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獣王との戦い
裏切りからの脱出
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「殺しに来た?お前達が?」
「ああ、君達4人はここで始末するよ」
突然、軍勢を連れ、現れたアルファスに対しシンは言葉を返すように尋ねる。
リリアナとエルリックが襲われた時点で、アルファスが裏切りをしたと判断していたが、メリィが集めた部下達まで手駒にしているとは考えてはいなかった。
アルファスの率いる200名ほどの軍勢は、メリィが獣王に対抗する為に集めた人員であり、アルファスに従う理由がないからだ。
「メリィ、あの人達はお前が集めたんだよな」
獄炎鳥となったメリィは仲間の裏切りに怒りを表すかのように炎の翼から火花を散らしている。
アルファスはこれまで味方として獣王の監視に貢献していたと信頼を置く事にしていた。
しかし、こうなった以上、獣王についての報告も虚偽である可能性が高い。
「シン、どうする?」
皇龍刀”契”を携えたユナはここからの行動をシンに問いかける。
だがまだこの軍勢がアルファスの味方であると決めつける事は出来ない。
リリアナとエルリックに対し、昨日報告に来た者は責任者として扱っていた。
その事から目の前の軍勢がアルファスに騙され、今の行動に至っている可能性もある。
ここで戦闘をしてしまっては、味方同士で争う事になり、アルファスの思う壺になるかもしれない。
判断を迷うシンは眠気の覚めた頭を動かし思考する。
序列に名を連ねるシンとユナ、アイナに加え、対多数を得意とするロイズがいる今ならば、この軍勢にも勝利は出来る。
だが今後獣王と戦闘する事を考えれば、この軍勢を敵としてしまう訳にはいかない。
「退くぞ、今ここで争いを起こす訳にはいかない」
アルファスと獣王が繋がっているならばこれまでのシン達の行動は全て筒抜けとなっているだろう。
アイナの存在はリリアナにしか伝えていないが、通信は脳内に直接、念話のような形でされているが、リリアナが他の者に話をした可能性もある。
だが、シンはアルファス達がアイナの事を知らないと判断する。
アルファスは先ほど君達4人、そう言ったからだ。
ならばやるべき事は逃走だとシンは結論を出す。
「あれ?5人いるじゃないか、そうか君がSランク冒険者と言う訳だ」
「ちっ、吸引闇虫!」
逃走を決断した直後、シン達の後方からアルファスの声が響く。
咄嗟にシン達を吸引闇虫で包み込み、ロイズはアルファスの奇襲を防御する。
「イグジステンス・イーターか、油断した。ロイズ、助かったよ」
存在を完全に消し去るアルファスの奇襲に、ロイズが素早く反応しなければ誰か1人は殺されていたかもしれない。
仲間を守るロイズに感謝しつつ、シンは部屋に現れたアルファスに向き直る。
シンとユナを警戒したアルファスは仲間を連れ、シン達のもとへと近づいたのだろう。
5人ほどの武装した者達は、獣王選定の時の仲間とは違う面子を揃えていた。
「ロイズ、外に出よう。この狭い場所じゃ、俺は本気で戦えない」
吸引闇虫により覆われているシン達の会話はロイズにしか聞こえない。
それを利用し、逃走不可と判断したシンは戦闘をしやすい屋外への脱出をはかる。
「師よ、我にお任せを。雷撃にて行動不能にします」
アイナの周囲に魔法陣が浮かび上がる。
雷撃により麻痺させる狙いがあるのだろう。
「上空へ跳躍出来るか?」
「やってみるよ、アルファスの隙を何とか作ってみる」
ロイズはアルファス達から受けた攻撃を己の力として還元する。
大きさを増した吸引闇虫はシンの部屋を圧迫する。
「ちっ!」
ロイズの吸引闇虫を知るアルファス達は舌打ちをし、仲間の1人が建物の破壊を試みる。
吸引闇虫に触れてしまえば、如何にアルファスといえど吸収されてしまう。
「逃がすか!」
吸引闇虫をアルファス達に向け進ませる。
狭い室内ではすぐにアルファスに近寄る事が出来たが、既に仲間の者の能力により天井を破壊され、アルファス達は逃れるように屋内から脱出をする。
「今だ、思い切り飛べ」
アイナがロイズに指示を送ると、ロイズはアルファス達が破壊した天井から一気に上空へと飛び上がる。
アルファス達を追い抜き、上空へと跳躍したロイズは、吸引闇虫の形状を変化させ、滞空を試みる。
落下の速度を抑えるように、翼のような形を取る吸引闇虫から巨大な獄炎鳥となったメリィが飛び出し、吸引闇虫を足で掴み、上空で飛翔をする。
突然現れた獄炎鳥にアルファスにより集められた軍勢は驚きを隠せない。
そしてアイナはその隙を見逃さない。
吸引闇虫から地面に向け突き出されたアイナの左腕は、魔力に覆われ魔術の発動をする。
「雷公獅子王」
術名を唱えたアイナの左腕から雷により創り出された巨大な獅子の頭部が、雷鳴を轟かせ現出する。
威力の抑えられた魔術は、人を麻痺させる程度しか出来ないが、その事を知らないアルファス達は、圧倒的な獅子の姿に萎縮する。
行動出来ない軍勢に向け、獅子がその巨大な口を広げ、襲いかかる。
バチバチと雷鳴を響かせながら200名ほどの軍勢を、雷の獅子は地面ごと抉るように食らいついた。
初めて鳴り響く雷撃の迸る轟音に、森の世界の都市ユグンの人々は、危機を感じたように一斉に家を飛び出し、周囲を見回している。
だが、既に轟音の原因となった雷の獅子は姿を消し、獅子に食いつかれた大地は抉り取られている。
メリィの用意した拠点の周りに人はいなく、雷撃により麻痺しているアルファス達を救出しようとする者はいなかった。
ユグン全体に響き渡った雷鳴に、すべての人々は警戒するように武器を取り、威嚇するような魔獣達の唸り声が後に続く。
次第に何も起こらないと察した者達が現れ、ユグンの街に平穏が再び訪れる。
その都市で、周囲に紛れ込むようにしながらシン達は、メリィの拠点から離れていく。
「取り敢えず、逃げ切れたみたいだな」
メリィによる飛行は目立つ為、地上に降り立ったシン達はメリィの拠点、そしてユーギリア城から離れるようにユグンを進む。
「拠点がなくなってしまったね。僕の家もアルファス達には知られているだろうし」
これでシン達に寝泊まりする場所はほとんどなくなった。
宿屋に泊まろうにもアルファス達により、捜索されればすぐに見つかるだろう。
「ユグンから出るか?」
残された場所は世界樹の中にはないと判断したシンは、世界樹の外に向かおうかと考えている。
現状、アルファスや獣王に見つからない為には外の森に出るしかないと思われる。
「そうね、シーナの集落に行けないかしら?」
迷惑をかけたくないが、頼れるつてはそこしかない。
「シーナの木像は無事だったよな?」
拠点に置いてきたシーナの木像が破壊されていないか心配になったシンは、他の面々に木像の無事を確認した。
「脱出の時に一緒に持ち出したよ」
ロイズは脱出の際に、吸引闇虫でシーナの木像を持ち出していた。
アルファス達に吸引闇虫を近づけた際に、木像にも吸引闇虫を向かわせていたようだ。
「仕方ないか、シーナの集落に向かおう」
集落の近くに新たな拠点を構える事に決め、シン達は世界樹の外に繋がる道に向かう。
久しぶりに訪れたユグンには、氷の世界と同じく冒険者達が世界樹の試練を受ける為、未だ数多く行き来していた。
「獣王が変わっても、世界のあり方は変わらないか」
相変わらず、使命を果たした者は働かず、使命を果たしていない者が、税となる物資を運び続けていた。
蔑みの視線や罵り声は変わらずかけられ続けており、シーナの夢は叶わなかったとシンは悲しみを覚えていた。
「シン君、戻って来たの?」
そんな中、シンに向け声がかけられた。
辺りの騒音にかき消されそうなほど小さく、無機質な声にシンは慌てて振り向く。
「ナナ!良かった、無事なのね」
小さな少女にユナが、駆け寄り抱き締めながら言う。
