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止められない想い
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有名な神社に足を運んでお参りをする。
烏坂の受験がうまくいきますように。
これからも、烏坂が幸せで暮らせますように。
ここまで願って思う。この願いは今烏坂は幸せという前提ではないか?まぁ、前に幸せだと聞いたから細かいことはいいか。
チラリと隣を見ると、烏坂は目を瞑って願い事をしている。
神なんて信じてない。ならば、何を願ってもいいだろう。もしも、願えるなら、
これからもずっと、烏坂と一緒にいられますように
この願いを心の中で唱える。どうせ叶わないと笑われるだろうか。
俺の願いは烏坂の幸せだ。烏坂が幸せじゃなければ意味が無い。それは本心だ。
ただ、烏坂を手放すつもりはない。
烏坂に幸せになって欲しい。ただし、俺と一緒に。
そんな我儘な願いだ。
帰ろうとしたとき、ふと隣を見ると烏坂がいない。急いで周りを見渡すと、人混みに流されている烏坂がいた。
俺は自分の体格を生かして一気に人混みをの中を突っ切る。腕を伸ばし、烏坂を勢いよく引いて自分の腕の中に収める。
はぐれないようにと手を繋ぐと、烏坂は薄く笑う。ふんわりと弧を描いたルージュの唇がやけに瞳に残った。
喫茶店に入ると、すぐさま願い事を聞かれる。俺は上手い具合に願い事を切り取ってそこだけを話す。嘘では無いが、真実でも無い。烏坂も同じような願い事だった。
料理を食べていると、頼んだ覚えのないパフェが運ばれてきた。何かと問えば、斜め後ろの席に視線を誘導させる。
そこには御代一とレイがいた。
せっかくなので2人と相席する。隣で大きなパフェに目を輝かせて食べる烏坂を見ていると、何やら前から生温かい目を送られる。俺が睨み返すと、2人はわざとらしく肩を竦ませた。
レイがパシャリと写真を撮る。リスのように頬を膨らませ、口元にクリームを付けながらもきちんとピースをする姿はとても愛らしくて。
しかし、その姿をカメラに納めているレイが気に入らない。それが通じたのか、レイは後でちゃんと送ると言う。本当だろうか。その写真と交換で何かねだられそうだが、レイはそんな奴じゃ無いからちゃんと送ってくれるだろう。
烏坂がお礼を言うと、レイは表情筋をこれでもかと緩ませて話す。昔の感情の起伏が無いレイとは大違いだ。
レイは妹属性だ。一方、烏坂は姉属性。互いが互いに、レイは妹が出来たみたいで、烏坂は姉ができたみたいで、新鮮で嬉しいのだろう。
レイが烏坂の口紅を褒める。烏坂は俺からのプレゼントだと言うと、2人は驚いた顔でこちらを見る。俺はシラを切るが、それも2人にはお見通しのようでニヤニヤと口元を上げる。
「ははっ!すっごい情熱的なプレゼントじゃん!」
「ふふっ、鷹翔が口紅ねぇ…。かなりロマンスだね」
2人が言うと、烏坂は素直に納得したような顔になる。
烏坂は疎い。こういうことに。それを分かっていて俺はこのようなことをしているのだ。本当にずるい奴だ、俺は。
俺は会計を済ませて外に出ると、レイが烏坂の頭を撫でている。烏坂も満更では無い様子で身を任せている。
俺は思わず顔を顰める。不機嫌を隠さずに烏坂の肩を抱くと、レイは全てを察したように離れる。
「わぁ鷹翔。違うってば、ごめんごめん。夕ちゃん可愛いからつい撫でたくなっちゃうの」
その気持ちはわかる。ただ、誰にでもそうだと俺が気に入らない。
レイは最後に別れの言葉を言って御代一の方に行く。御代一は待ってましたと言わんばかりに自然な仕草でレイの手を取り指を絡める。
「凄いなぁ…」
烏坂は声を漏らす。烏坂は結構奥手だ。いちいち理由を見つけないと行動出来ないし、甘えられない。そんなの必要ないのに。
「ほら、これで良いだろ」
俺が手を握ると、烏坂は顔を少し赤くして俺を睨む。簡単にこういうことをするなということだろう。お前だけだよ、烏坂。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
家に帰ると、レイから一件の通知が入っていた。
開くとそれは先ほど撮った写真が一枚。
それを見て俺は自然と笑顔になる。
隣で見るのも良いが、やはり正面だと表情が分かりやすい。
「先生?」
烏坂が丁度ひょこりと顔を出す。俺はスマホを閉じて烏坂の方に向かう。
烏坂は俺を上目遣いで見つめる。この時だけこの無駄にでかい体に感謝をする。その顔、俺だけにしてほしい。そんなこと言っても叶わないが。
俺は烏坂のネックレスを手に取る。
「付けて、くれてるんだな。口紅も」
「先生からせっかく貰ったんです。勿論ですよ」
烏坂はフフンと胸を張る。俺も今烏坂から貰ったピアスとネックレスをつけている。思えば、普段つけて行かない仕事場にも付けて行って四六時中身につけている気がする。生徒からも珍しいと言われたな。
そんなこと考える。こんな幸せな時間がずっと続けば良いのにな。
