車場横の院内庭園に警察関係者が何人も右往左往しているような状態だった。
同僚の刑事たちが、関係者に事情聴取を行なっている。
その中に、楓の友達の少年の姿もあった。
それらを横目に、康介は楓がいる病室の方へ急いだ。
「楓……」
辿り着いた病室で、楓は静かに眠っていた。
傍に立ち状態を確認していた医師が、康介に気付いて声を掛ける。
「ああ、藤咲さん」
「先生、楓は無事なんですよね?」
「頸部圧迫による失神を起こしてました」
「頸部圧迫……」
医師の言葉から楓が首を絞められたことを察する。
浦坂に、再び同じことをされたのだ。
「ですが、発見が早かったので軽症で済みました。
今は鎮静剤の効果で眠っていますが、1時間もすれば目を覚ましますよ」
「そうですか。ありがとうございます」
「他に目立った外傷はありませんでした。
検査も行いましたが、基本的に問題はありませんでしたね」
「そうですか。……良かった」
「ですが、事が事なので退院は少し先に伸ばすことをお勧めします」
「そうですね」
「では、私はこれで失礼します。何かあったら呼んで下さい」
説明を終えて医師は出ていった。
二人きりになった病室で、康介は楓の様子を窺う。
首周りに新鮮な圧迫痕が赤く刻みつけられていた。
(せっかく、前のやつが消えかかってたのに)
やりきれない思いでため息をつき、首周りの圧迫痕を指先でなぞる。
(俺が、庭園で楓たちを見かけた後の出来事だったわけか。
やはり、俺がちゃんと付いていてやれば良かった)
後悔で唇を噛む。その時、背後から扉の開く音が聞こえた。
振り返ると、例の茶髪の少年が立っていた。やけに神妙な顔つきだった。
「あれ、あんた誰?」
「俺は楓の父親だが」
「ああ……! あんたがそうなのか」
「どういうことだ?」
「あ、すみません。楓から何回か話を聞いたことがあったから、つい」
「なるほど、そういうことか。ところで君は?」
「はい。俺は楓の友達で……」
「北條蒼真君、だね」
「え? 何で?」
「楓から話を聞いてる。楓と仲良くしてくれているそうだね」
「どうも」
少し気まずそうな顔をしつつ、蒼真は楓の傍に寄ってきた。
「楓、どうですか?」
「発見が早かったお陰で軽症で済んだらしい。時期に目覚めるよ」
「そうですか。……良かった」
康介の話を聞いて蒼真は心底ほっとしたように息をついた。
「北條君、君は現場にいたのかな?」
「はい。あの……すみませんでした」
「何のことだ?」
「俺が楓を一人にしたから、楓は襲われてしまったんです。
……ずっと一緒に付いていれば良かった」
「ふむ」
悔しそうに顔を歪めて拳を握る。
蒼真のその態度を受けて、康介は一定の信頼を寄せることにした。
「北條君、警察の事情聴取で散々話してくれたことだは思うが……
君が目撃した内容を、俺にも教えてくれないか?」
「分かりました」
楓のリハビリに付き合う形で、蒼真は楓と二人で院内庭園を散歩していた。
そうして庭園の端にあるベンチで休憩をした。
その際、「飲み物を買ってくる」と言って蒼真は一人で売店の方に言った。
戻ってきた蒼真が目の当たりにしたのは、
白衣を纏った男に押し倒され、首を絞められている楓の姿だった。
蒼真は咄嗟には楓の名前を叫び、男の方へ突進していった。
男は驚いて一瞬だけ怯んだが、すぐに立ち上がりその場から逃走した。
その男を追いかけるかどうか迷ったが、蒼真は意識の無い楓を医者の元に連れて行くことを選んだ。
「なるほど。発見が早かったから軽症で済んだと聞いていたが、
それは君のお陰だったんだね。北條君、楓を助けてくれてありがとう」
「いえ、元はと言えば俺が楓を一人にしたから……」
「いや、悪いのはその男だ。君は何も悪くない」
「…………」
康介に諭されて少し気が楽になったのか、蒼真はずっと強張っていた目元を少し緩めた。
「ところで、君が見た男は白衣を纏っていたんだね?」
「はい。だからぱっと見医者かと思ったんです。
楓に何かあって、医者がその処置をしてるんじゃないかって。
でも、よく見たらそいつ、楓の首を絞めてたんです」
「なるほど、そうか」
顔の特徴については既に調べがついている。
浦坂の顔写真を見せたら、「この男だ」と蒼真は証言した。
その浦坂が白衣を着て病院に紛れんでいたという新たな事実が、康介は気になった。
「…………」
難しい顔で考え込む。
そんな中、蒼真が言いづらそうに声を掛けた。
「すみません。ちょっと用事があるので、俺はこれで失礼します」
「ああ、色々とありがとう」
「いえ、こちらこそ」