リリアナとエルリックの行方がわからぬ中、共に行方のわからなかった茶色い短い髪を後ろで縛った少女、序列7位の”国滅”ナナ・イースヴァルがシン達の前に姿を見せた。
「ああ、君達4人はここで始末するよ」
突然、軍勢を連れ、現れたアルファスに対しシンは言葉を返すように尋ねる。
リリアナとエルリックが襲われた時点で、アルファスが裏切りをしたと判断していたが、メリィが集めた部下達まで手駒にしているとは考えてはいなかった。
アルファスの率いる200名ほどの軍勢は、メリィが獣王に対抗する為に集めた人員であり、アルファスに従う理由がないからだ。
「メリィ、あの人達はお前が集めたんだよな」
獄炎鳥となったメリィは仲間の裏切りに怒りを表すかのように炎の翼から火花を散らしている。
アルファスはこれまで味方として獣王の監視に貢献していたと信頼を置く事にしていた。
しかし、こうなった以上、獣王についての報告も虚偽である可能性が高い。
「シン、どうする?」
皇龍刀”契”を携えたユナはここからの行動をシンに問いかける。
だがまだこの軍勢がアルファスの味方であると決めつける事は出来ない。
リリアナとエルリックに対し、昨日報告に来た者は責任者として扱っていた。
その事から目の前の軍勢がアルファスに騙され、今の行動に至っている可能性もある。
ここで戦闘をしてしまっては、味方同士で争う事になり、アルファスの思う壺になるかもしれない。
判断を迷うシンは眠気の覚めた頭を動かし思考する。
序列に名を連ねるシンとユナ、アイナに加え、対多数を得意とするロイズがいる今ならば、この軍勢にも勝利は出来る。
だが今後獣王と戦闘する事を考えれば、この軍勢を敵としてしまう訳にはいかない。
「退くぞ、今ここで争いを起こす訳にはいかない」
アルファスと獣王が繋がっているならばこれまでのシン達の行動は全て筒抜けとなっているだろう。
アイナの存在はリリアナにしか伝えていないが、通信は脳内に直接、念話のような形でされているが、リリアナが他の者に話をした可能性もある。
だが、シンはアルファス達がアイナの事を知らないと判断する。
アルファスは先ほど君達4人、そう言ったからだ。
ならばやるべき事は逃走だとシンは結論を出す。
「あれ?5人いるじゃないか、そうか君がSランク冒険者と言う訳だ」
「ちっ、吸引闇虫!」
逃走を決断した直後、シン達の後方からアルファスの声が響く。
咄嗟にシン達を吸引闇虫で包み込み、ロイズはアルファスの奇襲を防御する。
「イグジステンス・イーターか、油断した。ロイズ、助かったよ」
存在を完全に消し去るアルファスの奇襲に、ロイズが素早く反応しなければ誰か1人は殺されていたかもしれない。
仲間を守るロイズに感謝しつつ、シンは部屋に現れたアルファスに向き直る。
シンとユナを警戒したアルファスは仲間を連れ、シン達のもとへと近づいたのだろう。
5人ほどの武装した者達は、獣王選定の時の仲間とは違う面子を揃えていた。
「ロイズ、外に出よう。この狭い場所じゃ、俺は本気で戦えない」
吸引闇虫により覆われているシン達の会話はロイズにしか聞こえない。
それを利用し、逃走不可と判断したシンは戦闘をしやすい屋外への脱出をはかる。
「師よ、我にお任せを。雷撃にて行動不能にします」
アイナの周囲に魔法陣が浮かび上がる。
雷撃により麻痺させる狙いがあるのだろう。
「上空へ跳躍出来るか?」
「やってみるよ、アルファスの隙を何とか作ってみる」
ロイズはアルファス達から受けた攻撃を己の力として還元する。
大きさを増した吸引闇虫はシンの部屋を圧迫する。
「ちっ!」
ロイズの吸引闇虫を知るアルファス達は舌打ちをし、仲間の1人が建物の破壊を試みる。
吸引闇虫に触れてしまえば、如何にアルファスといえど吸収されてしまう。
「逃がすか!」
吸引闇虫をアルファス達に向け進ませる。
狭い室内ではすぐにアルファスに近寄る事が出来たが、既に仲間の者の能力により天井を破壊され、アルファス達は逃れるように屋内から脱出をする。
