灰色に夕焼けを

柊 来飛

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惹かれ合う

婚約

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「…………へ?」

「学生婚は、勉強を疎かにしなければ良いんだろ?金ならあるし、頑張るってさっき言っただろ」

「待って待って待って!!!」

 すごいステップを飛ばしてる気がする!こういうのはちゃんとお付き合いをして、お互いを知って、それから籍を入れるんじゃないのか!?

「んだよ」

「だってまだ付き合って1日も経ってないのに!早すぎませんか…?」

「約3年ここで一緒に暮らしてんだ。ほぼ付き合ってるも同等だろう」

「それは、そう…なのかも…?知れないけれど、でも、僕も先生も、まだ知らないこと、沢山あります。だからもっと時間を…」

「………わかった、お前に合わせる。ただし、」

「た、ただし?」

「婚約はしてくれ」

「こ、婚約…、婚約なら…、まあ…?あっでも、婚約期間っていつまでですか?」

「俺は今すぐ結婚したいからなるべく短いほうがいいが…お前は多分大学卒業してからの方がいいだろう。くそ、四年か…なげぇな」

 あ、バレてる。僕が期間を決められるとしたら大学卒業までと言うことがバレてる。でも仕方ないじゃないか、大学生で結婚する人もいるけど僕はそんな器用なことできる気がしない。

「大学卒業したらすぐ結婚する。これは決定事項だ。その間逃げるんじゃねぇぞ、逃げても捕まえる。まあ、逃げられねぇか」

 先生が僕の首を撫でる。僕はごくりと喉を鳴らす。
 僕はもう先生に捕えられている。僕の運命は、先生次第なのだ。

「僕は逃げませんよ」

 僕は先生の目を見据えて言う。逃げてもどこに向かえばいいのか。行き場など僕には無い。僕の居場所は、もうここしか無いのだ。
 
「先生、もしも、僕以外の人を好きになったとしても、僕は先生を簡単に離しませんよ」

 僕が力を入れて抱きしめると、先生はニヤリと片方の口角を悪魔のように上げる。

「俺がお前以外を好きになる?ありえねぇな。逆に、お前の方だって他のやつに目移りしてろ。ただじゃおかねぇ」

 先生は僕の耳元で暗示のように囁く。僕の背中を何かが悍ましく駆け上がる。
 浮気なんてするつもりはないが、もしも浮気が見つかったらこれ僕死ぬな。
 
「だから、俺を怒らせないでくれよ、夕」
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