54 / 132
自覚
夏風邪
しおりを挟む
3年の春の修学旅行が終わり、ここにも暑い夏が来た。朝から夜まで、寝てる時もエアコンはつけっぱなしだ。エアコンが無ければ、今頃各地の病院に大勢の熱中症者が運び込まれていただろう。科学と技術の進歩に感謝するばかりだ。
「先生、ゴホッ、じゃあ、ゲホッ、行ってきます」
「………お前、風邪じゃないのか」
「ゴホッ、いえ、エアコンで喉を壊しまして……ゴホゴホッ」
「前回の俺もそれで風邪だったぞ」
「いや、僕はちゃんとさっき熱測りました。けほっ、平熱でしたよ。頭も痛くないし、本当に、ゴホッ、喉が痛いだけなんです」
「………気をつけろよ」
「はい!」
学校に着き、授業の準備をする。にしても、本当に喉が痛い。でも、エアコンをつけないと死ぬ。そう考えたら、エアコンで喉を痛めるくらいなんてことないだろう。
「夕、おはよう」
「彩葉、おはよう」
「夕、声枯れてる」
「あー、ゴホッ、実は今喉、ゲホッ、痛めてて…」
「気をつけてね、風邪じゃない?大丈夫?」
「えへへ、先生と同じこと言ってる。こほっ、大丈夫だよ、」
彩葉は心配な目をしたが、僕がちゃんと元気だと言うことを話すと、最終的には納得してくれた。
3時間目のとき、何だか頭が痛くなる。でもたまに痛くなることもあるし、そんな酷い頭痛じゃなかったからそのまま授業に集中した。
4時間目、頭痛が酷くなってきた。波があり、時よりズキリと特に痛くなる。痛さに顔を思わず歪める。少し…昼休みのとき寝よう。最近暑くて寝れないことが多いのだ。そのせいだろう。僕は昼休みまでその痛さに耐え、昼休みは彩葉に断りを入れ、机に突っ伏していた。
5時間、昼休み寝たのにも関わらず、頭痛は酷くなるばかりだ。頭が痛くて黒板を見れない。頭を動かしたくないのだ。それに、何も運動をしていないのに息が上がる。
「烏坂、大丈夫か?」
「………え?」
「どこか体調悪いんじゃないのか?保健室とか行くか?」
「……だ、大丈夫です」
「なら良いんだが…無理するなよ」
そのまま授業を終える。彩葉がこちらにきて心配の言葉をかけるが、僕は笑顔を作って応答する。後1時間だけだし、大丈夫。きっと。
6時間目は本当に長かった。いつも長いと感じるが、今回は特に。頭もずっと痛みが引かないし、何だか寒い。クーラーの風が直接当たっているわけでもないのに。何だか目の焦点も時々合わなくなる。
「烏坂さん、顔赤いよ?クーラーもう少し下げる?いやでも、これ以上下げたらダメか…」
「…い、いえ。気にしないでください」
僕はなるべく平常を装い応える。出来ることなら、もう何も話したくも考えたくもない。
6時間目の授業が終わり、帰りのSHLをする。僕はそれが終わり次第すぐに荷物をまとめて学校を出た。
フラフラの足で帰宅する。寒い、寒いのだ。あんなに外はかんかん照りだったのに。頭痛が酷すぎて喉の痛みなんて忘れていた。僕は自分の部屋に戻る気力もなく、靴も揃えずにそのままリビングのソファに倒れ込む。
夕飯の用意、どうしよう。少し寝てからある物で作ってしまおうか。後、洗濯は…お風呂の後でいいや。掃除は今日は休んで、今日の復習と予習は出来たらやる感じで…。
考えれば考えるほど頭痛が邪魔をする。少し寝よう、そしたら大丈夫。いつもそうだったから。
僕は制服を着替えることもしないまま、目を閉じた。
「先生、ゴホッ、じゃあ、ゲホッ、行ってきます」
「………お前、風邪じゃないのか」
「ゴホッ、いえ、エアコンで喉を壊しまして……ゴホゴホッ」
「前回の俺もそれで風邪だったぞ」
「いや、僕はちゃんとさっき熱測りました。けほっ、平熱でしたよ。頭も痛くないし、本当に、ゴホッ、喉が痛いだけなんです」
「………気をつけろよ」
「はい!」
学校に着き、授業の準備をする。にしても、本当に喉が痛い。でも、エアコンをつけないと死ぬ。そう考えたら、エアコンで喉を痛めるくらいなんてことないだろう。
「夕、おはよう」
「彩葉、おはよう」
「夕、声枯れてる」
「あー、ゴホッ、実は今喉、ゲホッ、痛めてて…」
「気をつけてね、風邪じゃない?大丈夫?」
「えへへ、先生と同じこと言ってる。こほっ、大丈夫だよ、」
彩葉は心配な目をしたが、僕がちゃんと元気だと言うことを話すと、最終的には納得してくれた。
3時間目のとき、何だか頭が痛くなる。でもたまに痛くなることもあるし、そんな酷い頭痛じゃなかったからそのまま授業に集中した。
4時間目、頭痛が酷くなってきた。波があり、時よりズキリと特に痛くなる。痛さに顔を思わず歪める。少し…昼休みのとき寝よう。最近暑くて寝れないことが多いのだ。そのせいだろう。僕は昼休みまでその痛さに耐え、昼休みは彩葉に断りを入れ、机に突っ伏していた。
5時間、昼休み寝たのにも関わらず、頭痛は酷くなるばかりだ。頭が痛くて黒板を見れない。頭を動かしたくないのだ。それに、何も運動をしていないのに息が上がる。
「烏坂、大丈夫か?」
「………え?」
「どこか体調悪いんじゃないのか?保健室とか行くか?」
「……だ、大丈夫です」
「なら良いんだが…無理するなよ」
そのまま授業を終える。彩葉がこちらにきて心配の言葉をかけるが、僕は笑顔を作って応答する。後1時間だけだし、大丈夫。きっと。
6時間目は本当に長かった。いつも長いと感じるが、今回は特に。頭もずっと痛みが引かないし、何だか寒い。クーラーの風が直接当たっているわけでもないのに。何だか目の焦点も時々合わなくなる。
「烏坂さん、顔赤いよ?クーラーもう少し下げる?いやでも、これ以上下げたらダメか…」
「…い、いえ。気にしないでください」
僕はなるべく平常を装い応える。出来ることなら、もう何も話したくも考えたくもない。
6時間目の授業が終わり、帰りのSHLをする。僕はそれが終わり次第すぐに荷物をまとめて学校を出た。
フラフラの足で帰宅する。寒い、寒いのだ。あんなに外はかんかん照りだったのに。頭痛が酷すぎて喉の痛みなんて忘れていた。僕は自分の部屋に戻る気力もなく、靴も揃えずにそのままリビングのソファに倒れ込む。
夕飯の用意、どうしよう。少し寝てからある物で作ってしまおうか。後、洗濯は…お風呂の後でいいや。掃除は今日は休んで、今日の復習と予習は出来たらやる感じで…。
考えれば考えるほど頭痛が邪魔をする。少し寝よう、そしたら大丈夫。いつもそうだったから。
僕は制服を着替えることもしないまま、目を閉じた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
俺様上司に今宵も激しく求められる。
美凪ましろ
恋愛
鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。
蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。
ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。
「おまえの顔、えっろい」
神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。
――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜
来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。
望んでいたわけじゃない。
けれど、逃げられなかった。
生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。
親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。
無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。
それでも――彼だけは違った。
優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。
形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。
これは束縛? それとも、本当の愛?
穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる