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17話☆再会
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会場は広い体育館でリングが4つも設置してある。関東でプロレスをやってる高校生はこんなにいるのかと周りを見渡す。
交流試合を始める前に開会式があるので、各グループで固まって整列する。私は早めに咲来と別れて集合場所に向かった。
高山美優。こんなに早く戦うチャンスが来るなんて。1年生にして南関東大会ベスト4。全国まであと一歩のとこまで進み、来年は確実だろうと言われている。
格上だとわかってるけど、負けたくないし負けるつもりもない。トップ選手と戦えていい経験になったなんて納得の仕方は嫌だ。今日ここで勝つんだ。
でも気になったのは高山美優だけじゃない。Fグループには見慣れた名前もあったからだ。
「桜!」
「陽菜!?やっぱり陽菜だったんだ!久しぶり!」
"聖華女子学園高校 1年 三浦桜"
中学時代のチームメイトで、女子プロレス部で一番仲が良かった桜が同じグループだった。
「久しぶりー!桜、なんか背伸びた!?」
「ふふっ、そんなに変わってないよ。陽菜、元気そうでよかった」
見た目ではわからないけど、抱きつくと無駄のない鍛えられた身体であると感じる。前はもう少し背も低かったと思うんだけど。相変わらず少しだけ茶髪っぽいボブがよく似合っていた。
私が聖華女子で女子プロレス部を辞めようとしていた頃、周りの風当りはきつかった。でも桜だけはずっと私の味方でいてくれた。
「うん。あの、ごめんね。あの時心配させちゃったね。でも、今はもう大丈夫!」
「そっか」
全部知っている桜はそれ以上その話には触れなかった。その気遣いもありがたかった。
「都大会で陽菜の名前見て、もしかしてって思ってたけど、やっぱり陽菜だったんだ」
「そうだ、私ね、女子プロレス部作ったんだよ!最初は一人だったんだけど、今は2人になって。今回は初心者の部で出てるんだけど、後で紹介するね!」
「よかった」
ふいに桜の表情が穏やかになった。
「え?」
「陽菜があのままプロレス辞めちゃうんじゃないかって思ったの。小学生の頃からずっとやりたかったって言ってたから、強くてセンスもあるのにあんな形で辞めちゃうのは、何だかもったいないっていうか、寂しいなって思って」
「桜…」
桜はいつもそうだ。私以上に私のことを心配してくれる。心優しい子なんだ。数年前のことをまだ気にかけていて、元気な姿を見ると喜んでくれる大切な友達だ。ほんとうに。
「ありがとう」
「ううん。でも陽菜なら大丈夫だって気持ちもあって、ほんとに元気そうでよかったよ」
「うん。ありがとう。久しぶりに会えて試合もできるし、もう楽しみ過ぎる!」
「今日は負けないよ。鈍ってるなんて言い訳聞かないからね。あ、そういえばさ、今日の組、高山美優と一緒だよね」
「そうそう。でも、まだ来てないのかな…」
そう言って周りに目を向けるとこっちに歩いてくる人に目が留まる。長身、長髪の人。この前リングの上にいたのを見た、あの人だ。
近くで見るとやっぱり背が高い。165以上ありそう。すらっとしているようで体つきは華奢ではない。鍛えられた身体だ。
「高山さん、だよね?同じFグループの三浦です、よろしくね」
「はい、高山です。よろしくお願いします、三浦さん」
何か思ったのと違う。同級生に敬語使うタイプの人?なのかな。こういう喋り方なのか真面目なのか、いや、育ちも良さそうだ。
「私もFグループなの。前田です、よろしくね」
「存じ上げています。戦えるの楽しみにしてました。よろしくお願いします」
え?思わず高山美優の顔をまじまじと見てしまう。一体何なんだ、この人は。
交流試合を始める前に開会式があるので、各グループで固まって整列する。私は早めに咲来と別れて集合場所に向かった。
高山美優。こんなに早く戦うチャンスが来るなんて。1年生にして南関東大会ベスト4。全国まであと一歩のとこまで進み、来年は確実だろうと言われている。
格上だとわかってるけど、負けたくないし負けるつもりもない。トップ選手と戦えていい経験になったなんて納得の仕方は嫌だ。今日ここで勝つんだ。
でも気になったのは高山美優だけじゃない。Fグループには見慣れた名前もあったからだ。
「桜!」
「陽菜!?やっぱり陽菜だったんだ!久しぶり!」
"聖華女子学園高校 1年 三浦桜"
中学時代のチームメイトで、女子プロレス部で一番仲が良かった桜が同じグループだった。
「久しぶりー!桜、なんか背伸びた!?」
「ふふっ、そんなに変わってないよ。陽菜、元気そうでよかった」
見た目ではわからないけど、抱きつくと無駄のない鍛えられた身体であると感じる。前はもう少し背も低かったと思うんだけど。相変わらず少しだけ茶髪っぽいボブがよく似合っていた。
私が聖華女子で女子プロレス部を辞めようとしていた頃、周りの風当りはきつかった。でも桜だけはずっと私の味方でいてくれた。
「うん。あの、ごめんね。あの時心配させちゃったね。でも、今はもう大丈夫!」
「そっか」
全部知っている桜はそれ以上その話には触れなかった。その気遣いもありがたかった。
「都大会で陽菜の名前見て、もしかしてって思ってたけど、やっぱり陽菜だったんだ」
「そうだ、私ね、女子プロレス部作ったんだよ!最初は一人だったんだけど、今は2人になって。今回は初心者の部で出てるんだけど、後で紹介するね!」
「よかった」
ふいに桜の表情が穏やかになった。
「え?」
「陽菜があのままプロレス辞めちゃうんじゃないかって思ったの。小学生の頃からずっとやりたかったって言ってたから、強くてセンスもあるのにあんな形で辞めちゃうのは、何だかもったいないっていうか、寂しいなって思って」
「桜…」
桜はいつもそうだ。私以上に私のことを心配してくれる。心優しい子なんだ。数年前のことをまだ気にかけていて、元気な姿を見ると喜んでくれる大切な友達だ。ほんとうに。
「ありがとう」
「ううん。でも陽菜なら大丈夫だって気持ちもあって、ほんとに元気そうでよかったよ」
「うん。ありがとう。久しぶりに会えて試合もできるし、もう楽しみ過ぎる!」
「今日は負けないよ。鈍ってるなんて言い訳聞かないからね。あ、そういえばさ、今日の組、高山美優と一緒だよね」
「そうそう。でも、まだ来てないのかな…」
そう言って周りに目を向けるとこっちに歩いてくる人に目が留まる。長身、長髪の人。この前リングの上にいたのを見た、あの人だ。
近くで見るとやっぱり背が高い。165以上ありそう。すらっとしているようで体つきは華奢ではない。鍛えられた身体だ。
「高山さん、だよね?同じFグループの三浦です、よろしくね」
「はい、高山です。よろしくお願いします、三浦さん」
何か思ったのと違う。同級生に敬語使うタイプの人?なのかな。こういう喋り方なのか真面目なのか、いや、育ちも良さそうだ。
「私もFグループなの。前田です、よろしくね」
「存じ上げています。戦えるの楽しみにしてました。よろしくお願いします」
え?思わず高山美優の顔をまじまじと見てしまう。一体何なんだ、この人は。
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