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俺にも春が来た!?
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「バサラーダ?」「なに?なんの事?」「ゲームのアカウント名か何かか?」「ていうか、なんであんな可愛い娘と鞍馬なんかが知り合いなんだよ!?」
魁斗は一時的に思考が停止したが、次の瞬間顔が真っ青になった。
(えっ?何?この娘今俺の事バサラーダって言った?空耳か?…………………いやマジで言ったぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!)
「会いたかった♡……バサラー…」「早退しまぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁす!!」
魁斗は麻里香をお姫様抱っこの如く抱き抱え、自身と彼女の荷物を持って猛ダッシュでその場を去った。
「おい鞍馬!!三条を連れてどこ行く気だ!!」
という担任の声をガン無視して。
「アイツ!!あの娘連れてどこ行くきだ!?」「まさか、あのまま自宅かもしくは学校を出てラ◯ホでニャンニャン!?」「あの野郎!!明日会ったらタダじゃすまさねぇ!!」「殺す!!なぶり殺しじゃぁ!!」
男子生徒達の嫉妬と殺意が混じった視線を、女子生徒からは割とどうでも良いかみたいな視線を送られながら魁斗は麻里香を自転車の荷台に座らせてダッシュで自転車をこいだのだった。
◇
「ねぇ美穂、あの子って美穂の幼馴染みの子じゃない?」
「えっ?バ魁斗がどうかしたの?」
「バ魁斗って、相変わらずぞんざいに扱ってるわね、なんか女の子連れて外に出たわよ」
「えっ?」
美穂が窓の外を見ると、魁斗が麻里香を自転車の後ろの荷台に乗せて全力で自転車をこいで学校の外へと出て行ったのであった。
「何やってんのよ、アイツ」
美穂は呆れて魁斗を見下すが、何故だろうか、心のどこかでは自分以外の女子と一緒にいる事に関してモヤモヤしている自分がいたのだった。
◇
「ハァ、ハァ、ここまで来れば、ハァ、誰も来ないだろ、ハァ」
盛大に息切れをした魁斗はとりあえず誰もいない揖保川の橋の下の公園まで来ていた。
「あの~……バサラーダ?…大丈夫?」
「あぁ、悪い、急に連れ出して、……けどその名前は人前では言わないでくれ……俺は、鞍馬 魁斗って名前があるから」
「あっ、ごめん、じゃあ魁斗♡……昨日はありがとう♡……助けてくれて♡……」
麻里香は顔赤くしてモジモジしながら魁斗を見つめる。
「いや、それは良いんだけどさ君」
「麻里香……私…三条 麻里香…」
「あぁ、分かった、とりあえず麻里香って呼んで良い?」
「はぅ♡!!」
麻里香はときめいて一瞬心停止しそうになるが、なんとか踏みとどまったのだった。
「あっ悪い、嫌だったか?」
「うううん……むしろそう呼んで♡…」
はっ、とそんな事を行っている場合じゃない事を悟り、麻里香に問いただす。
「それでさ麻里香、君どこまで見たの?」
「えっ?どこまでって?」
「君が俺をあの名前で呼んでたって事は、その、……見たんだろ?俺が変身している所?、どこからどこまで見た?」
「え~と……変身してから怪物をやっつけるところまで……かな…」
(思いっきり一部始終じゃないか!!)
魁斗は頭を抱えた。余計な混乱を招かないよう、マスカレードにおいても超鳥人の正体はトップシークレットになっている。いわばこれは組織内における絶対の掟なのだ。
なのに、一般人にバレてしまったのだった。しかも、よりにもよってクラスメイトの女子に。
『魁斗君、君の正体は絶対に秘密よ、もしバレたら……分かってるわよね♡』
この事が絵凪にバレでもしたら間違いなく八つ裂きなされる。否、それどころでは済まないかもしれない!!
