成瀬 慶 140字小説

成瀬 慶

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何度も合コンに誘う同僚
俺に彼女がいない事を
一応、心配して毎回誘う
「俺が
お前好みの女の子を揃えるから
タイプ聞かせて」
俺はしばらく考えて
話し始める
「性格は
一見、気が強いけど
本当は弱くて
寂しがりやなくせに
甘え下手で
でも、気を許すと甘えたがりで
頑張ってる人が好き」

【続く】

聞き手の同僚は
「妙にリアルだな・・・」
そう言いながら
はなしを続けて聞く
「背はおでこが俺の胸につくくらいで
150センチくらいかな?
抱きしめたときに包み込めて
下から見上げられたら
可愛いなって素直に思う
髪の毛は
ショートカット
後ろから見た時の
耳から首筋が好き」

【続く】

「ベッドに入るときは
少し灯りをつけたい
恥ずかしがるかもしれないけど
そんな顔も見たいから・・・
何回も長いキスがしたい
手を繋ぎながら
体に触れながら
抱きしめながらしたい・・・
体が細いのに
柔らかくて
ムニュッとしたマシマロのような質感で・・・」

【続く】

「胸は僕の手のひらにおさまるくらいがいい
その子の手では
少しだけ
溢れてしまうくらいの大きさで
隠そうとしたら
少しはみ出る感じ
たまらなく可愛いよね!
俺が愛すると
声がこぼれてしまわないように
我慢するけど
不意に出てしまうと
顔を赤らめて
照れ隠しで
キスしたりして」

【続く】

「最後には
抱きしめて
抱きしめられて
一つになって
幸せを共有できたら良いな~と思う
今朝みたいに・・・
だけど
取引先の女の子と昼飯食っただけでもプンプンするような
おこりん坊さんで
合コンとか行くと
絶対に怒るからさ
そんな話があるって聞いただけでも怒る
だから
行かないようにしてる」

【続く】

「でも
いつもバレバレだからさ
嘘はつかないけどさ
その後が拗ねて厄介だろ?
そんな女の子が好きなんだ」
そんな僕の話を聞いた同僚が
「それって
対象者いるよな?」
そう言って
あきれ顔で
俺の視線を追い
後ろを振り返る
そこには

【続く】

ショートカットで
背の低さを8センチのヒールでごまかす
気の強い女性上司がにらみをきかせていた
彼女はこちらを見て
「何?」
不機嫌に言う
「何でもないですよ」
僕がニヤリと笑うと
「今のはなし、聞いてました?」
勘のいい同僚が
からかうように聞くと

【続く】

「今、仕事中
仕事しないなら帰りなさい」
そう言って顔を真っ赤にして
俺をにらむ
同僚は
彼女と俺の間で
不敵な笑いを浮かべる
「そっか
俺が心配することはなさそうだな」
そう言って
もう
合コンに誘うことはなくなった
そして
その日のはなしは
それ以上
誰にも言わなかった
俺たちが結婚するまでは・・・

【完】

【narusegoto】
社内恋愛
上司㊛部下㊚
会社ではシャキッと肩肘張って頑張る彼女は
彼と二人きりになると
甘々になる
そんなギャップが可愛いですね
主人公はきっと
誰かに知ってほしかったのでしょうね
”彼女は俺のもの”だって!!
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