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第1章「ジョニー、自殺する」
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リックは殴られたのに平然と立っている俺を見て、不思議そうに首をひねった。
「――次は俺の番だな!」
俺が今までの恨みを込めて、思いっきりリックの腹を殴った。
「ウッ…!」
リックがかすかにうめき声をあげ、顔をしかめた。
「調子に乗りやがって………!」
リックはいきなり、俺の鼻頭を殴りつけた。
普通なら鼻がつぶれて、顔が血で染まるはずだった。
だが、俺は何食わぬ顔で、じっとリックを見つめて立っている。
「いきなり顔を殴るかよ!だったら、俺もそうさせてもらうぜ!」
今度は俺がリックの鼻に思いっきり一撃を喰らわせた。
非力な俺のパンチだったが、リックの鼻がひしゃげ、真っ赤な鼻血が噴出した。
「痛てぇじゃねぇか、このくそったれがッ!!」
リックは息を切らしながら右手の甲で鼻血を拭うと、俺に殴りかかった。
リックの拳が俺の右目に食い込んだ。
リックの経験上、今までどんな屈強な喧嘩相手も、目玉を潰せば泣きながら地面を転げまわった。
だが、俺は平然と涼しい顔で、自分の右目に食い込んだ拳を左目で見ていた。
「ひっでぇなあ!今度は目かよ!反則だぜ!それでも元プロレスラーか」
俺の顔には、うっすらと笑みさえ浮かべていた。
それからは、俺はずっとボディーブローだけを打ち続け、徐々にリックの体力を奪っていった。
ボディブローがじわじわと効いてきて、リックの顔が醜く歪んでくる様子を俺は冷静に観察していた。
「どうした、どうした!重労働を終えたような顔つきをして。さすが元三流プロレスラーだ。演技が達者だぜ」
「う、うるせぇ!」
リックがその丸太のような脚を振り回し、俺に蹴りつけた。
だが、俺の身体はその場から1ミリも動かなかった。
「殴り合いって言ったくせに、卑怯よ!」
マリーがリックを非難したが、俺は手を振りながら笑った。
「いいさ、マリー。ハンデだよ。でないと、逃げちまうだろ」
もうランチタイムはとっくに終わっていたが、社員食堂にいた者は誰一人その場を離れなかった。
全員、固唾を飲んでリックと俺の決闘を見守っていた。
「リ、リックさん!いつまでも遊んでないで、そろそろケリつけてくれよ!」
カートが不安げにそう言うと、テーブルの上でファイティングポーズを取っているリックが苛立たし気に怒鳴った。
「うるせぇ!外野はすっこんでろ!!」
とっくの昔に、リックはマジになり、俺を殺す気で殴っていた。
だが、いくらリックが本気で殴りつけても、俺はよろめきさえしない。
いくら俺のパンチがひ弱だとはいえ、リックはもう40発以上も殴られている。
腹に加わる衝撃が次第に耐えがたいものに変わり、胃がムカついて吐きそうになってきた。
「―――そうか!てめぇ、防弾チョッキを着こんでるだろう!」
正視に堪えないほど凶暴な顔で、リックは俺を睨みつけた。
俺はやれやれと首を振ると、シャツをまくり上げて、自分の腹を見せた。
恥ずかしながら、全く鍛えていない、腹筋のひとつもついていない青白い腹が現れた。
「なんでぇ、イチャモンつけだしたぜ」
「普段いばってやがるが、とんだ見かけ倒しか」
周囲で二人の決闘を見ていた見物人からそんなあざけり声が聞こえてきた。
「うおおおおおおおッ!!」
リックは凶暴な絶叫をあげ、遂に俺に飛びかかった。
リックは俺をテーブルの上に押し倒し、馬乗りになった。
そして、二人を結んでいた鎖を俺の首に巻きつけ、思い切り引っ張った。
「バカにしやがって!殺してやる!!」
「――次は俺の番だな!」
俺が今までの恨みを込めて、思いっきりリックの腹を殴った。
「ウッ…!」
リックがかすかにうめき声をあげ、顔をしかめた。
「調子に乗りやがって………!」
リックはいきなり、俺の鼻頭を殴りつけた。
普通なら鼻がつぶれて、顔が血で染まるはずだった。
だが、俺は何食わぬ顔で、じっとリックを見つめて立っている。
「いきなり顔を殴るかよ!だったら、俺もそうさせてもらうぜ!」
今度は俺がリックの鼻に思いっきり一撃を喰らわせた。
非力な俺のパンチだったが、リックの鼻がひしゃげ、真っ赤な鼻血が噴出した。
「痛てぇじゃねぇか、このくそったれがッ!!」
リックは息を切らしながら右手の甲で鼻血を拭うと、俺に殴りかかった。
リックの拳が俺の右目に食い込んだ。
リックの経験上、今までどんな屈強な喧嘩相手も、目玉を潰せば泣きながら地面を転げまわった。
だが、俺は平然と涼しい顔で、自分の右目に食い込んだ拳を左目で見ていた。
「ひっでぇなあ!今度は目かよ!反則だぜ!それでも元プロレスラーか」
俺の顔には、うっすらと笑みさえ浮かべていた。
それからは、俺はずっとボディーブローだけを打ち続け、徐々にリックの体力を奪っていった。
ボディブローがじわじわと効いてきて、リックの顔が醜く歪んでくる様子を俺は冷静に観察していた。
「どうした、どうした!重労働を終えたような顔つきをして。さすが元三流プロレスラーだ。演技が達者だぜ」
「う、うるせぇ!」
リックがその丸太のような脚を振り回し、俺に蹴りつけた。
だが、俺の身体はその場から1ミリも動かなかった。
「殴り合いって言ったくせに、卑怯よ!」
マリーがリックを非難したが、俺は手を振りながら笑った。
「いいさ、マリー。ハンデだよ。でないと、逃げちまうだろ」
もうランチタイムはとっくに終わっていたが、社員食堂にいた者は誰一人その場を離れなかった。
全員、固唾を飲んでリックと俺の決闘を見守っていた。
「リ、リックさん!いつまでも遊んでないで、そろそろケリつけてくれよ!」
カートが不安げにそう言うと、テーブルの上でファイティングポーズを取っているリックが苛立たし気に怒鳴った。
「うるせぇ!外野はすっこんでろ!!」
とっくの昔に、リックはマジになり、俺を殺す気で殴っていた。
だが、いくらリックが本気で殴りつけても、俺はよろめきさえしない。
いくら俺のパンチがひ弱だとはいえ、リックはもう40発以上も殴られている。
腹に加わる衝撃が次第に耐えがたいものに変わり、胃がムカついて吐きそうになってきた。
「―――そうか!てめぇ、防弾チョッキを着こんでるだろう!」
正視に堪えないほど凶暴な顔で、リックは俺を睨みつけた。
俺はやれやれと首を振ると、シャツをまくり上げて、自分の腹を見せた。
恥ずかしながら、全く鍛えていない、腹筋のひとつもついていない青白い腹が現れた。
「なんでぇ、イチャモンつけだしたぜ」
「普段いばってやがるが、とんだ見かけ倒しか」
周囲で二人の決闘を見ていた見物人からそんなあざけり声が聞こえてきた。
「うおおおおおおおッ!!」
リックは凶暴な絶叫をあげ、遂に俺に飛びかかった。
リックは俺をテーブルの上に押し倒し、馬乗りになった。
そして、二人を結んでいた鎖を俺の首に巻きつけ、思い切り引っ張った。
「バカにしやがって!殺してやる!!」
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