「頼む!!俺がバサラーダである事は誰にも言わないでくれ!!トップシークレットなんだ!!」
「えっ?そうなの?」
「そうなんだよ!バレたら俺はマネージャーに殺される!!だから頼む!!この通り!!」
「マネージャーって?」
「俺達、超鳥人のマネージャ!とりあえず後で説明するからこの通りだ!!」
魁斗は頭を深く下げて神頼みの如く拝み倒す。
「う……うん……分かった、誰にも言わない…」
その言葉を聞き魁斗は安堵した。
「そっか、それならよかった、あと本当に悪かったな、突然学校から連れ出しちまって、誰にも聞かれるわけにはいかなかったからさ」
「うん……いいの……私もあなたと話したい事があったから♡……」
「えっ?話したい事って」
チュ♡
麻里香は突然魁斗に近寄り、頬にキスをした。
「えっ!?これって!!どういう!?」
「昨日助けてくれたお礼♡……嫌だった?……」
「ありがとうございます!!」
魁斗は麻里香に精一杯の礼をこめてお辞儀をした。こいつ男としてのプライドないのか?
「良かった♡……」
麻里香は頬を赤らめて照れる。
「とりあえずこれからどうしよっか?学校は早退しちゃったし」
「それじゃあ…もう少ししたらお昼だし……その……一緒にご飯でも…どうかな♡」
「そうか?なら奢らせてくれよ、ここまで連れ出したお詫びとして」
「えっ?……いいよそんなの…助けてもらったのは私だし……」
「いいって、こう見えてバイト代として組織から結構もらったんだ」
魁斗は懐をパンパンと手で叩いてアピールする。そんな魁斗に麻里香は微笑む。
「それじゃあ……お言葉に甘えて……」
魁斗と麻里香はその場を一緒に後にするが、魁斗はハッと気がついた。
(これって、もしかしてデート?……デートだよな!?俺がこんな可愛い子と!?やっほぉぉぉぉぉいいいい!!俺にも春が来たぁぁ!!!)
表向きは平然を装っていても心の中はお祭り気分の魁斗であった。
(あっ、でもどこ行けばいいんだ?俺普段からラーメン屋しか行かねえよ!?)
みんなはデートする前には事前に下調べしようね?
魁斗は一時的に思考が停止したが、次の瞬間顔が真っ青になった。
(えっ?何?この娘今俺の事バサラーダって言った?空耳か?…………………いやマジで言ったぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!)
「会いたかった♡……バサラー…」「早退しまぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁす!!」
魁斗は麻里香をお姫様抱っこの如く抱き抱え、自身と彼女の荷物を持って猛ダッシュでその場を去った。
「おい鞍馬!!三条を連れてどこ行く気だ!!」
という担任の声をガン無視して。
「アイツ!!あの娘連れてどこ行くきだ!?」「まさか、あのまま自宅かもしくは学校を出てラ◯ホでニャンニャン!?」「あの野郎!!明日会ったらタダじゃすまさねぇ!!」「殺す!!なぶり殺しじゃぁ!!」
男子生徒達の嫉妬と殺意が混じった視線を、女子生徒からは割とどうでも良いかみたいな視線を送られながら魁斗は麻里香を自転車の荷台に座らせてダッシュで自転車をこいだのだった。
◇
「ねぇ美穂、あの子って美穂の幼馴染みの子じゃない?」
「えっ?バ魁斗がどうかしたの?」
「バ魁斗って、相変わらずぞんざいに扱ってるわね、なんか女の子連れて外に出たわよ」
「えっ?」
美穂が窓の外を見ると、魁斗が麻里香を自転車の後ろの荷台に乗せて全力で自転車をこいで学校の外へと出て行ったのであった。
「何やってんのよ、アイツ」
美穂は呆れて魁斗を見下すが、何故だろうか、心のどこかでは自分以外の女子と一緒にいる事に関してモヤモヤしている自分がいたのだった。
◇
「ハァ、ハァ、ここまで来れば、ハァ、誰も来ないだろ、ハァ」
