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第一章 森の魔女
第2話 師匠は本当にずるいです
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鍋の中では、美味しそうなシチューが、コトコトと優しい音を響かせています。お玉で鍋をかき混ぜる度に、シチューの甘い香りが、フワリと鼻腔をくすぐります。さて、もう出来上がりですね。
僕は、あらかじめ用意しておいた木製のお皿に、シチューを丁寧によそいました。そして、パンの入った籠とともに、テーブルの上へ。
その瞬間、師匠の目がキラリと光りました。
「キター!」
スプーンを手に取り、シチューを勢いよく口の中へ流し込む師匠。出来立てだったので、かなり熱いはずなのですが……。
「熱い! でもおいしい!」
「もう。料理は逃げたりしないんですから、ゆっくり食べてください」
「はーい。うまうま」
僕の言うことも聞かず、がっつくように食事をする師匠。
僕は、自分用のシチューをテーブルの上に置き、師匠の向かい側の椅子に座りました。そして、スプーンを手に取ろうと……。
「ねえ。弟子君」
急に、師匠が僕に声をかけました。
「なんですか?」
「いつも、ありがとね」
ニコリと笑みを浮かべる師匠。気のせいでしょうか。師匠の背後から、キラキラと光が漏れだしているように見えます。
ああ……もう……。師匠は本当にずるいです。
「別にいいですけど。お礼を言うくらいなら、まずは、お菓子の量を控えてください」
「それは断る!」
「なんでですか!」
僕は、あらかじめ用意しておいた木製のお皿に、シチューを丁寧によそいました。そして、パンの入った籠とともに、テーブルの上へ。
その瞬間、師匠の目がキラリと光りました。
「キター!」
スプーンを手に取り、シチューを勢いよく口の中へ流し込む師匠。出来立てだったので、かなり熱いはずなのですが……。
「熱い! でもおいしい!」
「もう。料理は逃げたりしないんですから、ゆっくり食べてください」
「はーい。うまうま」
僕の言うことも聞かず、がっつくように食事をする師匠。
僕は、自分用のシチューをテーブルの上に置き、師匠の向かい側の椅子に座りました。そして、スプーンを手に取ろうと……。
「ねえ。弟子君」
急に、師匠が僕に声をかけました。
「なんですか?」
「いつも、ありがとね」
ニコリと笑みを浮かべる師匠。気のせいでしょうか。師匠の背後から、キラキラと光が漏れだしているように見えます。
ああ……もう……。師匠は本当にずるいです。
「別にいいですけど。お礼を言うくらいなら、まずは、お菓子の量を控えてください」
「それは断る!」
「なんでですか!」
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