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しおりを挟む「閣下、貴方は今、何故魔力を摂取する必要性に疑問をお持ちでしょうが……。えーっと、結論言いますとね、閣下の現在のお身体は以前とは違い魔族の血が入っております。」
……今なんと?
「流石に驚きますよね。私も驚きました。……だって今までそんな事例がありませんでしたから。」
私は改めて自身の身体を確認してみる。
見た感じ、以前と違ったところは見受けられない。
「……っこほん、話が逸れましたね。えっと、閣下があの出来事のせいで重体を負った時に、まず聖女様が閣下の止血をしてくださったらしいです。ですが、止血は無事できたものの出血量が多くて……。そこで、魔王様が血を閣下に流して循環させたのです。もう凄いですよ!こんなことができるなんて、今医療学会ではもうその話題で持ちきりに――」
はっ!、またやってしまった……とアログナは言う。
「おっと、またしてしまいました。失礼。魔王様が行った仕組み、それはですね……まず、自分の掌と相手の掌に切り傷を入れます。」
ほらココに、とアログナは私に掌を見せつけて切り目を入れる仕草をする。
「浅く切るのではなく、おもいっきりパスっと深くですよ。じゃなきゃ意味がありませんから。……でも魔王様、よく出来ましたね。マガリエットに……それも瀕死相手に。……あっ、皮肉ではありませんよ!」
掌を切る……
確かに思い切りがないとできませんね……
私では思い止まってしまうでしょう……
それに、マガリエット……確か、あの花の名前でしたね……
私はベッドの上に置かれている花を見渡す。
そして、魔王様に視線を移す。
彼は、ただ私のことを観察し見つめていた。
私の顔色を伺っているような、そんな表情で。
……勝手にして悪いと思っているのでしょうか。
そんなこと、思うわけないというのに……
貴方には感謝しかない。
これで2回も貴方に救われたのですよ……
私は彼を安心させるため、彼に微笑みかける。
「お互いの掌、しかも両方の掌を切ったらですね……お互いの手を合わせます。両手繋ぎ。それに、隙間なくピッタリとですよ。そして、相手に血を流す、魔力を流すイメージで相手に流します。」
彼女は自身の両掌をくっつけて、うぬぬぬ……と念じているような仕草をする。
「これで血液を循環させて、出血した分を補うことができます。が、ただし、成功するには幾つか条件があります。」
ここが大事なんです!と胸を張って彼女は言う。
そして、人差し指で 1 と表す。
「1つ目、流す者が魔族であること。相手に血を流すなんて、そんな器用なこと他種族は非常に難しいでしょう。訓練すればできる……かもしれませんが。」
続いて人差し指と中指で 2 と表す。
「2つ目、魔力の相性がいいこと。そもそも相性が悪いと拒絶反応を起こし、2人とも苦しむ羽目になります。それも長い間。粘液には魔力が多く含まれております。血を瀕死の相手に流すということは魔力も流れる。しかも血を循環させるためにしているので、相手に流した血は自分にかえってくる。そう、自分にも相手の血も魔力が体内に入るのですよ。」
私はそれを聞いて心配になり、彼の身体をあれこれ目で確認していく。
私の身体は拒絶反応なんて起こしてないみたいだから……
彼も大丈夫なの……ですよね……
本人は、私が忙しなく目で確認しているのを見て、ただ嬉しそうに微笑んでいるだけだった。
「うふふっ。お二人は心配ないですよ。マガリエットなんですから。」
……またマガリエットが出ましたね。
いったいどういう意味がある花なのでしょうか?
魔力が関係してそうですが……
……調べようにも、この前魔王様に止められたし……どうしましょう。
「そして、3つ目。」
彼女はさらに一本指を追加して 3 と表す。
「1つ目と2つ目、両方の条件が同時に揃っていることです。これは閣下のような相手が長期治療の場合です。短期の患者でしたら、魔力の相性が良いことを1番に注意すればいいだけです。」
ですが!っと彼女は言う。
「閣下は少しずつ長期間治療を行いました。そのような方には、眠っている間の世話がとても大事になります。閣下、あなたは5年間も寝ていたのですよ。しかも飲まず食わずで。しかも、リハビリなしで動き回れる……。普通の人間だったら不可能なことです。」
そういえばそうでした。
「そうですね……。そういえば、目が覚めてから動いても身体が少しこわばっていただけで動けました。これも、魔王様の血のおかげでしょうか?」
「はい。魔王様の血、つまりは魔力で生きる魔族の血を馴染ませ、魔力で生きていけるようにしたのです。なので、閣下のお身体は半分魔族となっている状態ですね。」
えっ?
そうなると……
「魔王様も半分人間になってしまわれた……のですか?」
「えっ?あぁ、ややこしい言い方しましたね。魔王様は魔族のままですよ。魔族の血は人間よりも強いと言いますか……魔族の血は人間のを魔族のにする力があるのです。魔王様の体内にあった閣下の血は魔族の血となり今頃馴染んでいることでしょう。ですから、閣下は血だけでいったら魔族なのですよ。なんなら血液検査しましょうか?」
「……お願いします」
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