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王族、嫌いかも
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Side:クリスティーナ
「ティア!」
教室に入ってきて直ぐに私の名前を呼ぶアイン。その行動で周りにどう思われるかなんていつもはわかっているはずなのに、今はそんな余裕すらないように見える。
これは何か言われたな。
元々、教室から出て行く時から思い詰めたような顔をしていた。「誰かと会うのか」そう尋ねると、アインは違うと答えた。もちろん嘘だとわかったけど何も言わなかった。
「ティア!」
「聞こえています。ですがこの状況、理解していますか?」
「聞きたいことが……あっ……」
「はぁ、まぁいいです。ロイ、それと……」
「もちろんワタクシも行きますわ」
「……ありがとう」
2人っきりにならない為にロイを、それだと男子ばかりになるのでソフィアを呼ぼうとしたら、彼女はそれもわかっていたみたい。とても心強い。
「はぁ。それで? あそこまで周りが見えていないほど追い詰められていたという事は、相手はベルフリートですか? あいかわらず手が早いですね」
「……父上は全部彼女に押し付けるつもりだと言われた」
「それはそうでしょう。アレが王に向いていないことなんて幼少からわかっていたことではないですか。それを放置し続けているのです。普通その場で矯正しますよね?」
「だが……」
「まぁ、今もなおアレに肩入れしているとは思いませんでしたけどね。王になりたいならお姉様を手放すな……押し付ける、言い得て妙ですね」
そもそも問題の発端は私がアレの対応をしたのが間違いだと思っていた。でも……
今思えばアポ無しで来る方が悪いに決まっている。
それに、その事について王族からの謝罪は一切なかった。子供のした事だから…みたいな気持ちなのかもしれないけれど、その辺は王族だからこそしっかりしないといけないんじゃないかな。
そう考えると、王族は昔からアレに甘かった。甘すぎた。
なるほど、お姉様が無意識に王妃の提案を拒絶したのがようやくわかった様な気がする。王族はみなアレを矯正しようとしていないのだ。
お姉様ならアレが居ても何とかなるだろう。お姉様ならアレを何とかしてくれるかもしれない。そんな感じでずっと、ずっと目を背けていたのだろう。アレを甘やかし続けたのだろう。それが1番簡単だから。
自分達が大変で目を背けた事をお姉様にさせようとするなんて、それにそっちは2人でやっている事をお姉様1人にさせるつもり?
なんか無性に腹が立ってきた。
「私、王族嫌いかも……」
みんながギョッとして私を見る。そうだよね。私だってこんな事を思うなんて、今の私はまるでレオ兄みた……い。レオ兄はアレの態度が治らない事から今私がわかった事を理解していたんだろうな~、はぁ……
「アインは友達ですからこれからももちろん手伝いますよ? ですが、陛下がこれからもアレを王にしようとするのであれば知りません。お姉様にアレを押し付けようとしているのでしょう? 許せないです。ねぇスフィア」
「当たり前です! あの子供よりも子供な殿下と国政、リリアお姉様ならできるかもしれませんが、できることと心は別です。きっとすぐに疲れてしまうに決まっていますわ。そんな事、ワタクシが許しません!」
「というわけで、頑張ってくださいね、アイン」
「頑張ってください、アイン殿下」
私たちの言葉に、アインは苦笑いをする。
「どうしてそこで他人事なのかな……」
「私はちゃんと協力してアレを王にさせる様なことはしないわ。後はお姉様を攻略できるかできないはアインの問題よ」
「……ちなみに、リリアの好みは?」
お姉様の好み……今まで聞いた事ないなぁ~、あまりお姉さまの口から他の人の名前を出して欲しく無かったし……お父様? は、お母様とセットであんな夫婦になりたいだし……
「う~ん、私?」
お姉様が好きと言っている人物は私しか思いつかなかった。
「はぁ。君に聞いた僕が馬鹿だった」
「失礼ですね! 私だって真剣に考えたんです! それでもお姉様が誰かを好きと言った事は私以外ないんですよ。最初の婚約者がアレだったから。だから……」
「だから?」
「お姉様に好きという感情がどんなものなのか、教えてあげてくださいね」
