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16話 対峙2
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16話 対峙2
「…ケンカでもしたか? 新しい騎士団長さん」
カインは余裕な笑みを見せ、ロウファからの攻撃を弾き返す。その反動でロウファが体勢を崩し数歩後ずさる。そのわずかな隙を逃さないカインはダガーを翻し、縦横無人に攻め立てる。
ロウファもまた槍を両手に持ちカインからの猛攻を柄と刃で受け止めた。
(…戦い慣れしてるな。まあ、ジャスティス同様、騎士学校にいたくらいだからな。とは言えーージャスティスに対する態度や、大臣側に付くって事は『俺の敵』として見なすぜ?)
心の内でそんな事を思いつつカインは軽い剣戟(けんげき)を交わし間合いをとるべく一旦動きを止めた。
ロウファの槍が、攻撃範囲外ギリギリのところでカインは間合いを詰める。右手はダガーを構えつつ、左手で腰にさげていた青銅の剣(ブロンズソード)を抜き放つ。
「…俺にも色々と事情があるんでね」
短剣との二刀持ちでカインは少し腰をおとし地を踏み締め両脚に重心をおく。
「少しーー本気でいかせて貰う」
低く呟き一歩踏み出すカイン。
「ー…ッ?!」
ロウファが目で追うよりカインの動きの方が速かった。一閃されると思い身を少し引かせたロウファの腰スレスレのところをカインのダガーが横凪に弧を描いた。
ワンテンポ遅くロウファは槍を翻し攻撃を仕掛けるが、それはカインの短剣によって阻止され代わりにブロンズソードの刃がロウファの頬を掠めた。
「…チッ……!」
間一髪のところでカインの一撃を交わしたロウファ。動きを抑えられた槍を翻し、数歩後ずさって再び間合いをとる。
「…お前と遊んでる時間は無いんだ」
カインは表情を変えず静かに言う。
「…流石に、分が悪いか……」
呟き、右頬に出来た小さな傷から流れる血を右手の甲で拭うロウファ。槍の柄を垂直に地面に立て意識を集中させる。
「ー…ッ」
ロウファの身体から発せられる魔力の迸りを感じたカインはすぐさまロウファ目掛けて走り出す。
「ヴォルネ……ッ」
「ー…させねぇよッ!」
ロウファが晶星術を発するのを、走りつつスライディングによる足蹴りで止めるカイン。垂直に立てられた槍を蹴りで弾き自らの身体を起こし立ち膝の状態からブロンズソードの切っ先をロウファの脇腹に突き立てた。
「…ウグッ?!」
低く呻いたロウファはその場で脇腹を抑えしゃがみ込む。
「…ぅ、クソッ……!」
槍を杖代わりにロウファはすぐさま立ち上がり次の一手を繰り出すが、それは意図も容易くカインによって弾き返される。
「…引け」
カインが短くそう言い放つとロウファは槍を収めつつ小さく笑う。
「ーー今日のところは」
ロウファはそう言い残し騎士等を引き連れてその場から退散していった。
「…カイン、すまねぇな」
所々に切り傷はあるが至って平気そうなモンテロウはカインの向けて軽く頭を下げた。
「いいって。まあ成り行きついでだしな」
ブロンズソードとダガーを収めつつカインは軽く笑う。
「…『成り行き』?」
「おう。アイツ等、『ゴブリン』達を解放して欲しいんだ」
「……」
親指で指し示すカインに、モンテロウは呆れつつ笑い肩を竦めたのだった。
「…ケンカでもしたか? 新しい騎士団長さん」
カインは余裕な笑みを見せ、ロウファからの攻撃を弾き返す。その反動でロウファが体勢を崩し数歩後ずさる。そのわずかな隙を逃さないカインはダガーを翻し、縦横無人に攻め立てる。
ロウファもまた槍を両手に持ちカインからの猛攻を柄と刃で受け止めた。
(…戦い慣れしてるな。まあ、ジャスティス同様、騎士学校にいたくらいだからな。とは言えーージャスティスに対する態度や、大臣側に付くって事は『俺の敵』として見なすぜ?)
心の内でそんな事を思いつつカインは軽い剣戟(けんげき)を交わし間合いをとるべく一旦動きを止めた。
ロウファの槍が、攻撃範囲外ギリギリのところでカインは間合いを詰める。右手はダガーを構えつつ、左手で腰にさげていた青銅の剣(ブロンズソード)を抜き放つ。
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短剣との二刀持ちでカインは少し腰をおとし地を踏み締め両脚に重心をおく。
「少しーー本気でいかせて貰う」
低く呟き一歩踏み出すカイン。
「ー…ッ?!」
ロウファが目で追うよりカインの動きの方が速かった。一閃されると思い身を少し引かせたロウファの腰スレスレのところをカインのダガーが横凪に弧を描いた。
ワンテンポ遅くロウファは槍を翻し攻撃を仕掛けるが、それはカインの短剣によって阻止され代わりにブロンズソードの刃がロウファの頬を掠めた。
「…チッ……!」
間一髪のところでカインの一撃を交わしたロウファ。動きを抑えられた槍を翻し、数歩後ずさって再び間合いをとる。
「…お前と遊んでる時間は無いんだ」
カインは表情を変えず静かに言う。
「…流石に、分が悪いか……」
呟き、右頬に出来た小さな傷から流れる血を右手の甲で拭うロウファ。槍の柄を垂直に地面に立て意識を集中させる。
「ー…ッ」
ロウファの身体から発せられる魔力の迸りを感じたカインはすぐさまロウファ目掛けて走り出す。
「ヴォルネ……ッ」
「ー…させねぇよッ!」
ロウファが晶星術を発するのを、走りつつスライディングによる足蹴りで止めるカイン。垂直に立てられた槍を蹴りで弾き自らの身体を起こし立ち膝の状態からブロンズソードの切っ先をロウファの脇腹に突き立てた。
「…ウグッ?!」
低く呻いたロウファはその場で脇腹を抑えしゃがみ込む。
「…ぅ、クソッ……!」
槍を杖代わりにロウファはすぐさま立ち上がり次の一手を繰り出すが、それは意図も容易くカインによって弾き返される。
「…引け」
カインが短くそう言い放つとロウファは槍を収めつつ小さく笑う。
「ーー今日のところは」
ロウファはそう言い残し騎士等を引き連れてその場から退散していった。
「…カイン、すまねぇな」
所々に切り傷はあるが至って平気そうなモンテロウはカインの向けて軽く頭を下げた。
「いいって。まあ成り行きついでだしな」
ブロンズソードとダガーを収めつつカインは軽く笑う。
「…『成り行き』?」
「おう。アイツ等、『ゴブリン』達を解放して欲しいんだ」
「……」
親指で指し示すカインに、モンテロウは呆れつつ笑い肩を竦めたのだった。
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