秘密の男装令嬢は貴族学校へ行く

ミント

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日常の変化

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朝は起きたら顔を洗い着替える。
さらしも巻いて上着も着て……
鏡に映る姿は兄のリアムそっくりの私だ。
「今日も頑張るよ。」
と鏡に向かって言う。

カバンを持って部屋を出ると、カイルが迎えに来ていた。
「おはよう!朝食を食べてから学校へ行こうぜ。」

そしてここにキースが加わり食堂で朝食を食べてから3人で学校へ向かう。
10分の距離だが、3人で歩きながらの登校はなんだかんだで楽しい。


教室へ入るとクラスメイトが、
「カイル、キース、リアムおはよう!」
と今では普通に挨拶を掛けてくれる。

担任の先生もはじめこそ心配していたようだが、最近は安心してみているようだ。

授業は毎日面白い。
誰かと一緒に勉強する境遇では無かったので、とっても新鮮だ。
魔法の授業はまだだけど、剣術や乗馬の授業があるのが嬉しい。
伯爵領内で個人レッスンは受けていたけれど、やっぱり学校でやるのは違うからね。

お昼を食べて午後の授業を受ける。


因みにハルトとはここまでほとんど接点なし。
そして放課後に魔法訓練施設へ行くと彼はいるのだ。
私が行くまでは彼は高度な魔法の技をコントロールする調整を行っているようだった。
そして私は1日1個を覚えたり、コントロールの練習に励みます。

こんな毎日を送るの
が習慣になっています。


魔法の授業はいつ受けられるんだろうか?
と思い始めた頃、
ある日担任のフェイン先生から呼び出しがあった。


「リアム、お前何かしたのか?」
心配そうにカイルが言う。
「いや、特に覚えは無いけれど…ちょっと行ってくるね。」
そう言って先生のいる部屋へ向かう。

途中、廊下でハルトとすれ違う。
「心配するような事じゃないよ。」
と一言言われた。
私、そんなに心配そうな表情してたのかな?


でもハルトは私が呼び出された内容を知っているのかもしれない。
って瞬間的に思った。
「失礼します。アラン・リアムです。」
ドアの前で声をかけると、
「入って。」
と短い返事が返ってくる。
ドアを開けると、奥の方に机が見え、そこに先生が忙しそうに書き物をしながら座っていた。
「呼び出して悪かったね。すっかり君の適正テストをするのを忘れていてね、先日ライン君が教えてくれたんだよ。君が魔力持ちだって。」
「ハルトが?」
「そうだよ。なんでも、君も最近まで知らなかったんだって?」
「はい。ここに来てハルトに教わってはじめて知りました。」
「じゃあまだ初心者だね。因みにうちのクラスではライン君だけだよ。だから君もライン君と一緒に別授業が加わるからね。」
「はい!ありがとうございます。よろしくお願いします!」

「早速だけど、今日の終わりの授業で2人は魔法訓練施設へ来てくれ。」
「わかりました。よろしくお願いします。」



教室へ戻ると、カイルが来た。
「なんだったんだ?」
キースも気になるらしく頷いている。
「えっと、僕魔力があるらしくて、今日から魔法訓練施設へ行くことになったんだよね。その話だったよ。」
「えっ?リアム魔力持ちなの?」
とキース。
「お前そっち側の人間だったのか!」
とカイル。
「カイル、それ何?そっち側の人間って。」
そう言うと、
「そりゃあれだよ、エリートコースの人間って意味だよ。魔力持ちは特殊だからね。ラインと一緒。」
「そうやって線引きしないでくれる?僕は僕で変わりないんだから。」
そう言うと、
「そうだよな。悪かったよ。」
って謝ってくれた。

でもカイルがそういう位、魔力持ちは特別なんだって事がわかった。
だからハルトは別格扱いだったのかな?
なんだかとんでもない事になってしまったな。

そう言えば、私とリアムは双子だけど…リアムに魔力は無いのかしら?
ふと思ったけど…確かめる術が無いわね……。
午前中の授業が終わった時、急いでハルトに話しかける。じゃないとすぐに居なくなるから。
「さっきはと言うか、先生に話してくれてありがとう。今日から授業に参加させてもらうのでよろしくお願いします。」
一気に要件を言う。
「あぁよろしく。」
安定の短い返答です。
魔法訓練施設では結構話してくれていると思うんだけど…多分あっちがレアなんだろう。



お昼をカイル達と食べる。
「リアムは魔法何使えるんだ?」
と興味津々な2人。
「えっと、光る球が作れたり空を飛ぶとか、最近は火と水を出すところまでかな?」
「すごいな。」
「ってかリアムは最近魔法使えるって知ったんじゃ無いのか?なんでそんなに使えるんだ?」
キースが鋭いツッコミを入れてきた。

「実はハルトに教わったんだ。」
そう言うとやっぱり驚いた顔をされた。
そして出会いから今に至るまでを説明する嵌めになった。



「俺達が1番に友達になったかと思ったらラインに先越されていたんだな。」
何故かカイルがちょっと寂しそうに言う。
「そんなの関係ないよ。僕にはカイルもキースも大事な友達だよ。」
笑顔を込めて伝えると、
2人ば顔を赤くして、
「そか。わかったよ」
「うん。ありがとう」
って納得した返事?をいただけたようです。
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