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幼馴染みで元カレで不良な転校生
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泣き続ける私を抱き締めていた健斗が、スッと私から離れた。健斗は、私の手を取ると、歩き出す。白いカーテンの向こう側、ベッドへと。
「けん、と……?」
健斗はなにも言わない。やだ、健斗、もしかして……私を、ここで抱くつもり?ここは駄目、ここは駄目なの、健斗。ここは、そのベッドは、今井先生と初めて繋がった場所だから。
「健斗、健斗、ここじゃ、嫌だっ」
「保健室の先生に抱かれた時のことを思い出すから、か?」
「な、なに、言ってるの、」
「そういうのは、もういいっつーの。無理やりにでも忘れさせてやるよ。あいつのことなんて」
「や、痛いよ、健斗……!」
健斗がバカみたいな力で、私の腕を掴んで放してくれない。やだ、どうしよう、怖い。健斗なのに、怖い。助けて、今井先生。そう叫べたら、良かった。でも、私にはもう、そんな資格……ない。
ベッドに座らされて、制服のスカーフを引き抜かれて、上着のボタンを外されて、押し倒された。こんなの嫌だ、けど、もうどうしようもない。
「もう、あいつのために泣くな……」
俺が全部、忘れさせてやるから。だから、このままここで、俺に抱かれろ。俺は、お前が好きなんだよ。俺なら、お前を悲しませたりしない……。
健斗は、私の耳元で、苦しそうにそう囁いた。
あぁ、そっか。健斗は、私を大切に想ってくれているんだ。健斗は、ただの幼馴染みじゃない。ただの元カレじゃない。私にとって、もっと大切な存在だから、こんな風に傷付けちゃいけなかった。あの時、今井先生は傷付いた顔をしてた。バカは私の方だ。今井先生も健斗も傷付けて、本当に……バカ。
私は泣きながら、呼んだ。
「今井せんせ、」
その時、シャッという音がして、ベッドを隠していたカーテンが開いた。
「雛ちゃんに手を出さないでください。雛ちゃんは、僕の彼女です」
カーテンを開けたのは、他の誰でもない、今井先生だった。今井先生は、健斗をキツく睨みつける。今まで、どこでなにをしていたのか知らないけど、来て、くれた。
……ごめんね、健斗。私が好きなのは、やっぱり、今井先生だ。今井先生が来てくれた、私の望んでいた言葉を言ってくれた。それだけで、私は……死にそうなくらい、嬉しい。
「……はぁ、やーっぱ、俺じゃ駄目か」
「健斗……?」
健斗は溜め息を吐きながら、私の上から退いた。制服の上着を脱いで、それを私の身体に掛けると、そのまま保健室から出て行こうとする。ちょっと、待って。
「おい、保健室の先生。またひなに悲しい思いをさせたら、殴るかんな」
そんな一言を残して、健斗は保健室を出て行った。引き止めなきゃ。謝らなきゃ。そう思っていたのに、健斗と同じくらいの力で、ぎゅっと腕を掴まれる。そして、ベッドに押し倒された。今井先生に。
「……雛ちゃん、ここで大人しくしていなさい」
今井先生の怒った声を、初めて聞いた。今井先生は、扉の鍵を締めに行き、戻ってくると……私の身体に覆い被さって、荒々しくキスをして、ポツリと言った。
「僕から、離れていかないでください……」
今井先生の泣きそうな顔を、初めて見た。こんな時になにを、って、感じだけど、今井先生は笑った時だけじゃなくて、泣きそうな時も可愛い顔をするんだな、なんて思った。
二人分の涙が、真新しいシーツに染みを作っていく。
「けん、と……?」
健斗はなにも言わない。やだ、健斗、もしかして……私を、ここで抱くつもり?ここは駄目、ここは駄目なの、健斗。ここは、そのベッドは、今井先生と初めて繋がった場所だから。
「健斗、健斗、ここじゃ、嫌だっ」
「保健室の先生に抱かれた時のことを思い出すから、か?」
「な、なに、言ってるの、」
「そういうのは、もういいっつーの。無理やりにでも忘れさせてやるよ。あいつのことなんて」
「や、痛いよ、健斗……!」
健斗がバカみたいな力で、私の腕を掴んで放してくれない。やだ、どうしよう、怖い。健斗なのに、怖い。助けて、今井先生。そう叫べたら、良かった。でも、私にはもう、そんな資格……ない。
ベッドに座らされて、制服のスカーフを引き抜かれて、上着のボタンを外されて、押し倒された。こんなの嫌だ、けど、もうどうしようもない。
「もう、あいつのために泣くな……」
俺が全部、忘れさせてやるから。だから、このままここで、俺に抱かれろ。俺は、お前が好きなんだよ。俺なら、お前を悲しませたりしない……。
健斗は、私の耳元で、苦しそうにそう囁いた。
あぁ、そっか。健斗は、私を大切に想ってくれているんだ。健斗は、ただの幼馴染みじゃない。ただの元カレじゃない。私にとって、もっと大切な存在だから、こんな風に傷付けちゃいけなかった。あの時、今井先生は傷付いた顔をしてた。バカは私の方だ。今井先生も健斗も傷付けて、本当に……バカ。
私は泣きながら、呼んだ。
「今井せんせ、」
その時、シャッという音がして、ベッドを隠していたカーテンが開いた。
「雛ちゃんに手を出さないでください。雛ちゃんは、僕の彼女です」
カーテンを開けたのは、他の誰でもない、今井先生だった。今井先生は、健斗をキツく睨みつける。今まで、どこでなにをしていたのか知らないけど、来て、くれた。
……ごめんね、健斗。私が好きなのは、やっぱり、今井先生だ。今井先生が来てくれた、私の望んでいた言葉を言ってくれた。それだけで、私は……死にそうなくらい、嬉しい。
「……はぁ、やーっぱ、俺じゃ駄目か」
「健斗……?」
健斗は溜め息を吐きながら、私の上から退いた。制服の上着を脱いで、それを私の身体に掛けると、そのまま保健室から出て行こうとする。ちょっと、待って。
「おい、保健室の先生。またひなに悲しい思いをさせたら、殴るかんな」
そんな一言を残して、健斗は保健室を出て行った。引き止めなきゃ。謝らなきゃ。そう思っていたのに、健斗と同じくらいの力で、ぎゅっと腕を掴まれる。そして、ベッドに押し倒された。今井先生に。
「……雛ちゃん、ここで大人しくしていなさい」
今井先生の怒った声を、初めて聞いた。今井先生は、扉の鍵を締めに行き、戻ってくると……私の身体に覆い被さって、荒々しくキスをして、ポツリと言った。
「僕から、離れていかないでください……」
今井先生の泣きそうな顔を、初めて見た。こんな時になにを、って、感じだけど、今井先生は笑った時だけじゃなくて、泣きそうな時も可愛い顔をするんだな、なんて思った。
二人分の涙が、真新しいシーツに染みを作っていく。
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