そんな願いは儚くも無情に壊れる。
やはり、神はいないらしい。
烏坂の受験がうまくいきますように。
これからも、烏坂が幸せで暮らせますように。
ここまで願って思う。この願いは今烏坂は幸せという前提ではないか?まぁ、前に幸せだと聞いたから細かいことはいいか。
チラリと隣を見ると、烏坂は目を瞑って願い事をしている。
神なんて信じてない。ならば、何を願ってもいいだろう。もしも、願えるなら、
これからもずっと、烏坂と一緒にいられますように
この願いを心の中で唱える。どうせ叶わないと笑われるだろうか。
俺の願いは烏坂の幸せだ。烏坂が幸せじゃなければ意味が無い。それは本心だ。
ただ、烏坂を手放すつもりはない。
烏坂に幸せになって欲しい。ただし、俺と一緒に。
そんな我儘な願いだ。
帰ろうとしたとき、ふと隣を見ると烏坂がいない。急いで周りを見渡すと、人混みに流されている烏坂がいた。
俺は自分の体格を生かして一気に人混みをの中を突っ切る。腕を伸ばし、烏坂を勢いよく引いて自分の腕の中に収める。
はぐれないようにと手を繋ぐと、烏坂は薄く笑う。ふんわりと弧を描いたルージュの唇がやけに瞳に残った。
喫茶店に入ると、すぐさま願い事を聞かれる。俺は上手い具合に願い事を切り取ってそこだけを話す。嘘では無いが、真実でも無い。烏坂も同じような願い事だった。
料理を食べていると、頼んだ覚えのないパフェが運ばれてきた。何かと問えば、斜め後ろの席に視線を誘導させる。
そこには御代一とレイがいた。
せっかくなので2人と相席する。隣で大きなパフェに目を輝かせて食べる烏坂を見ていると、何やら前から生温かい目を送られる。俺が睨み返すと、2人はわざとらしく肩を竦ませた。
レイがパシャリと写真を撮る。リスのように頬を膨らませ、口元にクリームを付けながらもきちんとピースをする姿はとても愛らしくて。
しかし、その姿をカメラに納めているレイが気に入らない。それが通じたのか、レイは後でちゃんと送ると言う。本当だろうか。その写真と交換で何かねだられそうだが、レイはそんな奴じゃ無いからちゃんと送ってくれるだろう。
烏坂がお礼を言うと、レイは表情筋をこれでもかと緩ませて話す。昔の感情の起伏が無いレイとは大違いだ。
レイは妹属性だ。一方、烏坂は姉属性。互いが互いに、レイは妹が出来たみたいで、烏坂は姉ができたみたいで、新鮮で嬉しいのだろう。
レイが烏坂の口紅を褒める。烏坂は俺からのプレゼントだと言うと、2人は驚いた顔でこちらを見る。俺はシラを切るが、それも2人にはお見通しのようでニヤニヤと口元を上げる。
「ははっ!すっごい情熱的なプレゼントじゃん!」
「ふふっ、鷹翔が口紅ねぇ…。かなりロマンスだね」
2人が言うと、烏坂は素直に納得したような顔になる。
烏坂は疎い。こういうことに。それを分かっていて俺はこのようなことをしているのだ。本当にずるい奴だ、俺は。
俺は会計を済ませて外に出ると、レイが烏坂の頭を撫でている。烏坂も満更では無い様子で身を任せている。
俺は思わず顔を顰める。不機嫌を隠さずに烏坂の肩を抱くと、レイは全てを察したように離れる。
「わぁ鷹翔。違うってば、ごめんごめん。夕ちゃん可愛いからつい撫でたくなっちゃうの」
その気持ちはわかる。ただ、誰にでもそうだと俺が気に入らない。
レイは最後に別れの言葉を言って御代一の方に行く。御代一は待ってましたと言わんばかりに自然な仕草でレイの手を取り指を絡める。
「凄いなぁ…」
烏坂は声を漏らす。烏坂は結構奥手だ。いちいち理由を見つけないと行動出来ないし、甘えられない。そんなの必要ないのに。
「ほら、これで良いだろ」
俺が手を握ると、烏坂は顔を少し赤くして俺を睨む。簡単にこういうことをするなということだろう。お前だけだよ、烏坂。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
家に帰ると、レイから一件の通知が入っていた。
開くとそれは先ほど撮った写真が一枚。
それを見て俺は自然と笑顔になる。
隣で見るのも良いが、やはり正面だと表情が分かりやすい。
「先生?」
烏坂が丁度ひょこりと顔を出す。俺はスマホを閉じて烏坂の方に向かう。
烏坂は俺を上目遣いで見つめる。この時だけこの無駄にでかい体に感謝をする。その顔、俺だけにしてほしい。そんなこと言っても叶わないが。
俺は烏坂のネックレスを手に取る。
「付けて、くれてるんだな。口紅も」
「先生からせっかく貰ったんです。勿論ですよ」
烏坂はフフンと胸を張る。俺も今烏坂から貰ったピアスとネックレスをつけている。思えば、普段つけて行かない仕事場にも付けて行って四六時中身につけている気がする。生徒からも珍しいと言われたな。
そんなこと考える。こんな幸せな時間がずっと続けば良いのにな。
そんな願いは儚くも無情に壊れる。
やはり、神はいないらしい。
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