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5章 帝国
14 新食材
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グラタンはリヒト含めた帝室の人たちはもちろんのこと、兵士たちにも人気だったらしい。
今は牛型魔獣からミルクを採れないかと、軍内部でも検討しているらしい。
まあ、ブラックカウとは性質が違うみたいだから、ミルクがとれるかどうかはわからないらしいが、ミルクの入手段ができればシチューやグラタンが帝国の名物になるかもな。
「んで、こいつが帝都付近のめぼしい植物だ」
とりあえず、帝都の気候と乾燥パスタは相性が良さそうだったので連日パスタづくりをしているとリヒトがやってきて小部屋に連れてこられた。
なんでも帝都近郊で見かけた植物を片っ端から採取して集めていたそうだ。
「……あー、これはダメだな……あ、こっちも……これは毒があるけど解毒方法自体はあるか……うーん、これもそれもダメだな」
結構集めてもらったみたいだが、ほとんどが食用不可。
まあ、明らかに雑草っぽいというか背丈の低い芝みたいなものや蔓みたいな植物も混じってたからな。
「どうだ?」
「簡単に食用になりそうなのはこの三つだな」
紅大豆、二色花、爆裂コーンという名前の植物らしいが、名前の通り紅大豆は赤い色の大豆、二色花は青と黄色の花野菜で、カリフラワーとブロッコリーに似た味らしい。
爆裂コーンは収穫後はとうもろこし、実を乾燥させればポップコーンも作れるといういいとこどりした植物らしい。
らしいというのは、持ってきてもらった爆裂コーンは実がついていない茎と葉っぱだけの状態だったから、実自体を鑑定できてないんだ。
「茎が細いのが紅大豆、中くらいのが爆裂コーン、太いのが二色花だな」
「ほう……大豆っつーのはミレーヌが報告してきた醤油とか味噌とかいう調味料を作るのに必要な?」
「実際に作ってみないとわからないけど、食堂で使ってるやつは大豆が原料だな」
「んじゃあ、こいつでミレーヌに作らせるか」
「まあ、作るためには豆を持ってきてもらわないといけないけどな」
爆裂コーンと同様に紅大豆も実がついてない状態で持ってこられたから、実際に豆の状態で確認できたわけじゃない。
「他の二つは?」
「爆裂コーンも紅大豆と同じで実が食用、二色花は茎や花自体が食用だけど、これはまだ若いみたいだな」
二色花も茎と葉っぱだけの状態で花どころかつぼみにもなっていないから確認できない。
とはいえ、これまでも食材鑑定と違った結果になったことはないから食用自体が可能というのは間違いないだろう。
「ほうほう、んじゃあ担当者には実がついてる奴を探させるか」
「紅大豆は若い状態だと発酵には不向きだから豆が固くなってる奴を収穫してほしいな」
枝豆状態でも利用できる料理はあるけど、この国での課題は発酵食品だから大豆の状態を優先してもらおう。
「ああ、その辺は農家の天職持ちのやつにも頼むから大丈夫だろ」
「いや、柔らかいやつでも食用可能なはずだから情報を与えておいてくれ」
王国にいた時に知ったのだが、農家の天職持ちは収穫可能かどうかをなんとなく理解できるらしい。
とはいえ、それは食用可能かどうかで判断されるものらしく、王国で弾丸大豆の収穫を頼んだ時は枝豆状態ですべて収穫されてきたからな。
「ふむ、情報は正確に伝えることにしよう」
「んで、こっちの二つが毒持ちで解毒が必要なものだな。小麦と米だから、爆弾米や黒麦、白根が育たなかったらこっちを育てるのがいいんじゃないか?」
毒持ちだけど食用可能と判定されたのは、米と麦だった。
帝国の土壌や気候で王国産の植物が育てられるなら必要ないかもしれないが、育たなかった場合にはこっちをメインで使うことになるだろう。
とはいえ、解毒の方法に時間がかかるタイプみたいだからできれば王国産の食材を使いたいのが本音だな。
「ふむ、一応こっちも集めさせるか」
「レイジが帝都近郊の畑の開拓は終わったって言ってたから、食堂内の種苗と一緒に育てさせればいいんじゃないか?」
レイジが言うには担当者が張り切って畑を作った結果、食堂内の備蓄じゃ足りないほどに畑が大きくなったと言っていたから、一緒に育てさせるのが効率がいいだろう。