「また、何か気付いたことがあったらこの番号に連絡してくれるかな」
「分かりました。それじゃあ、これで」
「あ、ちょっと待って。北條君、もう一つだけ良いかな?」
「?」
帰ろうとした蒼真を呼び止めて、康介は声を顰めて問いかけた。
「ちょっと聞きたい事があるんだが」
「何ですか?」
「君、楓から俺のことを聞いてたんだよね?」
「ええ、まあ」
「どんなこと言ってた?」
「え? ああ……すごく尊敬してるって」
「ほ、本当に?」
「はい。実の子でもないのにすごく良くしてくれて、感謝しかないって」
「ああ……養子だってこと、普通に話してるんだ」
「はい。すごく普通に。あっさりと言ってました。
つーか親父さん、さっきまでと急に雰囲気変わりすぎじゃないっすか?」
「いやー。だって、楓が俺のことどんな風に思ってるのか聞ける機会なんて
なかなか無いからさ」
「はあ……」
事件の話をしている時は刑事然りとしていた康介だったが、
楓の話になるとヤワな父親の顔になっていた。
その変貌ぶりに戸惑いつつ、蒼真は言葉を続ける。
「それでですね、楓の奴『“康介さん”に迷惑を掛けないようにしないと』
ってよく言うんっすよ」
「え?」
「だから、放課後とかに遊びに誘っても全然乗ってこないっつーか。
家のことをしなきゃならないから、遊ぶ時間は取れないって。いつも断られます」
「そう、なのか」
「あ、すみません。本当に時間が無いんで、俺もう行きます」
時計を見るなり、蒼真は慌てた様子で病室を出て行った。
10
あなたにおすすめの小説
前世が俺の友人で、いまだに俺のことが好きだって本当ですか
Bee
BL
半年前に別れた元恋人だった男の結婚式で、ユウジはそこではじめて二股をかけられていたことを知る。8年も一緒にいた相手に裏切られていたことを知り、ショックを受けたユウジは式場を飛び出してしまう。
無我夢中で車を走らせて、気がつくとユウジは見知らぬ場所にいることに気がつく。そこはまるで天国のようで、そばには7年前に死んだ友人の黒木が。黒木はユウジのことが好きだったと言い出して――
最初は主人公が別れた男の結婚式に参加しているところから始まります。
死んだ友人との再会と、その友人の生まれ変わりと思われる青年との出会いへと話が続きます。
生まれ変わり(?)21歳大学生×きれいめな48歳おっさんの話です。
※軽い性的表現あり
短編から長編に変更しています
【完結・BL】俺をフッた初恋相手が、転勤して上司になったんだが?【先輩×後輩】
彩華
BL
『俺、そんな目でお前のこと見れない』
高校一年の冬。俺の初恋は、見事に玉砕した。
その後、俺は見事にDTのまま。あっという間に25になり。何の変化もないまま、ごくごくありふれたサラリーマンになった俺。
そんな俺の前に、運命の悪戯か。再び初恋相手は現れて────!?
【完結】期限付きの恋人契約〜あと一年で終わるはずだったのに〜
なの
BL
「俺と恋人になってくれ。期限は一年」
男子校に通う高校二年の白石悠真は、地味で真面目なクラスメイト。
ある日、学年一の人気者・神谷蓮に、いきなりそんな宣言をされる。
冗談だと思っていたのに、毎日放課後を一緒に過ごし、弁当を交換し、祭りにも行くうちに――蓮は悠真の中で、ただのクラスメイトじゃなくなっていた。
しかし、期限の日が近づく頃、蓮の笑顔の裏に隠された秘密が明らかになる。
「俺、後悔しないようにしてんだ」
その言葉の意味を知ったとき、悠真は――。
笑い合った日々も、すれ違った夜も、全部まとめて好きだ。
一年だけのはずだった契約は、運命を変える恋になる。
青春BL小説カップにエントリーしてます。応援よろしくお願いします。
本文は完結済みですが、番外編も投稿しますので、よければお読みください。
【完結】取り柄は顔が良い事だけです
pino
BL
昔から顔だけは良い夏川伊吹は、高級デートクラブでバイトをするフリーター。25歳で美しい顔だけを頼りに様々な女性と仕事でデートを繰り返して何とか生計を立てている伊吹はたまに同性からもデートを申し込まれていた。お小遣い欲しさにいつも年上だけを相手にしていたけど、たまには若い子と触れ合って、ターゲット層を広げようと20歳の大学生とデートをする事に。
そこで出会った男に気に入られ、高額なプレゼントをされていい気になる伊吹だったが、相手は年下だしまだ学生だしと罪悪感を抱く。
そんな中もう一人の20歳の大学生の男からもデートを申し込まれ、更に同業でただの同僚だと思っていた23歳の男からも言い寄られて?
