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第三章 旅の魔女
第71話 本気でいきますからね
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僕と師匠が住む家は、『迷いの森』で唯一、太陽の光がさんさんと降り注ぐ土地に建っています。その土地はまあまあの広さがあり、多少そこで暴れたとしても、何の問題もありません。
「私、本気でいきますからね」
「ん。分かった」
距離をとって向かい合う旅人さんと師匠。旅人さんは、どこか緊張した面持ち。ですが、師匠は、とてもリラックスした様子。対照的とはこういった状況のことを言うんでしょうね。
不意に、二人の間を強い風が吹き抜けます。桃色の髪と白銀色の髪が、サッと風に揺らめきました。
「お二人とも、準備はいいですか?」
僕は、少し離れた所で二人に声をかけました。二人が頷くのを確認し、ローブのポケットから杖を取り出します。杖に魔力を込め、空中で四角を書くように動かします。すると、僕の目の前に、透明な壁が現れました。
勝負の前、僕は、攻撃に巻き込まれないようにしなさいと二人に言われていたのです。なにせ、今から勝負するのは二人の魔女。魔法使いの中でも一際優れた女性たち。離れた所で見ているとはいえ、何が起こるか分からないのです。数年前の他国では、戦争で魔女同士が戦う光景を見ることもできたそうですが、戦争が終わった今では、そうそう見られるものではありません。
「では、お二人とも、始めてください!」
僕は、声を張り上げながら、勝負の開幕を宣言しました。
「私、本気でいきますからね」
「ん。分かった」
距離をとって向かい合う旅人さんと師匠。旅人さんは、どこか緊張した面持ち。ですが、師匠は、とてもリラックスした様子。対照的とはこういった状況のことを言うんでしょうね。
不意に、二人の間を強い風が吹き抜けます。桃色の髪と白銀色の髪が、サッと風に揺らめきました。
「お二人とも、準備はいいですか?」
僕は、少し離れた所で二人に声をかけました。二人が頷くのを確認し、ローブのポケットから杖を取り出します。杖に魔力を込め、空中で四角を書くように動かします。すると、僕の目の前に、透明な壁が現れました。
勝負の前、僕は、攻撃に巻き込まれないようにしなさいと二人に言われていたのです。なにせ、今から勝負するのは二人の魔女。魔法使いの中でも一際優れた女性たち。離れた所で見ているとはいえ、何が起こるか分からないのです。数年前の他国では、戦争で魔女同士が戦う光景を見ることもできたそうですが、戦争が終わった今では、そうそう見られるものではありません。
「では、お二人とも、始めてください!」
僕は、声を張り上げながら、勝負の開幕を宣言しました。
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