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第四章 戦花の魔女
第106話 あんなことがあったのに
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「そういえば、魔女ちゃんは、どうやってお金稼ぎしてるの?」
「魔法関係の物品修理かな。町の大通りで」
「ふむふむ。魔女ちゃんなら、ガッポガッポ稼いでそうだね」
「そんなことないよ」
そもそも、大通りでの商売で収入が安定するわけがない。収入ゼロなんて日もよくある。ちなみに、今の貯金額は……考えたくもない。
「どこかに就職とかは考えないの? ほら。魔女ちゃんって今十六歳でしょ」
「考えたこともあるけどね。でも、どうにも気が進まなくて。まあ、私は、一人でのんびりやってる方が性に合ってるんだよ」
「…………」
無言でじっとこちらを見つめる彼女。もう彼女は気がついているのだろう。私にとって、軍での出来事がトラウマになっていることに。集団の中にいることが恐怖でしかないことに。
「お金が稼げて、かつ一人でのんびりやっていけるような仕事。あなた、知らない?」
私は、わざと明るい声を出しながらそう言った。別に、本気でそんな仕事があるかどうかを聞いているのではない。彼女が向ける無言の視線から解放されるための、ただの冗談だ。
私の言葉に、彼女は、「……え」と小さく声を漏らした。その目は大きく見開かれ、体はピクリとも動かない。そして、数秒後、「ニヒヒ」とよく分からない笑い声を上げ始めた。
「えっと……どうしたの?」
「ニヒヒヒヒ」
「お、おーい」
「ニヒヒヒヒヒヒ」
本当にわけが分からない。冗談とはいえ、私は何か変なことを言ってしまったのだろうか。いや、もしかしたら、彼女は、私の発言に呆れすぎておかしくなってしまったのかも。
「あんなことがあったのに、またボクを頼ってくれるなんて……」
「ん? それ、どういう……」
「ううん。何でもない。そんなことより、『お金が稼げて、かつ一人でのんびりやっていけるような仕事』だったね」
彼女は、続けてこう言った。顔に満面の笑みを浮かべながら。
「大丈夫! ボクに任せて!」
「魔法関係の物品修理かな。町の大通りで」
「ふむふむ。魔女ちゃんなら、ガッポガッポ稼いでそうだね」
「そんなことないよ」
そもそも、大通りでの商売で収入が安定するわけがない。収入ゼロなんて日もよくある。ちなみに、今の貯金額は……考えたくもない。
「どこかに就職とかは考えないの? ほら。魔女ちゃんって今十六歳でしょ」
「考えたこともあるけどね。でも、どうにも気が進まなくて。まあ、私は、一人でのんびりやってる方が性に合ってるんだよ」
「…………」
無言でじっとこちらを見つめる彼女。もう彼女は気がついているのだろう。私にとって、軍での出来事がトラウマになっていることに。集団の中にいることが恐怖でしかないことに。
「お金が稼げて、かつ一人でのんびりやっていけるような仕事。あなた、知らない?」
私は、わざと明るい声を出しながらそう言った。別に、本気でそんな仕事があるかどうかを聞いているのではない。彼女が向ける無言の視線から解放されるための、ただの冗談だ。
私の言葉に、彼女は、「……え」と小さく声を漏らした。その目は大きく見開かれ、体はピクリとも動かない。そして、数秒後、「ニヒヒ」とよく分からない笑い声を上げ始めた。
「えっと……どうしたの?」
「ニヒヒヒヒ」
「お、おーい」
「ニヒヒヒヒヒヒ」
本当にわけが分からない。冗談とはいえ、私は何か変なことを言ってしまったのだろうか。いや、もしかしたら、彼女は、私の発言に呆れすぎておかしくなってしまったのかも。
「あんなことがあったのに、またボクを頼ってくれるなんて……」
「ん? それ、どういう……」
「ううん。何でもない。そんなことより、『お金が稼げて、かつ一人でのんびりやっていけるような仕事』だったね」
彼女は、続けてこう言った。顔に満面の笑みを浮かべながら。
「大丈夫! ボクに任せて!」
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