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お願い事
しおりを挟む「ねぇ、レイア。こんな後なのだけど、頼みたいことがあるの」
「何でしょうか、お母様」
「その、お使いを頼みたくて…。ほら、あんなことがあった日、本当はノア家が取り立てに来る日だったでしょ?その取り立てのことで、手紙を出してきて欲しいの。今すぐに」
「は、はい。今、すぐに…ですか」
今は夜だし、外も暗い。明日の方がいい気がするが。
「急用なのよ。街に行って欲しいの。街なら、馬車がなくてもすぐ行けるでしょう?」
確かに、ここからノア家は馬車でもそれなりの時間がかかる。しかし、街なら家を出てすぐなので時間はかからない。
「分かりました。街のポストに出せばいいのですよね?」
「ええ。お願いね」
少しして、母から手紙を渡された。赤い蝋で封をされた、昔ながらの手紙という感じで可愛らしい。表には届け先が筆記体で書いてある。
「では、行ってきます」
外は少し冷え込んでいるため、ノア家から貸してもらったブランケットを羽織る。もう洗濯はし終わっていて、渡そうと思ったのだがまた少し使わせて貰う。
手紙を片手に街に出る。装飾をされた高い電灯が街を照らしている。その光に導かれ、ポストの前まで来る。
すると、後ろから声をかけられた。
「すみません、お嬢さん。少し良いでしょうか?」
「はい?何でしょうか」
私の後ろにはガタイの良い男性5、6人のグループが。その人たちは腰を低くして私に言う。
「実は俺たち、ここ初めてでして…。宿舎を探しているのですが、近くに宿舎ってありますかね?」
「えっと…、宿舎はここを真っ直ぐ行ったところの右手にあります」
「そうですか!ありがとうございます。えっと……、あの、もう暗くて、見落としてしまうかもしれないので一緒に来てもらっても?」
「はい、ご案内します」
私が先陣を切り、その後ろを付いてくる。にしても、随分と軽装だ。宿舎に泊まると言うのに、ほぼ荷物はない。
急なことだったのかな?そう思いながら案内する。
宿舎近くの路地を通りかかったとき、急に腕を引かれる。
「なっ…」
そのまま口に手を当てられ、裏路上に連れ込まれる。
ズリズリと引きずられながら裏路上の奥の方へ来ると、背中を壁に叩きつけられる。
「あ"っ…くっ…」
痛さに悶えると、上から声が降ってくる。
「恨むなよ、これは仕事だ」
「カハッ…、し、ごと…?」
何のことだ?何を言って…
「お前を殺せってな」
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