大人で子供な師匠のことを、つい甘やかす僕がいる。

takemot

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第二章 郵便屋さん

第30話 ……せいや!

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「お、このコーヒーおいしいね。ボク、結構好きかも」

「それはよかったです」

 僕の出したコーヒーを飲んで、ニコッと微笑む郵便屋さん。それにしても、自分で選んで買ったコーヒーを褒めてもらえるって結構嬉しいですね。フフフ。

「ところで郵便屋さん。今日はどんな御用ですか?」

 郵便屋さんは、いつも僕たちの所に仕事のお手紙を持ってきてくれます。ですがほとんどの場合、玄関でお手紙を渡して、そのまま帰ってしまうのです。郵便屋さん自身、仕事で忙しい身ですからね。それなのに今日は、家の中に入ってのんびりしています。きっと、何か特別な事情があるのでしょう。

「あー……その前に、魔女ちゃんを起こしてきて。どうせまだ寝てるんでしょ」

 少しだけ迷った様子でそう告げる郵便屋さん。師匠に依頼があるということでしょうか。

「分かりました。ちょっと待っててくださいね」

 僕は、そう言って師匠の部屋へ。

 カーテンの閉められた部屋。薄暗い室内。その床には、足の踏み場もないほど散らばった大量の本。部屋の奥に、師匠の眠る大きなベッド。

「また散らかして……」

 僕は、はあと溜息をつきながら、本を踏まないようにベッドへ。

「師匠、起きてください」

「うーん。むにゃむにゃ」

「……せいや!」

 僕は、掛け布団を勢いよくはがしました。普段はこんな乱暴な起こし方はしませんが、お客さんもいることですし、不可抗力ですよね。え? 前に乱暴な起こし方をしてたじゃないかって? ハハハ。まさか、まさか。

「ふにゃ!?」

「おはようございます。師匠」

「……おはよう。弟子君」

 僕にジト目を向ける師匠がそこにいました。
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