【完結】シスコン妹は大好きな姉のために、婚約破棄に奔走する

白キツネ

文字の大きさ
47 / 55

王族、嫌いかも

しおりを挟む
Side:クリスティーナ

「ティア!」

 教室に入ってきて直ぐに私の名前を呼ぶアイン。その行動で周りにどう思われるかなんていつもはわかっているはずなのに、今はそんな余裕すらないように見える。

 これは何か言われたな。

 元々、教室から出て行く時から思い詰めたような顔をしていた。「誰かと会うのか」そう尋ねると、アインは違うと答えた。もちろん嘘だとわかったけど何も言わなかった。

「ティア!」
「聞こえています。ですがこの状況、理解していますか?」
「聞きたいことが……あっ……」
「はぁ、まぁいいです。ロイ、それと……」
「もちろんワタクシも行きますわ」
「……ありがとう」

 2人っきりにならない為にロイを、それだと男子ばかりになるのでソフィアを呼ぼうとしたら、彼女はそれもわかっていたみたい。とても心強い。

「はぁ。それで? あそこまで周りが見えていないほど追い詰められていたという事は、相手はベルフリートですか? あいかわらず手が早いですね」
「……父上は全部彼女に押し付けるつもりだと言われた」
「それはそうでしょう。アレが王に向いていないことなんて幼少からわかっていたことではないですか。それを放置し続けているのです。普通その場で矯正しますよね?」
「だが……」
「まぁ、今もなおアレに肩入れしているとは思いませんでしたけどね。王になりたいならお姉様を手放すな……押し付ける、言い得て妙ですね」

 そもそも問題の発端は私がアレの対応をしたのが間違いだと思っていた。でも……

 今思えばアポ無しで来る方が悪いに決まっている。

 それに、その事について王族からの謝罪は一切なかった。子供のした事だから…みたいな気持ちなのかもしれないけれど、その辺は王族だからこそしっかりしないといけないんじゃないかな。
 そう考えると、王族は昔からアレに甘かった。甘すぎた。

 なるほど、お姉様が無意識に王妃の提案を拒絶したのがようやくわかった様な気がする。王族はみなアレを矯正しようとしていないのだ。
 お姉様ならアレが居ても何とかなるだろう。お姉様ならアレを何とかしてくれるかもしれない。そんな感じでずっと、ずっと目を背けていたのだろう。アレを甘やかし続けたのだろう。それが1番簡単だから。

 自分達が大変で目を背けた事をお姉様にさせようとするなんて、それにそっちは2人でやっている事をお姉様1人にさせるつもり?
 なんか無性に腹が立ってきた。

「私、王族嫌いかも……」

 みんながギョッとして私を見る。そうだよね。私だってこんな事を思うなんて、今の私はまるでレオ兄みた……い。レオ兄はアレの態度が治らない事から今私がわかった事を理解していたんだろうな~、はぁ……

「アインは友達ですからこれからももちろん手伝いますよ? ですが、陛下がこれからもアレを王にしようとするのであれば知りません。お姉様にアレを押し付けようとしているのでしょう? 許せないです。ねぇスフィア」
「当たり前です! あの子供よりも子供な殿下と国政、リリアお姉様ならできるかもしれませんが、できることと心は別です。きっとすぐに疲れてしまうに決まっていますわ。そんな事、ワタクシが許しません!」
「というわけで、頑張ってくださいね、アイン」
「頑張ってください、アイン殿下」

 私たちの言葉に、アインは苦笑いをする。

「どうしてそこで他人事なのかな……」
「私はちゃんと協力してアレを王にさせる様なことはしないわ。後はお姉様を攻略できるかできないはアインの問題よ」
「……ちなみに、リリアの好みは?」

 お姉様の好み……今まで聞いた事ないなぁ~、あまりお姉さまの口から他の人の名前を出して欲しく無かったし……お父様? は、お母様とセットであんな夫婦になりたいだし……
 
「う~ん、私?」

 お姉様が好きと言っている人物は私しか思いつかなかった。

「はぁ。君に聞いた僕が馬鹿だった」
「失礼ですね! 私だって真剣に考えたんです! それでもお姉様が誰かを好きと言った事は私以外ないんですよ。最初の婚約者がアレだったから。だから……」
「だから?」
「お姉様に好きという感情がどんなものなのか、教えてあげてくださいね」

 私のように言わせるのではなく、心の底から溢れるような好きという感情をお姉様に持ってほしい。願わくば、その相手は私の友人でありますように。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

【番外編も完結】で、お前が彼女に嫌がらせをしている理由を聞かせてもらおうか?