結構暇してた農家の天職持ちも多かったみたいで、人手自体はあるらしいからな。
今は牛型魔獣からミルクを採れないかと、軍内部でも検討しているらしい。
まあ、ブラックカウとは性質が違うみたいだから、ミルクがとれるかどうかはわからないらしいが、ミルクの入手段ができればシチューやグラタンが帝国の名物になるかもな。
「んで、こいつが帝都付近のめぼしい植物だ」
とりあえず、帝都の気候と乾燥パスタは相性が良さそうだったので連日パスタづくりをしているとリヒトがやってきて小部屋に連れてこられた。
なんでも帝都近郊で見かけた植物を片っ端から採取して集めていたそうだ。
「……あー、これはダメだな……あ、こっちも……これは毒があるけど解毒方法自体はあるか……うーん、これもそれもダメだな」
結構集めてもらったみたいだが、ほとんどが食用不可。
まあ、明らかに雑草っぽいというか背丈の低い芝みたいなものや蔓みたいな植物も混じってたからな。
「どうだ?」
「簡単に食用になりそうなのはこの三つだな」
紅大豆、二色花、爆裂コーンという名前の植物らしいが、名前の通り紅大豆は赤い色の大豆、二色花は青と黄色の花野菜で、カリフラワーとブロッコリーに似た味らしい。
爆裂コーンは収穫後はとうもろこし、実を乾燥させればポップコーンも作れるといういいとこどりした植物らしい。
らしいというのは、持ってきてもらった爆裂コーンは実がついていない茎と葉っぱだけの状態だったから、実自体を鑑定できてないんだ。
「茎が細いのが紅大豆、中くらいのが爆裂コーン、太いのが二色花だな」
「ほう……大豆っつーのはミレーヌが報告してきた醤油とか味噌とかいう調味料を作るのに必要な?」
「実際に作ってみないとわからないけど、食堂で使ってるやつは大豆が原料だな」
「んじゃあ、こいつでミレーヌに作らせるか」
「まあ、作るためには豆を持ってきてもらわないといけないけどな」
爆裂コーンと同様に紅大豆も実がついてない状態で持ってこられたから、実際に豆の状態で確認できたわけじゃない。
「他の二つは?」
「爆裂コーンも紅大豆と同じで実が食用、二色花は茎や花自体が食用だけど、これはまだ若いみたいだな」
二色花も茎と葉っぱだけの状態で花どころかつぼみにもなっていないから確認できない。
とはいえ、これまでも食材鑑定と違った結果になったことはないから食用自体が可能というのは間違いないだろう。
「ほうほう、んじゃあ担当者には実がついてる奴を探させるか」
「紅大豆は若い状態だと発酵には不向きだから豆が固くなってる奴を収穫してほしいな」
枝豆状態でも利用できる料理はあるけど、この国での課題は発酵食品だから大豆の状態を優先してもらおう。
「ああ、その辺は農家の天職持ちのやつにも頼むから大丈夫だろ」
「いや、柔らかいやつでも食用可能なはずだから情報を与えておいてくれ」
王国にいた時に知ったのだが、農家の天職持ちは収穫可能かどうかをなんとなく理解できるらしい。
とはいえ、それは食用可能かどうかで判断されるものらしく、王国で弾丸大豆の収穫を頼んだ時は枝豆状態ですべて収穫されてきたからな。
「ふむ、情報は正確に伝えることにしよう」
「んで、こっちの二つが毒持ちで解毒が必要なものだな。小麦と米だから、爆弾米や黒麦、白根が育たなかったらこっちを育てるのがいいんじゃないか?」
毒持ちだけど食用可能と判定されたのは、米と麦だった。
帝国の土壌や気候で王国産の植物が育てられるなら必要ないかもしれないが、育たなかった場合にはこっちをメインで使うことになるだろう。
とはいえ、解毒の方法に時間がかかるタイプみたいだからできれば王国産の食材を使いたいのが本音だな。
「ふむ、一応こっちも集めさせるか」
「レイジが帝都近郊の畑の開拓は終わったって言ってたから、食堂内の種苗と一緒に育てさせればいいんじゃないか?」
レイジが言うには担当者が張り切って畑を作った結果、食堂内の備蓄じゃ足りないほどに畑が大きくなったと言っていたから、一緒に育てさせるのが効率がいいだろう。
結構暇してた農家の天職持ちも多かったみたいで、人手自体はあるらしいからな。
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