冷徹公爵様にお決まりの「君を好きになることはない」と言われたので「以下同文です」と返したら「考え直してくれ」と懇願された件について

望月 或

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◆初夜やり直し編◆

3.気持ち良くなって *

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 心の中で叫んでいる間も、ヴァルフレッド様の手は止まらない。胸の先端を二本の指で擦り上げ、時折爪で弾かれる。秘部に潜り込んでいる手は、割れ目の中に二本の指を入り込ませクチュクチュと掻き回され、同時に上部にある小さな肉芽を摘まれた。

 私の叫ぶような嬌声は、恍惚な表情を浮かべるヴァルフレッド様の唇によって塞がれ、彼の口の中に消えていった。


「ん、んん……ッ!」


 胸と秘部に感じる快楽と共に、何かがグングンと迫り上がってくるのを感じた。


「…………ッッ!!」


 あっという間にソレは脳裏で激しく弾け飛び、視界が真っ白になる感覚に囚われた。
 陸に打ち上げられた魚のようにビクビクと身体が大きく痙攣し、反り返る。
 初めての衝撃に痙攣が続き、暫く動けなかった。


「……達したな、アディル。俺の手で……。ふふっ、君のその表情、すごく堪らないな……」


 唇を離し、呆ける私を見つめ満足そうに笑みを漏らしたヴァルフレッド様は、秘部から指を引き抜くと、そこにたっぷりと付いている愛液を舐めた。
 思わず愕然としてしまった私に見せつけるかのように、彼は指に付いている愛液を全て舐め取ると、私の服を脱がそうとワンピースに手を掛けてきた。


「……っ!!」


 私はイッた余韻で気怠い身体を無理矢理動かし、バッと起き上がると勢いのままヴァルフレッド様に抱きつく。


「っ!?」


 ヴァルフレッド様は尻餅をつき驚きながらも、私を胸の中に抱き留めた。
 


 ……頭の片隅でずっと考えていたのだ。彼の行動を阻止する方法を。
 そして、思い付いた。


 彼のイチモツ――いや、この国で最大の“推し”であり旦那様である彼の大事な部分をイチモツなんて言うのは無礼にあたる。
 敬意を払って、彼の分身であるソレを『ヴァル様』とお呼びすることにしよう。


 そのヴァル様の“精”を全て解き放ち、力を失わせて鎮めさせればいいと……!!


 男性は、通常は一晩に一回しか射精出来ないと聞く。
 オトナの女性向けの小説だと、攻めは絶倫で一晩中出来る設定が多いが、それは体力と筋力があるからだ。

 ヴァルフレッド様はこの国で一番の魔導師だ。魔導師は前線で戦う者達に守られながら、後方から魔法で攻撃する。
 よって、体力や筋力は鍛える必要性がない。イコール、体力が無い。

 ヴァルフレッド様は暇さえあれば書物を読んでいたと言っていたので、確実に体力と筋力が無いだろう。
 見た目からして、長身だけどスラッと細いし。


 それにBLの世界で言えば、彼のお顔はまさしく“受け”のそれなのだ……!
 美麗な顔立ちで睫毛が長いし、神秘的で綺麗な瞳だし、何より腰まで届くサラサラの長髪だし!
 “受け”が絶倫なんて聞いたことがないし!


 ――よって、彼の射精は一晩に一回しか出来ないと推測する。
 だから強制的にヴァル様から放出してしまえば、“初夜のやり直し”は無しとなり、今夜はムダ毛のことは気にせず安心して快眠出来るという訳だ。

 明日、ヴァルフレッド様がお仕事で出掛けている間に、じっくりとムダ毛処理しよう……。


「ヴァルフレッド様、私も貴方を気持ち良くさせたいです」
「アディル……?」


 怪訝な表情を浮かべたヴァルフレッド様から少し後ろに下がると、身を屈める。
 そして、未だ尻餅をついている格好でいる彼のスラックスを、下着ごと太腿の上辺りまで下げた。

「アディル!?」

 頭上からの驚愕な声音と共に、ヴァルフレッド様のヴァル様が、ヒョコンッとその神々しい姿をお見せになられた。


 ……まあぁ……こんなに立派に……大きくなられて……。
 お顔に似合わず、大層なモノをお持ちですこと……。


 天に向かってズンと反り勃っている巨大なヴァル様に、私は思わず恐れをなしてしまう。

 けれどゴクリと唾を呑み込むと、意を決して頭を下げ、大きく口を開けるとヴァル様の先端を咥えたのだった。



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