Debby
恋愛
ヴェルトが友人からの手紙を手に辺境伯令嬢であるレィディアンスの元を訪れたのは、その手紙に「詳細は彼女に聞け」と書いてあったからだ。 簡単にいうと、手紙の内容は「学園で問題を起こした平民──エボニーを妻として引き取ってくれ」というものだった。 一方その話を聞いてしまった伯爵令嬢のオリーブは動揺していた。 ヴェルトとは静かに愛を育んできた。そんな自分を差し置いて、言われるがまま平民を妻に迎えてしまうのだろうか。 そんなオリーブの気持ちを知るはずもないエボニーは、辺境伯邸で行儀見習いをすることになる。 オリーブは何とかしてヴェルトを取り戻そうと画策し、そのことを咎められてしまう。もう後は無い。 オリーブが最後の望みをかけてヴェルトに自分を選んで欲しいと懇願する中、レィディアンスが静かに口を開いた。 「で、そろそろお前が彼女に嫌がらせをしている理由を聞かせてもらおうか」 「はい?」 ヴェルトは自分が何を言われたのか全く理解が出来なかった。 *--*--* 覗いてくださりありがとうございます。(* ᴗ ᴗ)⁾⁾ ★2/17 番外編を投稿することになりました。→完結しました! ★★「このお話だけ読んでいただいてもOKです!」という前提のもと↓↓↓ このお話は独立した一つのお話ですが、「で。」シリーズのサイドストーリーでもあり、第一弾「で、私がその方に嫌がらせをする理由をお聞かせいただいても?」の「エボニーその後」でもあります(あるいは「最終話」のその後)。 第一弾「で、私がその方に嫌がらせをする理由をお聞かせいただいても?」 第二弾「で、あなたが私に嫌がらせをする理由を伺っても?」 第三弾「で、あなたが彼に嫌がらせをする理由をお話しいただいても?」 どれも女性向けHOTランキングに入り、特に第二弾はHOT一位になることが出来ました!(*´▽`人)アリガトウ もしよかったら宜しくお願いしますね!

大根令嬢の雑学無双、王弟殿下を添えて。~ 前世を思い出したので、許婚をほったらかして人助けしまくります!!

古森真朝
恋愛
気弱な伯爵令嬢のカレンは、自分勝手な婚約者レナートに振り回されていた。耐え続けていたある日、舞踏会で何者かに突き飛ばされ、階段から落ちてしまう。 その傷が元で儚く……なるかと思いきや。衝撃で前世を思い出したカレンは一転、かの『ド根性大根』みたいな超・ポジティブ人間になっていた。 『モラハラ婚約者の思惑なんぞ知るか!! 今度こそ好きなことやって、目いっぱい幸せに長生きするんだから!!!』 昔ひたすら読書に耽って身に着けた『雑学』を武器に、うっかり採れ過ぎた作物や、開墾しようとすると不幸に見舞われる土地、不治の病にかかった王族、等々の問題をどんどん解決。 領地の内外で心強い友人が出来たり、いつの間にかものすごく有名になっていたり、何かと協力してくれる王弟ヴィクトルから好意を寄せられたり(注:気付いてない)する中、温かい家族と共に仕事に励んでいく。 一方、前世から因縁のある人々もまた、こちらに転生していて――

公爵家の家政を10年回した私が出ていったら、3ヶ月で領地が破綻しました

歩人
ファンタジー
エレナは公爵家に嫁いで10年、夫は愛人に入れ込み、義母には「家政婦代わり」と 罵られた。だが領地の財務も、商会との交渉も、使用人の管理も、全部エレナが やっていた。ある日、義母から「あなたの代わりなんていくらでもいる」と言われ、 エレナは静かに離縁届を出した。「では、代わりの方にお任せください」 辺境の町で小さな商会を開いたエレナ。10年間の実務経験は伊達ではなかった。 商会はたちまち繁盛する。一方、エレナがいなくなった公爵家は3ヶ月で経営破綻。 元夫が「戻ってこい」と泣きつくが—— 「お断りです。あと、10年分の未払い給金を請求いたしますね」

身代わりの公爵家の花嫁は翌日から溺愛される。~初日を挽回し、溺愛させてくれ!~

湯川仁美
恋愛
姉の身代わりに公爵夫人になった。 「貴様と寝食を共にする気はない!俺に呼ばれるまでは、俺の前に姿を見せるな。声を聞かせるな」 夫と初対面の日、家族から男癖の悪い醜悪女と流され。 公爵である夫とから啖呵を切られたが。 翌日には誤解だと気づいた公爵は花嫁に好意を持ち、挽回活動を開始。 地獄の番人こと閻魔大王(善悪を判断する審判)と異名をもつ公爵は、影でプレゼントを贈り。話しかけるが、謝れない。 「愛しの妻。大切な妻。可愛い妻」とは言えない。 一度、言った言葉を撤回するのは難しい。 そして妻は普通の令嬢とは違い、媚びず、ビクビク怯えもせず普通に接してくれる。 徐々に距離を詰めていきましょう。 全力で真摯に接し、謝罪を行い、ラブラブに到着するコメディ。 第二章から口説きまくり。 第四章で完結です。 第五章に番外編を追加しました。

手作りお菓子をゴミ箱に捨てられた私は、自棄を起こしてとんでもない相手と婚約したのですが、私も含めたみんな変になっていたようです

珠宮さくら
恋愛
アンゼリカ・クリットの生まれた国には、不思議な習慣があった。だから、アンゼリカは必死になって頑張って馴染もうとした。 でも、アンゼリカではそれが難しすぎた。それでも、頑張り続けた結果、みんなに喜ばれる才能を開花させたはずなのにどうにもおかしな方向に突き進むことになった。 加えて好きになった人が最低野郎だとわかり、自棄を起こして婚約した子息も最低だったりとアンゼリカの周りは、最悪が溢れていたようだ。

悪役令嬢は調理場に左遷されましたが、激ウマご飯で氷の魔公爵様を餌付けしてしまったようです~「もう離さない」って、胃袋の話ですか?~

咲月ねむと
恋愛
「君のような地味な女は、王太子妃にふさわしくない。辺境の『魔公爵』のもとへ嫁げ!」 卒業パーティーで婚約破棄を突きつけられた悪役令嬢レティシア。 しかし、前世で日本人調理師だった彼女にとって、堅苦しい王妃教育から解放されることはご褒美でしかなかった。 ​「これで好きな料理が作れる!」 ウキウキで辺境へ向かった彼女を待っていたのは、荒れ果てた別邸と「氷の魔公爵」と恐れられるジルベール公爵。 冷酷無慈悲と噂される彼だったが――その正体は、ただの「極度の偏食家で、常に空腹で不機嫌なだけ」だった!? ​レティシアが作る『肉汁溢れるハンバーグ』『とろとろオムライス』『伝説のプリン』に公爵の胃袋は即陥落。 「君の料理なしでは生きられない」 「一生そばにいてくれ」 と求愛されるが、色気より食い気のレティシアは「最高の就職先ゲット!」と勘違いして……? ​一方、レティシアを追放した王太子たちは、王宮の食事が不味くなりすぎて絶望の淵に。今さら「戻ってきてくれ」と言われても、もう遅いです! ​美味しいご飯で幸せを掴む、空腹厳禁の異世界クッキング・ファンタジー!

聖女召喚されて『お前なんか聖女じゃない』って断罪されているけど、そんなことよりこの国が私を召喚したせいで滅びそうなのがこわい

金田のん
恋愛
自室で普通にお茶をしていたら、聖女召喚されました。 私と一緒に聖女召喚されたのは、若くてかわいい女の子。 勝手に召喚しといて「平凡顔の年増」とかいう王族の暴言はこの際、置いておこう。 なぜなら、この国・・・・私を召喚したせいで・・・・いまにも滅びそうだから・・・・・。 ※小説家になろうさんにも投稿しています。

処理中です...