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3章 王都
02 王都
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王都までの旅程は順調すぎるほどに順調に過ぎていった。
前回よりも人数が少ないこともあるし、料理に関して理解があることも大きいだろう。
ライアンさんたちからしても、食材の搬送を俺たちに任せられるのは大きいらしい。
いつもは食材を狙う獣を決行相手にするらしいのだが、今回は俺の食堂ですべての食材を管理しているから狙われる頻度が段違いなんだとか。
まあその分、獣の肉が調達しづらくなっているから肉が好きな騎士の人たちは残念がっているが。
とはいえ、食堂の冷凍庫にはキラーバードやデビルボアの肉が大量に入っているから王都までの旅程で肉が尽きることはなさそうなのが救いだな、
まあ、肉好きな人の言い分としては冷凍した肉よりもその場で狩った肉のほうが味がいいとかなんとか。
俺もミーナも味の違いはよくわからないから、体を動かした後は食事が美味しいとかその程度の話だと思っているが。
「マサトさん、城壁が見えてきましたよ」
ミーナが言う通り、目の前には城壁の一部が見えてきた。
ランドールさんから王都は三重の城壁で守られた都市だと教えてもらっていた。
一番外の城壁は平民の町を守る壁、二番目の城壁は貴族街を守る壁、三番目の城壁は王城を守る壁だそうだ。
この世界ではかつて魔王と呼ばれる存在が魔獣を操って人類に対して攻勢をかけていた時代があったらしい。
いつの間にか魔獣はおとなしくなって人類に対しての自発的な攻撃はなくなったことから、魔王が討伐されたのではないかといううわさが流れ始めた。
王都の城壁はそのころの名残で、一番外側の城壁は何度となく改修されているらしい。
まあ、俺はこの話の真実に心当たりがある。
神様が言っていた悪人に世界の救済を指せたという話だろう。
人類の救済として悪人を送り込んで魔王を討伐させる。
送り込まれた悪人に対するうわさ話が一つも聞こえてこないのは気にはなるが、そういった流れなんだと思う。
魔王の話はこのくらいでいいかな。
別に俺にとっては終わった話だし、神様に直接問いたださない限りは真実は分からないしな。
それよりも王都で俺たちが過ごす場所だ。
王都では俺たちは貴族街に腰を落ち着けることになるそうだ。
シェリルバイト領のタウンハウスが貴族街にあるっていうのもそうなんだが、王都でも平民たちは王都周辺の土地を開墾している農家ばかりらしいから金を持っていないのが原因だ。
とはいえ、貴族であっても気軽に来られると困るからランドールさんを含めてシェリルバイト家の紹介がある人だけが利用できる食堂になるらしい。
まあ、領都で開いていた時も結局は騎士団以外は商人とか兵士とか、普通のよりも金を持っている人しか利用できていなかったしな。
農家が金を持っていないわけではないけど、農具やなんかで出費が大きいらしくて貯金している人が多いから食料に金を使う人は少ないらしい。
まあ、村みたいに小作農をやっている人は金を持っていない人も多いらしいけどな。
そんなわけでしばらくの間はランドールさんやその知り合いが中心になってくるらしい。
まあ、王都でどんな食材が入手できるのかわからないからしばらくはゆっくりやれるのはうれしいかな。
領都から食材を運んできてもらう話もあるのだが、輸送手段に乏しいこの世界では輸送できる食材の量にも限界があるからな。
ランドールさんの話では、王都周辺ではキラーバードとは違った鳥型の獣が生息しているらしいから王都でも鶏肉料理が中心になるかもな。
栽培しているのは緑菜と紫トマトを中心に果実が多いらしい。
果実メインなのは料理を作るうえではあまりうれしくないが、爆弾米も王都周辺に生息しているだろうとのことなので穀物の心配はないかもしれない。
まあ、シェリルバイト領では黒麦の栽培が進んでいるから最悪はシェリルバイト領から黒麦を運んでもらうことになるだろうな。
シェリルバイト領では製粉施設やパン焼き窯なんかも量産されていて、職にあぶれた若者が粉ひきや荷物運びに従事していて生活の質が向上していたし。
まあ、料理がシェリルバイト領の周辺でしか認知されていないからジョシュアさんをはじめとした領主一家は外貨獲得に苦労していたみたいだけど料理が流行ればその辺も解決するだろう。
「通行証の確認をお願いします」
いろんなことを考えているうちに王都周りの畑を抜けて門の前までついていた。
門の前では騎士による確認作業があって、怪しい人物は止められるようになっているみたいだ。
こりゃあ、ランドールさんたちと一緒に来なかったら俺らは門前で足止めさせられていただろうなぁ。
「ランドール・シェリルバイトだ。シェリルバイトの爵位継承の手続きのために王都まで足を運んだ」
「通行証も本物ですし、王城からシェリルバイト家の通行許可も出ているので通って大丈夫です」
無事に通行の許可も出たことだし、ランドールさんに続いて俺たちも王都へと入っていく。
一番外の城壁の中は平民の街だって話だったが、正直シェリルバイト領の領都以上に栄えているんだが本当か?
「マサト君、どうしたんだね?」
「ああ、いえ、今まで見た中で一番栄えている街だったんで驚いていただけですよ」
ミーナとレイジも街の規模に驚いているのか、目を丸くしてキョロキョロしている。
知識としては前の世界のほうが栄えていることは分かっているんだけど、俺自身の記憶にその風景が刻まれているわけではないので比較ができない。
とはいえ、歩いている人たちは継ぎ接ぎのある服を着ているし、平民街というのも間違っていないのだろう。
「ああ、なるほど。王都にやってくる貴族は車でやってきますからね。すれ違えるように平民街も道が広くとられているのですよ」
なるほどね。
俺の知っている馬車や自動車ほどではないとはいえ、この世界で使われている車はそこそこ大きい。
前の世界で使われている大八車を四倍ほど大きくしたものといえばなんとなくわかるのではないのだろうか?
ちなみに、俺は分からん。
鑑定にそう出ていたからそうなんだーっと思っただけで、前の世界の大八車が記憶にないからな。
平民街は本当に通り抜けるだけで何の感慨もなかった。
日中についたのもあって平民街の中にほとんど人がいなかったのも大きいかもしれない。
二番目の城壁にも騎士がたっていて一番目の時と同じようなやり取りがあった。
まあ、セキュリティが高いと思えばいいのかもしれないが、正直面倒だなという感想しか出なかったな。
「とりあえず今日のところはシェリルバイトのタウンハウスに泊まってもらうよ」
「食堂を展開する場所は決まっているんですか?」
「決まっているけど、先に王城のほうに連絡を入れないといけないからね」
ランドールさんが言うには、王城に到着の連絡を入れる前に好き勝手することはできないらしい。
王城に連絡を入れた後なら貴族街でいろいろするのはいいのだが、その前に好き勝手すると不審な行動として認識されるらしい。
しかも、到着の連絡を入れても直ぐに城に呼ばれるわけではないらしいから、その間に貴族街を散策したり他の貴族と情報交換するのが王都での活動になるらしい。
王城に呼ばれて用事が済んだらすぐに領地に帰る貴族も多いから、城に呼ばれるまでの時間の使い方次第で他の貴族からの評価も変わるんだとか。
そんなわけで、しばらくはシェリルバイト家にお世話になって、王城から到着の連絡の返事が届いたら、食堂を開くことになった。
前回よりも人数が少ないこともあるし、料理に関して理解があることも大きいだろう。
ライアンさんたちからしても、食材の搬送を俺たちに任せられるのは大きいらしい。
いつもは食材を狙う獣を決行相手にするらしいのだが、今回は俺の食堂ですべての食材を管理しているから狙われる頻度が段違いなんだとか。
まあその分、獣の肉が調達しづらくなっているから肉が好きな騎士の人たちは残念がっているが。
とはいえ、食堂の冷凍庫にはキラーバードやデビルボアの肉が大量に入っているから王都までの旅程で肉が尽きることはなさそうなのが救いだな、
まあ、肉好きな人の言い分としては冷凍した肉よりもその場で狩った肉のほうが味がいいとかなんとか。
俺もミーナも味の違いはよくわからないから、体を動かした後は食事が美味しいとかその程度の話だと思っているが。
「マサトさん、城壁が見えてきましたよ」
ミーナが言う通り、目の前には城壁の一部が見えてきた。
ランドールさんから王都は三重の城壁で守られた都市だと教えてもらっていた。
一番外の城壁は平民の町を守る壁、二番目の城壁は貴族街を守る壁、三番目の城壁は王城を守る壁だそうだ。
この世界ではかつて魔王と呼ばれる存在が魔獣を操って人類に対して攻勢をかけていた時代があったらしい。
いつの間にか魔獣はおとなしくなって人類に対しての自発的な攻撃はなくなったことから、魔王が討伐されたのではないかといううわさが流れ始めた。
王都の城壁はそのころの名残で、一番外側の城壁は何度となく改修されているらしい。
まあ、俺はこの話の真実に心当たりがある。
神様が言っていた悪人に世界の救済を指せたという話だろう。
人類の救済として悪人を送り込んで魔王を討伐させる。
送り込まれた悪人に対するうわさ話が一つも聞こえてこないのは気にはなるが、そういった流れなんだと思う。
魔王の話はこのくらいでいいかな。
別に俺にとっては終わった話だし、神様に直接問いたださない限りは真実は分からないしな。
それよりも王都で俺たちが過ごす場所だ。
王都では俺たちは貴族街に腰を落ち着けることになるそうだ。
シェリルバイト領のタウンハウスが貴族街にあるっていうのもそうなんだが、王都でも平民たちは王都周辺の土地を開墾している農家ばかりらしいから金を持っていないのが原因だ。
とはいえ、貴族であっても気軽に来られると困るからランドールさんを含めてシェリルバイト家の紹介がある人だけが利用できる食堂になるらしい。