ノンケの伊吹と伊吹を落とそうと奮闘する三人の若者が巻き起こすラブコメディ!
BLです。
性的表現有り。
伊吹視点のお話になります。
題名に※が付いてるお話は他の登場人物の視点になります。
表紙は伊吹です。
借金のカタで二十歳上の実業家に嫁いだΩ。鳥かごで一年過ごすだけの契約だったのに、氷の帝王と呼ばれた彼に激しく愛され、唯一無二の番になる
水凪しおん
BL
名家の次男として生まれたΩ(オメガ)の青年、藍沢伊織。彼はある日突然、家の負債の肩代わりとして、二十歳も年上のα(アルファ)である実業家、久遠征四郎の屋敷へと送られる。事実上の政略結婚。しかし伊織を待ち受けていたのは、愛のない契約だった。
「一年間、俺の『鳥』としてこの屋敷で静かに暮らせ。そうすれば君の家族は救おう」
過去に愛する番を亡くし心を凍てつかせた「氷の帝王」こと征四郎。伊織はただ美しい置物として鳥かごの中で生きることを強いられる。しかしその瞳の奥に宿る深い孤独に触れるうち、伊織の心には反発とは違う感情が芽生え始める。
ひたむきな優しさは、氷の心を溶かす陽だまりとなるか。
孤独なαと健気なΩが、偽りの契約から真実の愛を見出すまでの、切なくも美しいシンデレラストーリー。
Take On Me
マン太
BL
親父の借金を返済するため、ヤクザの若頭、岳(たける)の元でハウスキーパーとして働く事になった大和(やまと)。
初めは乗り気でなかったが、持ち前の前向きな性格により、次第に力を発揮していく。
岳とも次第に打ち解ける様になり…。
軽いノリのお話しを目指しています。
※BLに分類していますが軽めです。
※他サイトへも掲載しています。
【完結・BL】胃袋と掴まれただけでなく、心も身体も掴まれそうなんだが!?【弁当屋×サラリーマン】
彩華
BL
俺の名前は水野圭。年は25。
自慢じゃないが、年齢=彼女いない歴。まだ魔法使いになるまでには、余裕がある年。人並の人生を歩んでいるが、これといった楽しみが無い。ただ食べることは好きなので、せめて夕食くらいは……と美味しい弁当を買ったりしているつもりだが!(結局弁当なのかというのは、お愛嬌ということで)
だがそんなある日。いつものスーパーで弁当を買えなかった俺はワンチャンいつもと違う店に寄ってみたが……────。
凄い! 美味そうな弁当が並んでいる!
凄い! 店員もイケメン!
と、実は穴場? な店を見つけたわけで。
(今度からこの店で弁当を買おう)
浮かれていた俺は、夕飯は美味い弁当を食べれてハッピ~! な日々。店員さんにも顔を覚えられ、名前を聞かれ……?
「胃袋掴みたいなぁ」
その一言が、どんな意味があったなんて、俺は知る由もなかった。
******
そんな感じの健全なBLを緩く、短く出来ればいいなと思っています
お気軽にコメント頂けると嬉しいです
■表紙お借りしました
刺されて始まる恋もある
神山おが屑
BL
ストーカーに困るイケメン大学生城田雪人に恋人のフリを頼まれた大学生黒川月兎、そんな雪人とデートの振りして食事に行っていたらストーカーに刺されて病院送り罪悪感からか毎日お見舞いに来る雪人、罪悪感からか毎日大学でも心配してくる雪人、罪悪感からかやたら世話をしてくる雪人、まるで本当の恋人のような距離感に戸惑う月兎そんなふたりの刺されて始まる恋の話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる