プロクラトル

たくち

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砂の世界

王女の価値

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「やられたな、完全に劣勢だ」

 皇都の自室にて序列4位”風帝”ニグル・ウィーゲは呟く、だがそれは独り言ではない。
その側にはプカプカと浮かびながら女性が佇んでいる。

 薄茶色の長い髪をウェーブさせ肩の辺りまで伸ばし、吊り上がった両目は怒りを浮かべていた。
その女性は美しく控えめな胸をしているがその妖艶な雰囲気は神々しく感じさせる。

 高めの身長は彼女の美しさを際立たせ、その身に纏う衣服は彼女の為に造られたように女性を彩っている。

「仕方ないじゃない、気付かなかったんだから」

 欠伸をしながら答えた彼女は寝起きなのだろう、眠そうに目を擦りながら答える。
 砂の世界の神ミアリスはノアが行動している事を知らず慌てた自らの代行者のニグルに起こされたのだ。

「このままではマズいのはわかるだろう?ノアが現れた時から警戒している癖に何も手を打たなかったお前が原因だ」

 ノアが来ていた事は知っていたミアリスだったがその慎重な性格ゆえしばらく警戒していたのだがなかなか動かないノアに根負けし眠りについてしまった。

 その隙にノアに好き放題やられてしまったがまだ焦りを感じていない。

「そうだけど、しょうがないじゃない。前はあの子に勝ったし、先手くらいは取らせてあげるわ」

「その油断が今の状況だ、わかっているのか?こな皇国はほぼ奴に掌握されているんだぞ」

 声を荒げるニグルだが、怒鳴られているミアリスは平然としている。

「まだ皇国だけよ、この世界は私の物、そう簡単に支配されないわ」

 すでにリリアナがノアの使徒である事は知らないミアリス。
 そしてこの世界の神である自分が絶対に有利で絶対の信仰を集めていると思っているミアリスに危機感はない。

 神であるゆえに人の事を完全に理解しようとしないミアリスの弱点であるのだが、人の信仰がそこまで厚くない事をミアリスはわからないのだ。
 今回それをノアに利用されているのだが一時的なものであろうと考えてしまっている。

「それにあなたがノアの代行者に勝てば良いのよ」

 まだノアの代行者を特定出来ていない2人。
 王国にいるのはわかっているのだが、これまで動いているのはノアだけなので、どの人物かわからないが大した代行者でないと2人は考えている。

 最終的には代行者の勝敗が勝負を分ける為、序列4位の自らの代行者であれば楽に勝てるとミアリスは考えている。

「だが何か手を打たなければ、次の王国との戦、これで俺が奴の代行者を打つその為に協力してくれ」

 ニグルとしたら良いようにやられてしまっているこの状況は許し難い。
 だが下手にノアの信仰を宣言し皇国に広めたクラーブを始末してはニグルが皇国から狙われてしまう。
さすがに1人で軍隊を相手には出来ないのでそれは出来ない。

「わかったわ、ラーズ王国を動かして皇国に味方させましょう。あそこの”幻視槍”ならラピス王国との戦争でも役に立つわ」

 そのあまりにも速い槍裁きで相手に仮想の槍までも見せ敵を圧倒する姿から幻視槍と評される男を味方にする、そう宣言するミアリスだが。

「あそこは閉鎖的な国だ、手を貸すとは思えん」

 ラーズ王国が他国との交流をしない事は誰もが知っている。
そして当然ニグルもそれがわかっているのでミアリスの意見が上手くいくとは思えない。

「私は神よ、それが答え」

 だがミアリスがそう答える。神は絶対的な存在、そう言われてしまえば反論出来ない。

「それにラピスの国王に接触するわ、あの子は私を信じきっているし、ノアは関われないわ」

 事実のノアは国王と接触していないがミアリスは知らなかった。
今や王国で国王は絶対的な存在ではない事に。

 全てが遅すぎるのだ。
 そうなるようにノアが仕組んでいたのだが、かつてノアに勝利し無の世界へ封じ込めた事と砂の世界が自分の物であるという絶対の自信からノアを試すようにしていた事がミアリスを追い込んでいた。

「私の勝利は決まっているの」

 未だ状況を完全に理解していないミアリスは言う、信じて疑わない自身の勝利を。

 ミアリスは忘れている、長い時間を過ごしているうちに忘れてしまっている重要な事実を。
かつてノアに勝利出来たのは他の世界の神と協力したから勝てたという事を。

「あの施設が破壊されなければこんな事態が起きても対応出来たのだがな」

 あの施設、序列8位赤姫副長ナナ・イースヴァルを生み出した。
 対神用戦闘兵器の施設が破壊された事をニグルは後悔していた。

「良いのよあんなの、暇つぶしだったのだし」

 卑劣な人体実験を暇つぶしと言ってしまうミアリスはやはり神なのだろう。
長い時間を生きる彼女にとって人間は暇つぶしの道具としか見ていない。

「無くなったものは仕方ないか」
 
 ニグルの返事を聞きミアリスは消える、勝つ為にラーズ王国へと向かうのだ。
そしてニグルも部屋を出る、王国との戦いの準備をする為に。

*******

「では皇国はすでにノア様の物となったと考えて良いのですね?」

 王城のリリアナの自室にて、無の神ノアと代行者シン、そしてラピス王国第2王女リリアナが集まっていた。

「ああ、あそこはもうボクの物だ、だがミアリスに勝つにはあのニグルとかいう人間を殺す必要がある」
 
 ノアは皇国でした事をシンとリリアナに話していた。
 最初はリリアナも使い捨てるつもりのノアだったが思っていた以上にリリアナが優秀だった為シンと同じように自分のシモベとして仲間に引き入れていた。
 実は皇国の皇帝の暗殺を提案し皇女を利用すると考えたのはリリアナであった。

「焦り過ぎやしないか?まあ俺としてもそのニグルって奴には仕返しをしなきゃならないんだが」

 当初の予定よりも早く物事が動いている為ノアに忠告するシン。
だが彼としてはユナを殺しかけたニグルは何としても復讐しておきたい為あまり強くは言わない。

「問題ないだろう、ここまでしたらミアリスは動くだろうが出来る事は少ない。やるとしたらラーズ王国を動かすかこの国の国王に接触する事だろう」

 完全にミアリスの考えを看破しているノア、長い時間封じ込められていた為、他の神の事を研究しいつか倒す為に生きてきたのだ。そう簡単にノアを出し抜く事は出来ない。

「ラーズ王国はどうしようもありません。”幻視槍”は厄介ですが勝てないほどではありません、問題は父上ですね」

 ノアの言葉に父親を敵と素早く認識するリリアナ、この割り切りの良さもノアが気に入った部分でもある。

「ああ、だがさすがに国王は殺せないよな」

「えっ?なぜですか?」

 シンの発言に首をかしげるリリアナ、さすがに自分の父親は殺したくないだろうと思っての発言だったがリリアナに疑問を持たれてしまう  。

「えっ?だって国王はお前のちちお「なるほど、そういう事ですか」や?」

 リリアナが何に納得したのかわからないシンだったが、リリアナは続けた。

「さすがはシン様でございます、そこまでお考えだとは」

「おっおう」

 父親の心配がなぜそこまで大事になるのかわからなかったが褒められているようなので偉そうに頷きながら返事をする。

「リリアナどう考えたのかい?」

 何かを思い付いたらしいリリアナに問い掛けるノア。
シンがそこまで考えていない事は知ってるが面白そうなのでシンに突っ込んだりしない。

「ええ、まずは兄上達を利用します」

 試されている、2人から感じる視線に何かを見定めるような気配があると感じたリリアナは自分の価値を証明すよう注意しながら策を話す。
 ここでシンの考えを理解出来ないようでは自分の存在する理由がなくなってしまうからだ。

「ノア様はわたくしと同じ様に兄上達を利用しています。そこで兄上達にはわたくしがミアリスに操られていると情報を流すのです」

 ノアはリリアナを仲間にするとシンに了承を得た後、初めリリアナを利用した事を正直に話していた。
 そして腕輪が考えを読むのではなく相手の意思を歪めて伝えていた事を、そしてそれを知った上でリリアナに仲間になってくれと言ったのだ。

 これはミアリスと違うところだ。
 ミアリスは自分の為に人間が動くのは当たり前の事だと思っているがノアは違う、仲間となる者には頭を下げる事もするし仲間の為、目的の為に自分が駒となる事もする。

 ノアにとってもリリアナは是非とも仲間にしたかった。
 シンは代行者として信頼しているが他の神に勝つには自分以外に策を練る事が出来る物が必要だったのだ。

 打ち明けた当初リリアナは困惑していたが、ノアの謝罪を受け入れ改めてノアの使徒になる事を受け入れた。
 それ以降自分の自室へ繋がる隠し通路を教え、シン達とミアリスに勝利する為の策を話し合っていた。

 実はリリアナに渡した腕輪にはリリアナの感情を歪める効果もあったのだがその所為でリリアナは感情を隠せなくなっていた。
 仲間となった事で正しい腕輪を受け取りその効果もなくなったのだが、偽の腕輪の効果がもたらしたものは他にもあった。

 これはノアの所為ではないのだがリリアナにある特殊な癖をつけてしまった。
感情の歪みがリリアナの隠れた悪癖を呼び覚ましてしまったのだ。
 まだリリアナ本人しかわかっていない行為なのだが正しい腕輪に変えてもその癖は治っていない。

「どういう意図がある?」

 純粋に質問したシンだったが、リリアナは覚悟を決めていた。
 返答次第で自分が必要ないと判断されると感じたからだ。

「兄上達はほどわたくしに王位が譲られるのが決定的な現状に焦っています。焦ったところで揺るがないのですがわたくしがミアリスに操られるとわかれば、わたくしの心配をしている兄上達の事です。父上にそれを伝えるでしょう」

「そうだね、その通りさ」

「ですが父上は熱心にミアリスを信仰しています、兄上達の話など聞かないでしょう。むしろ叱責します、そして兄達に罰を与えます、それで兄上達の王位はもうありえません。これでわたくしの王位はもう確実です」

 リリアナの王位継承は証を手に入れる為の絶対条件である、これでもう手に入れたも同然だ。

「さすがリリアナだな」

 シンに褒められ喜ぶリリアナ、だがリリアナの策はこれだけではない。

「そして父上です、こちらはミアリスが勝手にやってくれます。わたくしの分析の結果ですがミアリスという神はノア様のお話とわたくしの幼少期の印象ですが、何やら自分に絶対の自信を持っている様です、この世界の者は自分に尽くすのが当然と思っているのでしょう。ですので父上に接触しても自分にたてつく者を倒せぐらいしか言わないでしょう。それにこちらの事を舐めています、まだシン様の事やわたくしがノア様を味方している事に気付いていない様子です。ミアリスの言葉を受けた父上はノア様の信仰を始めた皇国を攻めると決断します。そうなれば当然ミアリスの代行者ニグルが出陣します。そしてシン様がニグルを倒しノア様の勝利です。ですのでここで父上を殺してしまってはニグルを引き出すのが遅くなってしまいます」

 ふう、と息を吐くリリアナ、少ない情報からミアリスの性格を見抜き、ノアの勝利の構図を描き出したその頭脳はまさにノアの欲していた人材だ。

「リリアナが仲間になってくれて良かったよ」

 またも褒められリリアナは思わずガッツポーズをしてしまう、すぐに冷静になり続ける。

「ですが問題はその後のこの王国のノア様に対する信仰をどう集めるかです、国王がいるのではなかなか難しいでしょう。しかし証の場所は国王しか知りません、すぐに教えて頂ければ良いのですが」

 皇国のようにミアリスを悪者にすれば楽なのだがそう簡単にいかない、またも頭を悩ませるリリアナだが

「簡単じゃないか、リリアナがお兄さん達に助けを求めたら良い、ミアリスに利用されてるでもお父様はミアリスの事を信じていて私を助けてくれないの~って感じで」

 リリアナの真似をしながら言うシン、彼としたら王子達はリリアナの事を愛しているみたいなので助けて貰えば良いと簡単に考えただけだったのだがリリアナはシンの意図を深く理解してしまう。

