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獣王との戦い
反撃の開始
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「俺が1発大鎌の能力を使う、そこから攻め込むぞ」
激化を辿るミアリスとサリスの争いに参入せんとするシン達は、機会を窺っていた。
大規模に広がる神の争いにより、下手に飛び込めばその戦火に巻き込まれてしまう。
シンは虚無の大鎌の能力の一つである消滅能力を持つ斬撃を繰り出す事で、サリスへの道を切り開こうとしていた。
「今よ!」
ユナの合図により、シンは漆黒の大鎌を一閃する。
不可視の斬撃は、荒れ狂う戦場を斬り裂き、大鎌の直線上にサリスへの道を切り開く。
「雷波導」
シンの斬撃に続き放たれるのはアイナの魔術により現出した雷波動である。
形を持たない雷は、シンの作り出した戦場の裂け目を広げるように抉り始める。
「人間が、神の争いに手を出すな!」
シン達の参入に苛立ったサリスは、シンとアイナが切り開いた道を塞ごうと世界樹の杖をかざす。
「させないわよ。私から視線を外す事は、誰であろうと許さないんだから」
シン達へと視線を向けたサリスの行動をミアリスは許すつもりはない。
自身への攻撃が止まった隙に、今まで防御に回していた土砂を攻撃に回し、サリスへと射出する。
限界まで圧縮した砂は、入り乱れる大木を貫き進む。
「ちっ、邪魔ばかりを!」
ミアリスの妨害によりシン達への攻撃は不発に終わる。
いかに神であるサリスでも、ミアリスの攻撃を無視する訳にはいかないのだ。
「師よ、お進み下さい」
さらなる魔術を繰り出すべく、魔力を練るアイナは、シン達の進む道を広げながら指示を出す。
シンとユナ、エルリックは大鎌と雷の魔術により消失した大地を駆け抜ける。
「小癪な!」
「させないよ。氷狼、お願い!」
シン達の進軍を許すまいとサリスはミアリスの攻撃を防ぎつつ、片手で大木を生み出す。
しかし、その生み出された大木は、氷狼により凍結され成長を止める。
「氷散撃」
氷狼の背に跨るシーナは、氷で生成した弓矢を天へ向け引き放つ。
無数に分裂した氷の矢は、天からサリスに向け降り注ぐ。
「私も」
シーナの援護に続くべくナナは、サリスを覆い隠すように武器の群れを創り出す。
荒れ狂う戦場に無数の煌めきが創造され、シン達とミアリスの対応に追われるサリスに一直線に放たれる。
背後からミアリスの砂の弾丸に、天からの氷の矢、周囲一帯から襲いかかる剣や槍にサリスはなす術なく呑み込まれる。
木々の入り組んだ戦場に、轟音が響き渡る。
サリスに生み出された生い茂る大地は、数多の凶器により破砕され周囲を暴風と共に駆け巡る。
「まだ終わらんぞ、雷公獅子王」
粉塵舞い散る戦場を、巨大な雷の獅子が風と共に駆け抜ける。
雷鳴と閃光を迸らせる獅子は、触れる物全てを焼き尽くしサリスのいる場所へと突き進み、着弾と共に戦場を雷光で支配する。
着弾の瞬間雷鳴が轟き、一瞬の雷撃は周囲から音を消し去る。
静寂が支配する空間で、耳鳴りが残るシン達だが、立ち止まる事をしない。
「くそがぁ!」
一瞬の静寂を打ち破るように、サリスの怒号が発せられる。
だらしなく肥えたサリスの肉体は、氷の矢や剣などにより傷つけられ血を流していた。
だが、その量は多くなくあれ程の攻撃でもサリスを仕留める事は出来なかったのだ。
周辺に雷を迸らせながらサリスは荒く息を吐く。
少なくともダメージを与える事は可能であった。
ミアリスにナナ、シーナ、アイナの連撃は、サリスに一切の反撃を許さなかった。
それは、少なからずサリスの精神にも負担をかけていたのだ。
しかし、アイナ達は驚きを隠せない。
今の連撃に耐えられる人族や魔獣はいないだろう。
しかし、相手は神であるサリスだ。
力のみならず、耐久力は他の生物を圧倒する。
「手を休めるな!」
唯一、神を理解するミアリスは、アイナ達を一喝する。
サリスに行動を与えない事が、勝利する絶対条件だ。
ミアリスの檄に我を取り戻したアイナ達は、再びサリスに攻撃を開始する。
大技は必要ない、そう判断したアイナ達は、サリスの周囲に生まれる岩壁を貫通する事に特化した技を繰り出す。
「ちまちまと煩い奴らだ!」
集中的に狙われながらもサリスは移動をしようとはしない。
小さいが、無視する事の出来ない攻撃を続けられるサリスは、不満を抱え込む。
自分の行動は制限され、一方的に攻撃されるなど、他の者でも我慢はならないだろう。
そんな中、苛立つサリスに、肉薄する者達が現れる。
アイナ達の攻撃を避けながら、サリスに向かっていたシン達が来たのだ。
「虚閃」「魔槍飛燕流5ノ型”蓮華槍”」
先手を切るのはシンとエルリックである。
槍に裂かれた敵の肉体に蓮の花を思わせる魔槍飛燕流の連撃がサリスを襲い、全てを消し去る大鎌が一閃される。
サリスの肉体が、エルリックの持つ純白の槍に斬り裂かれ、シンの持つ漆黒の大鎌に抉り取られる。
「こちらもまだ終わりではないぞ」
シン達の攻撃に続き、サリスに迫るのはミアリスの放つ岩石による礫の嵐である。
シン達の離脱の隙を埋めるように放たれた礫は、サリスにも防御の隙を与えず直撃する。
「次は私よ」
ミアリスの礫が終わると共にサリスへとユナは斬りかかる。
周囲に散らばる大木の残骸を足場に、四方から高速に斬りつけるユナの動きにサリスはついて行く事が出来ない。
次いで迫るのはナナが繰り出す武器の嵐だ。
ユナに渡した刀が刃こぼれを起こした事を見越しての追撃で、サリスはその身をさらに傷つけられる。
ユナはその中に含まれていた新しい刀を手に取り離脱する。
サリスの肉体は見た目とは裏腹に硬度が高い。
これまでに繰り出した斬撃は、手応えがないのだ。
何重にも積み重なった肉を一つ一つ割いていく、そのような感覚を覚えていた。
しかし、サリスにダメージを与えている事は間違いない。
苦痛に顔を歪ませるサリスは、堪えるように歯を食い縛っていた。
そしてその瞳は、シン達に釘付けとなっている。
「神ってのも、案外脆いもんだな」
「人族ごときが神を愚弄するか!」
一撃で与える事の出来る傷は浅いが、少なくともシン達の攻撃は通っている。
シンは、サリスに能力が通じる事が確信でき、その事から挑発に出たシンの思惑にサリスは簡単に引っかかる事となる。
シン達の参戦により、戦況はさらに混沌と化す。
シン達による近接戦闘に、アイナ達による遠距離攻撃は、山の神を徐々に追い詰め始めた。
激化を辿るミアリスとサリスの争いに参入せんとするシン達は、機会を窺っていた。
大規模に広がる神の争いにより、下手に飛び込めばその戦火に巻き込まれてしまう。
シンは虚無の大鎌の能力の一つである消滅能力を持つ斬撃を繰り出す事で、サリスへの道を切り開こうとしていた。
「今よ!」
ユナの合図により、シンは漆黒の大鎌を一閃する。
不可視の斬撃は、荒れ狂う戦場を斬り裂き、大鎌の直線上にサリスへの道を切り開く。
「雷波導」
シンの斬撃に続き放たれるのはアイナの魔術により現出した雷波動である。
形を持たない雷は、シンの作り出した戦場の裂け目を広げるように抉り始める。
「人間が、神の争いに手を出すな!」
シン達の参入に苛立ったサリスは、シンとアイナが切り開いた道を塞ごうと世界樹の杖をかざす。
「させないわよ。私から視線を外す事は、誰であろうと許さないんだから」
シン達へと視線を向けたサリスの行動をミアリスは許すつもりはない。
自身への攻撃が止まった隙に、今まで防御に回していた土砂を攻撃に回し、サリスへと射出する。
限界まで圧縮した砂は、入り乱れる大木を貫き進む。
「ちっ、邪魔ばかりを!」
ミアリスの妨害によりシン達への攻撃は不発に終わる。
いかに神であるサリスでも、ミアリスの攻撃を無視する訳にはいかないのだ。
「師よ、お進み下さい」
さらなる魔術を繰り出すべく、魔力を練るアイナは、シン達の進む道を広げながら指示を出す。
シンとユナ、エルリックは大鎌と雷の魔術により消失した大地を駆け抜ける。
「小癪な!」
「させないよ。氷狼、お願い!」
シン達の進軍を許すまいとサリスはミアリスの攻撃を防ぎつつ、片手で大木を生み出す。
しかし、その生み出された大木は、氷狼により凍結され成長を止める。
「氷散撃」
氷狼の背に跨るシーナは、氷で生成した弓矢を天へ向け引き放つ。
無数に分裂した氷の矢は、天からサリスに向け降り注ぐ。
