大人で子供な師匠のことを、つい甘やかす僕がいる。

takemot

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第一章 森の魔女

第11話 …………やっぱり師匠は師匠でした

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「すでに、一般の業者にも水質調査をお願いしました。ですが……」

「異常がないって言われたんだね」

「はい。それでも、私は、どうにも腑に落ちないのです。だからこそ、あなた方へと依頼を出しました。我が町には、魔女様以上に魔法に精通した方はおりません。魔女様とそのお弟子様であれば、我々が気付かない異変にも気付くことができるのではと考えております。魔女様、お弟子様。どうかこの依頼を受けてはいただけないでしょうか。魔法薬がなければ、町の人々が不便な生活を強いられてしまうのです」

 そう言って、町長さんは深々と頭を下げました。

 魔法薬は、今や多くの人に重宝されています。怪我を治したり、建築に利用したり、食材の毒を中和したり。それが使えないとなると、どうなるかは目に見えて明らかです。

「師匠、どうします?」

「……ふむ。ま、依頼受けようかな」

 師匠は、ニコリと笑ってそう答えました。その言葉に、町長さんの表情が晴れやかになっていきます。

「ほ、本当ですか!? ありがとうございます!」

「なんのなんの。すべて私に任せなさい」

 ドンッと自分の胸を叩く師匠。その姿は、頼もしさの塊と言っても差し支えないでしょう。

 そんな師匠を見て、僕の心はかつてないほど熱くなっていました。これこそ、『森の魔女』としての師匠なのだと。誰もが崇拝してしまうほどの魅力を持った魔女の姿なのだと。

「ところで、町長」

 ああ。本当に師匠はすごいなあ……。

「はい。何でしょう、魔女様」

 こんな師匠だから、僕は……僕は……。

「今回の報酬っていくらになるの? かなり出るって聞いたんだけど」

 …………ん?

「ああ。そうですね。その話もしないといけませんね。えっと、この袋に入っております」

 …………

「こ、こんなに!? うへへ。おいしいものたくさん買えるぞー」

 …………やっぱり師匠は師匠でした。

 町長さんから渡された袋の中を覗き込みながら、ニヤニヤと笑みを浮かべる師匠。心の中の熱さは、いつの間にかなくなっていました。
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