「今だ、思い切り飛べ」
アイナがロイズに指示を送ると、ロイズはアルファス達が破壊した天井から一気に上空へと飛び上がる。
アルファス達を追い抜き、上空へと跳躍したロイズは、吸引闇虫の形状を変化させ、滞空を試みる。
落下の速度を抑えるように、翼のような形を取る吸引闇虫から巨大な獄炎鳥となったメリィが飛び出し、吸引闇虫を足で掴み、上空で飛翔をする。
突然現れた獄炎鳥にアルファスにより集められた軍勢は驚きを隠せない。
そしてアイナはその隙を見逃さない。
吸引闇虫から地面に向け突き出されたアイナの左腕は、魔力に覆われ魔術の発動をする。
「雷公獅子王」
術名を唱えたアイナの左腕から雷により創り出された巨大な獅子の頭部が、雷鳴を轟かせ現出する。
威力の抑えられた魔術は、人を麻痺させる程度しか出来ないが、その事を知らないアルファス達は、圧倒的な獅子の姿に萎縮する。
行動出来ない軍勢に向け、獅子がその巨大な口を広げ、襲いかかる。
バチバチと雷鳴を響かせながら200名ほどの軍勢を、雷の獅子は地面ごと抉るように食らいついた。
初めて鳴り響く雷撃の迸る轟音に、森の世界の都市ユグンの人々は、危機を感じたように一斉に家を飛び出し、周囲を見回している。
だが、既に轟音の原因となった雷の獅子は姿を消し、獅子に食いつかれた大地は抉り取られている。
メリィの用意した拠点の周りに人はいなく、雷撃により麻痺しているアルファス達を救出しようとする者はいなかった。
ユグン全体に響き渡った雷鳴に、すべての人々は警戒するように武器を取り、威嚇するような魔獣達の唸り声が後に続く。
次第に何も起こらないと察した者達が現れ、ユグンの街に平穏が再び訪れる。
その都市で、周囲に紛れ込むようにしながらシン達は、メリィの拠点から離れていく。
「取り敢えず、逃げ切れたみたいだな」
メリィによる飛行は目立つ為、地上に降り立ったシン達はメリィの拠点、そしてユーギリア城から離れるようにユグンを進む。
「拠点がなくなってしまったね。僕の家もアルファス達には知られているだろうし」
これでシン達に寝泊まりする場所はほとんどなくなった。
宿屋に泊まろうにもアルファス達により、捜索されればすぐに見つかるだろう。
「ユグンから出るか?」
残された場所は世界樹の中にはないと判断したシンは、世界樹の外に向かおうかと考えている。
現状、アルファスや獣王に見つからない為には外の森に出るしかないと思われる。
「そうね、シーナの集落に行けないかしら?」
迷惑をかけたくないが、頼れるつてはそこしかない。
「シーナの木像は無事だったよな?」
拠点に置いてきたシーナの木像が破壊されていないか心配になったシンは、他の面々に木像の無事を確認した。
「脱出の時に一緒に持ち出したよ」
ロイズは脱出の際に、吸引闇虫でシーナの木像を持ち出していた。
アルファス達に吸引闇虫を近づけた際に、木像にも吸引闇虫を向かわせていたようだ。
「仕方ないか、シーナの集落に向かおう」
集落の近くに新たな拠点を構える事に決め、シン達は世界樹の外に繋がる道に向かう。
久しぶりに訪れたユグンには、氷の世界と同じく冒険者達が世界樹の試練を受ける為、未だ数多く行き来していた。
「獣王が変わっても、世界のあり方は変わらないか」
相変わらず、使命を果たした者は働かず、使命を果たしていない者が、税となる物資を運び続けていた。
蔑みの視線や罵り声は変わらずかけられ続けており、シーナの夢は叶わなかったとシンは悲しみを覚えていた。
「シン君、戻って来たの?」
そんな中、シンに向け声がかけられた。
辺りの騒音にかき消されそうなほど小さく、無機質な声にシンは慌てて振り向く。
「ナナ!良かった、無事なのね」
小さな少女にユナが、駆け寄り抱き締めながら言う。
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