まあ、領都で開いていた時も結局は騎士団以外は商人とか兵士とか、普通のよりも金を持っている人しか利用できていなかったしな。
農家が金を持っていないわけではないけど、農具やなんかで出費が大きいらしくて貯金している人が多いから食料に金を使う人は少ないらしい。
まあ、村みたいに小作農をやっている人は金を持っていない人も多いらしいけどな。
そんなわけでしばらくの間はランドールさんやその知り合いが中心になってくるらしい。
まあ、王都でどんな食材が入手できるのかわからないからしばらくはゆっくりやれるのはうれしいかな。
領都から食材を運んできてもらう話もあるのだが、輸送手段に乏しいこの世界では輸送できる食材の量にも限界があるからな。
ランドールさんの話では、王都周辺ではキラーバードとは違った鳥型の獣が生息しているらしいから王都でも鶏肉料理が中心になるかもな。
栽培しているのは緑菜と紫トマトを中心に果実が多いらしい。
果実メインなのは料理を作るうえではあまりうれしくないが、爆弾米も王都周辺に生息しているだろうとのことなので穀物の心配はないかもしれない。
まあ、シェリルバイト領では黒麦の栽培が進んでいるから最悪はシェリルバイト領から黒麦を運んでもらうことになるだろうな。
シェリルバイト領では製粉施設やパン焼き窯なんかも量産されていて、職にあぶれた若者が粉ひきや荷物運びに従事していて生活の質が向上していたし。
まあ、料理がシェリルバイト領の周辺でしか認知されていないからジョシュアさんをはじめとした領主一家は外貨獲得に苦労していたみたいだけど料理が流行ればその辺も解決するだろう。
「通行証の確認をお願いします」
いろんなことを考えているうちに王都周りの畑を抜けて門の前までついていた。
門の前では騎士による確認作業があって、怪しい人物は止められるようになっているみたいだ。
こりゃあ、ランドールさんたちと一緒に来なかったら俺らは門前で足止めさせられていただろうなぁ。
「ランドール・シェリルバイトだ。シェリルバイトの爵位継承の手続きのために王都まで足を運んだ」
「通行証も本物ですし、王城からシェリルバイト家の通行許可も出ているので通って大丈夫です」
無事に通行の許可も出たことだし、ランドールさんに続いて俺たちも王都へと入っていく。
一番外の城壁の中は平民の街だって話だったが、正直シェリルバイト領の領都以上に栄えているんだが本当か?
「マサト君、どうしたんだね?」
「ああ、いえ、今まで見た中で一番栄えている街だったんで驚いていただけですよ」
ミーナとレイジも街の規模に驚いているのか、目を丸くしてキョロキョロしている。
知識としては前の世界のほうが栄えていることは分かっているんだけど、俺自身の記憶にその風景が刻まれているわけではないので比較ができない。
とはいえ、歩いている人たちは継ぎ接ぎのある服を着ているし、平民街というのも間違っていないのだろう。
「ああ、なるほど。王都にやってくる貴族は車でやってきますからね。すれ違えるように平民街も道が広くとられているのですよ」
なるほどね。
俺の知っている馬車や自動車ほどではないとはいえ、この世界で使われている車はそこそこ大きい。
前の世界で使われている大八車を四倍ほど大きくしたものといえばなんとなくわかるのではないのだろうか?
ちなみに、俺は分からん。
鑑定にそう出ていたからそうなんだーっと思っただけで、前の世界の大八車が記憶にないからな。
平民街は本当に通り抜けるだけで何の感慨もなかった。
日中についたのもあって平民街の中にほとんど人がいなかったのも大きいかもしれない。
二番目の城壁にも騎士がたっていて一番目の時と同じようなやり取りがあった。
まあ、セキュリティが高いと思えばいいのかもしれないが、正直面倒だなという感想しか出なかったな。
「とりあえず今日のところはシェリルバイトのタウンハウスに泊まってもらうよ」
「食堂を展開する場所は決まっているんですか?」
「決まっているけど、先に王城のほうに連絡を入れないといけないからね」
ランドールさんが言うには、王城に到着の連絡を入れる前に好き勝手することはできないらしい。
王城に連絡を入れた後なら貴族街でいろいろするのはいいのだが、その前に好き勝手すると不審な行動として認識されるらしい。
しかも、到着の連絡を入れても直ぐに城に呼ばれるわけではないらしいから、その間に貴族街を散策したり他の貴族と情報交換するのが王都での活動になるらしい。
王城に呼ばれて用事が済んだらすぐに領地に帰る貴族も多いから、城に呼ばれるまでの時間の使い方次第で他の貴族からの評価も変わるんだとか。
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