「やはり、シン様にはかないません、しかしそれではシン様は囮になって頂かなければなりません」

 なぜ囮?とシンにリリアナの考えがわからない、だがノアにはリリアナの考えがわかった。

「そうだね、戦争の後王子に国王の始末をさせれば良い、反逆になるのか?」

 何やら物騒な話になってきた事にシンは黙る事にする。
自分の気楽な考えがとんでもない事になっている事に気が付いて自重したのだ。

「そうですね、わたくしと王子一同で父上に王族の混乱を引き起こした事を突きつけるのですしね、良い国王で良い父親でしたが信仰する神を間違えたのが悪かったですね」

「なあ、なんで俺が囮なんだ?」

 耐えられず思わず聞いてしまうシン、リリアナはシン自身の考えになぜ疑問を持つのかわからなかったがまだ自分が試されていると考え策を言う。

「戦争後わたくしが兄上達に助けてくれと泣き付きます。そしてミアリスの事を敵視する兄上達は父上を亡き者にきようとします、ですが理由がありません。そこで父上にはわたくしからシン様がミアリスの敵であると伝えます、すると父上はシン様を捕らえ処刑をするでしょう」

 処刑と聞き顔を青くするシンだったがリリアナは気付かず話を続ける。
 
「ですがその前にわたくしが兄上達にシン様がわたくしを救ってくれた方であると伝えます。そしてノア様がその為にわたくしを助けてくれたとも、ですが兄上達はノア様の姿を知っていますが兄上達に接触しているのが本物のノア様だと知りません。
ですのでわたくしから本物のノア様であると紹介します、名を隠しミアリスに害される危険を承知で兄上達にわたくしを救う為に力を貸していたノア様の事を兄達は感謝するでしょう。
そしてわたくしを救ったシン様を助ける為、父上に反逆する事をわたくしから進言します、シン様は囮となりわざと捕まって頂く事になるのですが心配は要りません。
処刑は王城の近くの処刑場で行われます、そこには王都の民も大勢来ます、集まった所でわたくしと兄上達により父上に反逆します。王国とわたくしをシン様が救ってくれた事を公表しそしてその為にノア様が尽力した事を。
その英雄と言うべきシン様を処刑する父上とミアリスに対する怒りの感情を国民に抱かせます、その中シン様を救い出し逆に父上の処刑をします。そうする事で父上を処理しミアリスへの信仰もノア様へと変える事が出来るでしょう」

 またもふうっと息を吐くリリアナ、まさかそんな事が考えられていたとはシンは思ってもいなかった為リリアナを素直に尊敬した。

 そしてノアは自分の為に家族であろうと全てを利用するリリアナに改めて仲間にした事を喜ぶ、ノアとシンにまた褒められたリリアナは安心して体の力が抜ける。
 ダラっとしてしまったがそれほど緊張していたのだろう、普段のリリアナはこんな姿を人に見せないのだ。

 だが気の抜いたリリアナにシンが背筋の凍るような一言を発する。それはリリアナにとって何よりも知られたくない事だった。

「あれ?リリアナ、この部屋変な臭いしないか?」

 そう言って鼻をすんすんするシンに慌てて止めさせるリリアナ。

「きっ気のせいではなくて?女性の部屋の臭いを嗅ぐなど宜しくないのでは?」

 ささっ今日はこれにて、使用人が来るかもしれませんので、とシン達を部屋から追い出したリリアナ。先ほどから心臓が激しく鼓動をしていた。

「あっあぁ、あはぁ」

 誰もいなくなった部屋で艶やかな声を出し顔に愉悦を浮かべるリリアナ。

「危なかったですわ、シン様にバレてしまう所でした。あぁっですがシン様に臭いを嗅がれてしまいました、もし、もし気付かれてしまったらわたくしはどうしたら、あっあぁでもそれも」

 真剣に家族の生死、そして砂の世界の未来というとてつもないスケールの大きな話をしていてもリリアナの欲望は我慢する事を知らなかった。
 偽の腕輪の影響により王国の美リリアナは誰にも言えない秘密を背負う事になっていた。
 だがリリアナ本人は腕輪の影響でこうなってしまった事を後悔していなかった。
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