ブルー・クレセンツ・ノート

キクイチ

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シャノニアン・エクスプロージョン

THE QUEEN OF HEART#6

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────ミヅキ(アストレア近郊 孵化用隔離区画 仮想空間内、ダイバー)


「今日は品評会の前に、2つほど大切なお話があるの。聞いてもらえる?」
 私は品評会の前にみんなに伝えておくことがあった。


「もともとミヅキのための品評会だから、気の済むまでどうぞ」
 ミユキは相変わらず寛容だ。

「一つ目は、品評会の小説のテーマなんだけど、ハルカ先生は今のまま継続してもらうとして、ユキリンはこれまでの泣けるテーマのまま継続、私とミユキはテーマを変えたいなっておもうの」

「どんなテーマ?」

「笑える小説」

「あはは、まじ?」

「うん。あのね、前にユキリンが喜怒哀楽の感情が抑えられてるっていってたの思い出して、いろいろ考えてみたのだけれど、3人が話をして盛り上がっている時に一番共感できるというか、昔と変わらない感覚で感情が反応するのは笑うことみたいなの。でも、ユキリンの泣ける小説は大好きだから、これからも読みしたいし。だったら、安定した作品を書けるミユキといっしょに私が一番反応しやすいテーマを模索して行ければなーとおもってるの。どうかな?」

「私はOK。おもしろそうだし。今回は泣ける方にしたけどそれでいい?」

「うん。私は試しに笑えるで作ってみたから今日はそれでいいかな?」

「うん問題ない。得意分野が分かれてきたね。笑えるを制するのはどっちか楽しみ。それで、もう一つは?」

「この深度のデータベース調べてみたら、上司達のデータがのこってて、外との通信方法がみつかったの」

「!」
 さすがに、3人とも驚いたようだ。

「通信できたの? 方法だけわかったって感じ? 手段がないとか?」
 ユキリンは予想外の出来事にちょっと慌ててるようだ。

「相手が反応してくれないとだめだから、バッチを組んで定期的に発信してる。
 応答があれば、私の端末に通知が入るようにしたから、それまちだよ。
 あとは運次第かな?」

「あえて無視してる可能性もあるわけだしね……」
 最近のユキリンの不安は、見捨てられて放置されてしまったのではないかということだった。
 そのことを私のところに相談しに来ては、不安になってよく泣いている。
 他の2名の前でそういう話をすると、連鎖的にみんなで泣き出し収集がつかなくなるからだ。

「まぁ、まだ生きてるんだし大丈夫だよ。
 ほんとにさっき起動させたばかりだから、気長に待とう」

「うん、ミヅキがそういうなら、そうだよね」
 まえは、ユキリンが中心になって盛り上げてくれたのに、すっかり立場がかわってしまった。
 最近のユキリンは、とても受動的な性格なってしまったのだ。
 すこし可愛いとすら思えるくらい臆病になり、私に甘えるようになった。
 もともと頭が良くて気の回る子だから、いろんなことを考えては悩んでいるのだろう。
 それを抱え込まず私に相談してくれるようになったのは、とても嬉しい変化だとおもっている。
 
「ごめんね、時間とらせちゃって。品評会はじめよっか?」

「「「了解」」」

 いつのまにか、私がリーダーっぽくなってしまった。
 ムードメーカーはあいかわらすミユキが務めてくれている。
 ミユキの寛容さと明るさにはみんなが助けられている。

 笑えるテーマを選んだ本当の理由は、みんな泣いてばかりなので、ムードを明るくしたかったからだ。
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