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アマテラス
AMATERASU
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────グラミア=フランヴェルジュ(ヴェルキエーレ種、ニダヴェリール宮廷特務機関)
進化の門の先には、光翼で満たされた光の世界が広がっていた……。
優しく包んで守ってくれていた闇の帳から巣立ち、生命としてようやく独り立ちできた気がした。
ヴェルキエーレは闇の殻に守られて幼年期を過ごし、進化の門を越えることで、闇の殻から解き放たれるのだ。
完全発声と特殊発声は、完全に融合してしまった。
オフセット・ノイズも消失し、不安定な発声帯域がなくなった。
体や完全言語の性能はまるで変わっていないが、アマテラスの性能が、以前と比べ物にならないほど向上した。
水底は、底なしに思えるくらい深くまで届くようになり、
十六夜の先は、光翼に満たされ、より広く鋭利で強靭になった。
だけど、その先がまるでわからない。
もはやイサナギの複製ではだめなようだ。
アマテラスとして独自の体系を整備しなければならない。
ママとファルシオンに相談してみたら、知覚の強化と気流操作の精度を極限まで上げる修練をすることになった。
気流操作の精度にはかなりの自信があったが、修練を始めると、限界が見えないくらい精度が向上していった。
いまだに、どこまで向上できるのかわからない。
知覚についても同様だ。
知覚器官に変化はないが、感度が格段に向上しているのだ。
周囲の生命体の移動予測が瞬時にできてしまうほど知覚が鋭敏になった。
……
データ収集と精密検査のため、半月近くパパの研究室から出してもらえなかったが、知覚と気流操作の強化が頭打ちになり始めると、ムスペルヘイムの訓練所で、性能評価をすることになった。
10分間逃げるだけのテストだったが、あれだけ苦労していた中級レベルの化け物の動きがとても鈍く感じた。
恐怖は全く感じず、いつでも簡単に殺せる気がした。
上級も同様だった。全ての行動が手に取るように把握でき、高精度で予測できた。
最上級はさすがに手強く感じたが、それでも終始、自分のペースで駆け引きを支配し、余裕をもって対処できるようになっていた。
……
まだ、ニダベリールに帰らせてもらえなかったが、パパが私専用の修練場を用意してくれ、気兼ね無く最大火力で修練が行えるようにしてくれた。
少し退屈し始めたころ、ママとファルシオンがやってきて、解禁されたばかりの『アマノイワトの書』を見せてくれた。
イサナギにくらべると、あまりにも単純すぎる内容だったが、これがヴェルキエーレ版のイサナギの最終形らしい。
『アマテラス』は『スサノヲ』に対応する領域としてまとめられていた。
内容はプロトタイプ版のアマテラスそのものだった。
ただ、刹那がどうなっているかわからないそうだ。
もしかしたら刹那は存在しない可能性があると言われた。
『スサノヲ』と同様、今後、編纂が進められるそうだが、未完成の状態が続くだろうといっていた。
ルカティアが『スサノヲ』で独自の世界を確立したように、ヴェルキエーレも『アマテラス』で個性に合わせた独自の世界を形成することがアマテラス使いの道のようだ。
『スサノヲ』同様、試行錯誤そのものが『アマテラス』に記されるそうだ。
イサナギのような導きの世界とは、まるで真逆の世界だ。
開拓の世界なのだ。
今後、アマテラス使いは、先人の試行錯誤を参考にして独自の世界を構築することになる。
進化の門を越えてもなお、私はいまだ、未開人なのだ。
進化の門の先には、光翼で満たされた光の世界が広がっていた……。
優しく包んで守ってくれていた闇の帳から巣立ち、生命としてようやく独り立ちできた気がした。
ヴェルキエーレは闇の殻に守られて幼年期を過ごし、進化の門を越えることで、闇の殻から解き放たれるのだ。
完全発声と特殊発声は、完全に融合してしまった。
オフセット・ノイズも消失し、不安定な発声帯域がなくなった。
体や完全言語の性能はまるで変わっていないが、アマテラスの性能が、以前と比べ物にならないほど向上した。
水底は、底なしに思えるくらい深くまで届くようになり、
十六夜の先は、光翼に満たされ、より広く鋭利で強靭になった。
だけど、その先がまるでわからない。
もはやイサナギの複製ではだめなようだ。
アマテラスとして独自の体系を整備しなければならない。
ママとファルシオンに相談してみたら、知覚の強化と気流操作の精度を極限まで上げる修練をすることになった。
気流操作の精度にはかなりの自信があったが、修練を始めると、限界が見えないくらい精度が向上していった。
いまだに、どこまで向上できるのかわからない。
知覚についても同様だ。
知覚器官に変化はないが、感度が格段に向上しているのだ。
周囲の生命体の移動予測が瞬時にできてしまうほど知覚が鋭敏になった。
……
データ収集と精密検査のため、半月近くパパの研究室から出してもらえなかったが、知覚と気流操作の強化が頭打ちになり始めると、ムスペルヘイムの訓練所で、性能評価をすることになった。
10分間逃げるだけのテストだったが、あれだけ苦労していた中級レベルの化け物の動きがとても鈍く感じた。
恐怖は全く感じず、いつでも簡単に殺せる気がした。
上級も同様だった。全ての行動が手に取るように把握でき、高精度で予測できた。
最上級はさすがに手強く感じたが、それでも終始、自分のペースで駆け引きを支配し、余裕をもって対処できるようになっていた。
……
まだ、ニダベリールに帰らせてもらえなかったが、パパが私専用の修練場を用意してくれ、気兼ね無く最大火力で修練が行えるようにしてくれた。
少し退屈し始めたころ、ママとファルシオンがやってきて、解禁されたばかりの『アマノイワトの書』を見せてくれた。
イサナギにくらべると、あまりにも単純すぎる内容だったが、これがヴェルキエーレ版のイサナギの最終形らしい。
『アマテラス』は『スサノヲ』に対応する領域としてまとめられていた。
内容はプロトタイプ版のアマテラスそのものだった。
ただ、刹那がどうなっているかわからないそうだ。
もしかしたら刹那は存在しない可能性があると言われた。
『スサノヲ』と同様、今後、編纂が進められるそうだが、未完成の状態が続くだろうといっていた。
ルカティアが『スサノヲ』で独自の世界を確立したように、ヴェルキエーレも『アマテラス』で個性に合わせた独自の世界を形成することがアマテラス使いの道のようだ。
『スサノヲ』同様、試行錯誤そのものが『アマテラス』に記されるそうだ。
イサナギのような導きの世界とは、まるで真逆の世界だ。
開拓の世界なのだ。
今後、アマテラス使いは、先人の試行錯誤を参考にして独自の世界を構築することになる。
進化の門を越えてもなお、私はいまだ、未開人なのだ。
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