大人で子供な師匠のことを、つい甘やかす僕がいる。

takemot

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第四章 戦花の魔女

第97話 戦花の魔女

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 私が十二歳になった頃。初めて戦場というものを経験した。血と煙の入り混じったあの匂いは、思い出しただけで吐き気を催す。

 うめき声をあげる人。よく分からない言葉を大声で叫ぶ人。そして、見飽きるほどの死体の山、山、山。

 戦場で、私は、ただひたすらに魔法を放ち続けた。ほうきで飛び回りながら魔力の塊を飛ばし、燃え盛る炎で地を焼き、敵から攻撃が飛んで来た時は壁を作ってそれを防ぐ。本当に、無我夢中だった。私のせいで、一体どれほどの人が怪我をしたのだろうか。どれほどのひとが亡くなってしまったのだろうか。考えたくもない。

 戦場から生きて帰ると、また次の戦場に送られる。その繰り返し。何度も何度も戦場へ行き、その度にかろうじて生きて帰る。休む暇なんてなかった。

 私に転機が訪れたのは、大規模な作戦が決行された日。作戦が相手に見破られ、味方は全滅。戦場で、私一人が取り残された。敵は数えるのも嫌になる数。死を覚悟した私は、魔法で周囲に大爆発を引き起こした。運がよかっただけなのか、それとも神様のいたずらというやつなのか。私は、瀕死の重傷を負いながらも生き永らえることができた。

 そんなことがあってから、周囲の人たちは、私のことをこう呼ぶようになった。『戦花の魔女』と。

「お、戦花の魔女がご帰還なされたぞ」

「今日も大活躍だったんだってな」

「次も頼りにしてるぜ」

 戦場から帰る度、次々と投げかけられる言葉の数々。それらは、全てが私のことを称賛、あるいは認めるものばかり。

 私は、自分がもう大人になれたのだと考えるようになった。
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