「私も」
シーナの援護に続くべくナナは、サリスを覆い隠すように武器の群れを創り出す。
荒れ狂う戦場に無数の煌めきが創造され、シン達とミアリスの対応に追われるサリスに一直線に放たれる。
背後からミアリスの砂の弾丸に、天からの氷の矢、周囲一帯から襲いかかる剣や槍にサリスはなす術なく呑み込まれる。
木々の入り組んだ戦場に、轟音が響き渡る。
サリスに生み出された生い茂る大地は、数多の凶器により破砕され周囲を暴風と共に駆け巡る。
「まだ終わらんぞ、雷公獅子王」
粉塵舞い散る戦場を、巨大な雷の獅子が風と共に駆け抜ける。
雷鳴と閃光を迸らせる獅子は、触れる物全てを焼き尽くしサリスのいる場所へと突き進み、着弾と共に戦場を雷光で支配する。
着弾の瞬間雷鳴が轟き、一瞬の雷撃は周囲から音を消し去る。
静寂が支配する空間で、耳鳴りが残るシン達だが、立ち止まる事をしない。
「くそがぁ!」
一瞬の静寂を打ち破るように、サリスの怒号が発せられる。
だらしなく肥えたサリスの肉体は、氷の矢や剣などにより傷つけられ血を流していた。
だが、その量は多くなくあれ程の攻撃でもサリスを仕留める事は出来なかったのだ。
周辺に雷を迸らせながらサリスは荒く息を吐く。
少なくともダメージを与える事は可能であった。
ミアリスにナナ、シーナ、アイナの連撃は、サリスに一切の反撃を許さなかった。
それは、少なからずサリスの精神にも負担をかけていたのだ。
しかし、アイナ達は驚きを隠せない。
今の連撃に耐えられる人族や魔獣はいないだろう。
しかし、相手は神であるサリスだ。
力のみならず、耐久力は他の生物を圧倒する。
「手を休めるな!」
唯一、神を理解するミアリスは、アイナ達を一喝する。
サリスに行動を与えない事が、勝利する絶対条件だ。
ミアリスの檄に我を取り戻したアイナ達は、再びサリスに攻撃を開始する。
大技は必要ない、そう判断したアイナ達は、サリスの周囲に生まれる岩壁を貫通する事に特化した技を繰り出す。
「ちまちまと煩い奴らだ!」
集中的に狙われながらもサリスは移動をしようとはしない。
小さいが、無視する事の出来ない攻撃を続けられるサリスは、不満を抱え込む。
自分の行動は制限され、一方的に攻撃されるなど、他の者でも我慢はならないだろう。
そんな中、苛立つサリスに、肉薄する者達が現れる。
アイナ達の攻撃を避けながら、サリスに向かっていたシン達が来たのだ。
「虚閃」「魔槍飛燕流5ノ型”蓮華槍”」
先手を切るのはシンとエルリックである。
槍に裂かれた敵の肉体に蓮の花を思わせる魔槍飛燕流の連撃がサリスを襲い、全てを消し去る大鎌が一閃される。
サリスの肉体が、エルリックの持つ純白の槍に斬り裂かれ、シンの持つ漆黒の大鎌に抉り取られる。
「こちらもまだ終わりではないぞ」
シン達の攻撃に続き、サリスに迫るのはミアリスの放つ岩石による礫の嵐である。
シン達の離脱の隙を埋めるように放たれた礫は、サリスにも防御の隙を与えず直撃する。
「次は私よ」
ミアリスの礫が終わると共にサリスへとユナは斬りかかる。
周囲に散らばる大木の残骸を足場に、四方から高速に斬りつけるユナの動きにサリスはついて行く事が出来ない。
次いで迫るのはナナが繰り出す武器の嵐だ。
ユナに渡した刀が刃こぼれを起こした事を見越しての追撃で、サリスはその身をさらに傷つけられる。
ユナはその中に含まれていた新しい刀を手に取り離脱する。
サリスの肉体は見た目とは裏腹に硬度が高い。
これまでに繰り出した斬撃は、手応えがないのだ。
何重にも積み重なった肉を一つ一つ割いていく、そのような感覚を覚えていた。
しかし、サリスにダメージを与えている事は間違いない。
苦痛に顔を歪ませるサリスは、堪えるように歯を食い縛っていた。
そしてその瞳は、シン達に釘付けとなっている。
「神ってのも、案外脆いもんだな」
「人族ごときが神を愚弄するか!」
一撃で与える事の出来る傷は浅いが、少なくともシン達の攻撃は通っている。
シンは、サリスに能力が通じる事が確信でき、その事から挑発に出たシンの思惑にサリスは簡単に引っかかる事となる。
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