私のように言わせるのではなく、心の底から溢れるような好きという感情をお姉様に持ってほしい。願わくば、その相手は私の友人でありますように。
「ティア!」
教室に入ってきて直ぐに私の名前を呼ぶアイン。その行動で周りにどう思われるかなんていつもはわかっているはずなのに、今はそんな余裕すらないように見える。
これは何か言われたな。
元々、教室から出て行く時から思い詰めたような顔をしていた。「誰かと会うのか」そう尋ねると、アインは違うと答えた。もちろん嘘だとわかったけど何も言わなかった。
「ティア!」
「聞こえています。ですがこの状況、理解していますか?」
「聞きたいことが……あっ……」
「はぁ、まぁいいです。ロイ、それと……」
「もちろんワタクシも行きますわ」
「……ありがとう」
2人っきりにならない為にロイを、それだと男子ばかりになるのでソフィアを呼ぼうとしたら、彼女はそれもわかっていたみたい。とても心強い。
「はぁ。それで? あそこまで周りが見えていないほど追い詰められていたという事は、相手はベルフリートですか? あいかわらず手が早いですね」
「……父上は全部彼女に押し付けるつもりだと言われた」
「それはそうでしょう。アレが王に向いていないことなんて幼少からわかっていたことではないですか。それを放置し続けているのです。普通その場で矯正しますよね?」
「だが……」
「まぁ、今もなおアレに肩入れしているとは思いませんでしたけどね。王になりたいならお姉様を手放すな……押し付ける、言い得て妙ですね」
そもそも問題の発端は私がアレの対応をしたのが間違いだと思っていた。でも……
今思えばアポ無しで来る方が悪いに決まっている。
それに、その事について王族からの謝罪は一切なかった。子供のした事だから…みたいな気持ちなのかもしれないけれど、その辺は王族だからこそしっかりしないといけないんじゃないかな。
そう考えると、王族は昔からアレに甘かった。甘すぎた。
なるほど、お姉様が無意識に王妃の提案を拒絶したのがようやくわかった様な気がする。王族はみなアレを矯正しようとしていないのだ。
お姉様ならアレが居ても何とかなるだろう。お姉様ならアレを何とかしてくれるかもしれない。そんな感じでずっと、ずっと目を背けていたのだろう。アレを甘やかし続けたのだろう。それが1番簡単だから。
自分達が大変で目を背けた事をお姉様にさせようとするなんて、それにそっちは2人でやっている事をお姉様1人にさせるつもり?
なんか無性に腹が立ってきた。
「私、王族嫌いかも……」
みんながギョッとして私を見る。そうだよね。私だってこんな事を思うなんて、今の私はまるでレオ兄みた……い。レオ兄はアレの態度が治らない事から今私がわかった事を理解していたんだろうな~、はぁ……
「アインは友達ですからこれからももちろん手伝いますよ? ですが、陛下がこれからもアレを王にしようとするのであれば知りません。お姉様にアレを押し付けようとしているのでしょう? 許せないです。ねぇスフィア」
「当たり前です! あの子供よりも子供な殿下と国政、リリアお姉様ならできるかもしれませんが、できることと心は別です。きっとすぐに疲れてしまうに決まっていますわ。そんな事、ワタクシが許しません!」
「というわけで、頑張ってくださいね、アイン」
「頑張ってください、アイン殿下」
私たちの言葉に、アインは苦笑いをする。
「どうしてそこで他人事なのかな……」
「私はちゃんと協力してアレを王にさせる様なことはしないわ。後はお姉様を攻略できるかできないはアインの問題よ」
「……ちなみに、リリアの好みは?」
お姉様の好み……今まで聞いた事ないなぁ~、あまりお姉さまの口から他の人の名前を出して欲しく無かったし……お父様? は、お母様とセットであんな夫婦になりたいだし……
「う~ん、私?」
お姉様が好きと言っている人物は私しか思いつかなかった。
「はぁ。君に聞いた僕が馬鹿だった」
「失礼ですね! 私だって真剣に考えたんです! それでもお姉様が誰かを好きと言った事は私以外ないんですよ。最初の婚約者がアレだったから。だから……」
「だから?」
「お姉様に好きという感情がどんなものなのか、教えてあげてくださいね」
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