悪役令嬢ですが、ヒロインが大好きなので助けてあげてたら、その兄に溺愛されてます!?

柊 来飛

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裏切り

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     ー私を、殺す…?


「状況が飲み込めてないようだが、それで良い。これから死ぬんだからな」

 そう言って、目の前の男は何かを取り出す。闇夜の中でもそれはキラリと銀色に光る。いや、キラリなんて可愛いものじゃない。ギラリ、と言った方が正しいか。

 私はそれを瞬時にナイフだと理解する。逃げようと体を捻るが、それも叶わず、胸ぐらを掴まれ上に上げられる。
 足が宙に浮く。足をバタつかせるが、それは全く意味を持たない。

「可哀想だよなぁ。こんなに若いのに、殺されるなんて。でもこっちも仕事でね。人生があるんだ」

 そんなの。それを言ったら、私にだってある。私にも、人生があるのに。一度は無くしてしまった人生が、それでもまた与えられた人生が、私にはある。
 
     
       それなのに


 首のガーゼを乱暴に取られ、その傷にナイフを当てられる。せっかく塞がってきた傷なのに、またそこから血が流れるのか。
 精一杯の反抗も、彼らの前では無に等しい。私の体じゃ、力じゃ何もできない。

「なあ兄貴。せっかく殺すならさ、少し愉しもうぜ」

「貴族の娘だろ?まだ味見されてないって。死ぬなら、貰ってあげないと。それが紳士ってもんだろ?なぁ兄貴」

 何を言っているのか、流石の私にもわかる。コイツら、私を凌辱する気か!
 
 私は現実世界でもそういう経験はなかった。勿論、この世界でも。恋人はいたことないし、一夜限りの関係も持ったことがない。
 本当に初心者なのだ。恋もしたことがない。

 私を見る目が変わった。明らかに、その意を孕んだ欲望にまみれた目。手つきも荒々しい手つきから、舐め回すようなねっとりとした手つきに変わる。
 それが気持ち悪くて私は悲鳴に近い声を上げる。

「嫌!やめて!」

 そう叫んでも、その目が変わることも、その手が止まることはない。ブランケットを剥がされ、外の冷気に触れる。薄着で出てきてしまったのも失敗だ。
 その手の感触が布越しでもよりわかる。ざらりとした手が私の腰を、足を触る。
 気持ち悪い、気持ち悪い!!
 
 いつしかその手は服の中に侵入し、私の素肌に触れる。お腹のラインを撫でたあと、脇の下に来たかと思うと、着ていた下着をパチンと外される。胸を守っていたそれは、肩にかろうじて掛かっているだけの物となる。
 別の男の手が下にも侵入し、ロングスカートを下ろされる。下着のラインを厭らしく撫で、私の内腿を触る。

「ヒッ、」

 私は短い悲鳴をあげる。際どい所をジリジリと追い詰めるように触られる。まだ事には至っていないものの、これからするということは明らかだ。
 両足の間に男の足が割り込んでくる。服をナイフで裂かれ、私の上半身が露出する。ロングスカートにもナイフを入れられ、ビリビリと鳴る音を私は止められない。耳も塞げずに、その音を聞くことしかできない。

「ぅ、ヒッ、や、やだっ」

 私は恐怖と悔しさで涙が溢れる。泣いても、何にもならないのに。何も無いのに。それでも怖いのだ。凌辱されることが、死ぬことが怖いのだ。

 せっかく助けてもらった命なのに。こんなところで終わってしまうなんて。こんな形で終わってしまうなんて。
 そう思っても、私の涙は目の前の男たちの加虐心を煽ることしか出来ない。

「やっば…、良いねぇ嬢ちゃん。もっと泣いて良いよ。その内、気持ち良さで泣いてくるから」

 そんなわけないだろう、無理やり犯されて、何が快楽だ。私はギッと相手を睨みつける。
 その目が気に入らなかったのか、相手は私の長い髪を力一杯引っ張る。

「そんな目しても無駄なんだよ、嬢ちゃん。かわいそーなジョーちゃん。実の両親に殺されるなんてな!」

 
     ー私の、両親に?ー
 

 
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