盛大に息切れをした魁斗はとりあえず誰もいない揖保川の橋の下の公園まで来ていた。
「あの~……バサラーダ?…大丈夫?」
「あぁ、悪い、急に連れ出して、……けどその名前は人前では言わないでくれ……俺は、鞍馬 魁斗って名前があるから」
「あっ、ごめん、じゃあ魁斗♡……昨日はありがとう♡……助けてくれて♡……」
麻里香は顔赤くしてモジモジしながら魁斗を見つめる。
「いや、それは良いんだけどさ君」
「麻里香……私…三条 麻里香…」
「あぁ、分かった、とりあえず麻里香って呼んで良い?」
「はぅ♡!!」
麻里香はときめいて一瞬心停止しそうになるが、なんとか踏みとどまったのだった。
「あっ悪い、嫌だったか?」
「うううん……むしろそう呼んで♡…」
はっ、とそんな事を行っている場合じゃない事を悟り、麻里香に問いただす。
「それでさ麻里香、君どこまで見たの?」
「えっ?どこまでって?」
「君が俺をあの名前で呼んでたって事は、その、……見たんだろ?俺が変身している所?、どこからどこまで見た?」
「え~と……変身してから怪物をやっつけるところまで……かな…」
(思いっきり一部始終じゃないか!!)
魁斗は頭を抱えた。余計な混乱を招かないよう、マスカレードにおいても超鳥人の正体はトップシークレットになっている。いわばこれは組織内における絶対の掟なのだ。
なのに、一般人にバレてしまったのだった。しかも、よりにもよってクラスメイトの女子に。
『魁斗君、君の正体は絶対に秘密よ、もしバレたら……分かってるわよね♡』
この事が絵凪にバレでもしたら間違いなく八つ裂きなされる。否、それどころでは済まないかもしれない!!
「頼む!!俺がバサラーダである事は誰にも言わないでくれ!!トップシークレットなんだ!!」
「えっ?そうなの?」
「そうなんだよ!バレたら俺はマネージャーに殺される!!だから頼む!!この通り!!」
「マネージャーって?」
「俺達、超鳥人のマネージャ!とりあえず後で説明するからこの通りだ!!」
魁斗は頭を深く下げて神頼みの如く拝み倒す。
「う……うん……分かった、誰にも言わない…」
その言葉を聞き魁斗は安堵した。
「そっか、それならよかった、あと本当に悪かったな、突然学校から連れ出しちまって、誰にも聞かれるわけにはいかなかったからさ」
「うん……いいの……私もあなたと話したい事があったから♡……」
「えっ?話したい事って」
チュ♡
麻里香は突然魁斗に近寄り、頬にキスをした。
「えっ!?これって!!どういう!?」
「昨日助けてくれたお礼♡……嫌だった?……」
「ありがとうございます!!」
魁斗は麻里香に精一杯の礼をこめてお辞儀をした。こいつ男としてのプライドないのか?
「良かった♡……」
麻里香は頬を赤らめて照れる。
「とりあえずこれからどうしよっか?学校は早退しちゃったし」
「それじゃあ…もう少ししたらお昼だし……その……一緒にご飯でも…どうかな♡」
「そうか?なら奢らせてくれよ、ここまで連れ出したお詫びとして」
「えっ?……いいよそんなの…助けてもらったのは私だし……」
「いいって、こう見えてバイト代として組織から結構もらったんだ」
魁斗は懐をパンパンと手で叩いてアピールする。そんな魁斗に麻里香は微笑む。
「それじゃあ……お言葉に甘えて……」
魁斗と麻里香はその場を一緒に後にするが、魁斗はハッと気がついた。
(これって、もしかしてデート?……デートだよな!?俺がこんな可愛い子と!?やっほぉぉぉぉぉいいいい!!俺にも春が来たぁぁ!!!)
表向きは平然を装っていても心の中はお祭り気分の魁斗であった。
(あっ、でもどこ行けばいいんだ?俺普段からラーメン屋しか行かねえよ!?)
みんなはデートする前には事前に下調べしようね?
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