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国軍尉官期
8 アリアは〇〇です 2
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「ゲーム通りの性格でさえあれば良いと思ってたのに、転生者で、その上ちゃんと状況が分かっているだなんて、最高じゃない!」
今のアリアに、“伯爵令嬢”の面影はほとんど見えない。
私は呆気にとられて彼女を見ていた。
「それでね、質問なんだけど、あなたはこの先どうしたい?」
一転、まじめに聞いてきた彼女に、気を取り直して簡潔にこたえる。
「目標、でいいのなら『イージーモード』ですかね」
「うん、うん……!」
私の答えを聞いたアリアは、目を輝かせて頷いた。
「いいね、良い目標だわ。それに私の目的とも一致してるし!」
「へえ、アリアの目的?」
気になって距離を詰めると、アリアは少し赤くなり、多少静かになった様子で話し出した。
「そ、そうですわ。私の目的は、華ノ国の王子様と王女様を死なせないことだから」
華ノ国のストーリーでは貴族達の陰謀に巻き込まれる内容が多く、戦争以外でキャラクターが死ぬルートが最も多い。
主人公サイドで最も死ぬ可能性が高いのが、現王のたった2人の子供。王太子と王女様だ。
王太子は攻略対象、王女様は王太子や騎士攻略のキーパーソン。ハッピーエンドになれば、二人とも死ぬことはない。
確かに『イージーモード』であれば、彼らが死ぬことはほとんどないだろう。
「お二人には、幼い頃から良くしていただいたの。だから、ゲーム知識を使ってお守りすることで恩返しをしたいのよ」
最後の方は照れくさいのか、目をそらし、耳が赤くなっていた。そこは“アリア”っぽくて、思わず笑ってしまった。
「ふふっ、アリア様は可愛らしいですね」
「はあ!?ななな何言ってるの!」
突然慌てだしたアリアに、密かに納得する。
きっと、彼女も前と今の性格が混ざっているのだろう。
理性は前世の、ふとした瞬間に今世の性格が強く表れる。
もはや自分がそのような行動を取ることも自然に受け入れられるのだ。
「確かアリアは『根が真面目なツンデレ』でしたね。それなら、信用できるかもしれません」
「は?」
きょとんとした様子のアリアをよそに、話を続ける。
「ところで、あなたは今観光をしているはずでは?」
「ああ、それなら影武者に代わってもらったわ」
「なるほど。では、先の話をしましょうか。そのためにいらしたのでしょう?」
彼女、思ったよりも奔放だ。
彼女の行動力は侮ってはいけないと心のメモに残して、アリアに話の続きをするように促す。
「そうそう。どこから話しましょうか……」
「どこからでもかまいませんよ」
それなら、と話し始めるアリア。
「まず、私がここに来た理由ね。私が前世の記憶を思い出したのが5歳の時で、その頃から情報収集だけは気をつけてしていたの」
「5歳から……すごいですね」
思わず言葉にしてしまった私に、アリアは微笑する。
「前世では30代だったんですもの。人生経験もゲーム知識もそこそこあったわ。それで、元々有名だった身分の高い攻略対象者の情報に加えて、最近はあなたや他のキャラの報告もされるようになっていたのだけど、一部の行動に違和感があったのよ」
今のアリアに、“伯爵令嬢”の面影はほとんど見えない。
私は呆気にとられて彼女を見ていた。
「それでね、質問なんだけど、あなたはこの先どうしたい?」
一転、まじめに聞いてきた彼女に、気を取り直して簡潔にこたえる。
「目標、でいいのなら『イージーモード』ですかね」
「うん、うん……!」
私の答えを聞いたアリアは、目を輝かせて頷いた。
「いいね、良い目標だわ。それに私の目的とも一致してるし!」
「へえ、アリアの目的?」
気になって距離を詰めると、アリアは少し赤くなり、多少静かになった様子で話し出した。
「そ、そうですわ。私の目的は、華ノ国の王子様と王女様を死なせないことだから」
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主人公サイドで最も死ぬ可能性が高いのが、現王のたった2人の子供。王太子と王女様だ。
王太子は攻略対象、王女様は王太子や騎士攻略のキーパーソン。ハッピーエンドになれば、二人とも死ぬことはない。
確かに『イージーモード』であれば、彼らが死ぬことはほとんどないだろう。
「お二人には、幼い頃から良くしていただいたの。だから、ゲーム知識を使ってお守りすることで恩返しをしたいのよ」
最後の方は照れくさいのか、目をそらし、耳が赤くなっていた。そこは“アリア”っぽくて、思わず笑ってしまった。
「ふふっ、アリア様は可愛らしいですね」
「はあ!?ななな何言ってるの!」
突然慌てだしたアリアに、密かに納得する。
きっと、彼女も前と今の性格が混ざっているのだろう。
理性は前世の、ふとした瞬間に今世の性格が強く表れる。
もはや自分がそのような行動を取ることも自然に受け入れられるのだ。
「確かアリアは『根が真面目なツンデレ』でしたね。それなら、信用できるかもしれません」
「は?」
きょとんとした様子のアリアをよそに、話を続ける。
「ところで、あなたは今観光をしているはずでは?」
「ああ、それなら影武者に代わってもらったわ」
「なるほど。では、先の話をしましょうか。そのためにいらしたのでしょう?」
彼女、思ったよりも奔放だ。
彼女の行動力は侮ってはいけないと心のメモに残して、アリアに話の続きをするように促す。
「そうそう。どこから話しましょうか……」
「どこからでもかまいませんよ」
それなら、と話し始めるアリア。
「まず、私がここに来た理由ね。私が前世の記憶を思い出したのが5歳の時で、その頃から情報収集だけは気をつけてしていたの」
「5歳から……すごいですね」
思わず言葉にしてしまった私に、アリアは微笑する。
「前世では30代だったんですもの。人生経験もゲーム知識もそこそこあったわ。それで、元々有名だった身分の高い攻略対象者の情報に加えて、最近はあなたや他のキャラの報告もされるようになっていたのだけど、一部の行動に違和感があったのよ」
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