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第3章「ジョニー、お見舞いに行く」
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「お前、セラベラムって名前なのか?随分、言いにくい名前だな。何かの神話にでも出てくる名前なのか?」
少女は両手をゆっくりと顔の前まで持ち上げると、人差し指をピンと立て、顔の前でクロスさせた。
「――ペケ!?ペケってことだな!神話に出てくる名前じゃないって言いたいんだな」
俺は少々興奮してまくし立てると、今度は少女は右手だけでOKサインを示した。
よしよし!イエス、ノーだけでも会話ができたら、かなりの進歩だ。
「念のために聞いておくが、お前は天使なのか?」
答えはNoだった。
「お前は、俺の味方なのか?」
答えはYesだった。
「俺が不死身の身体になったことと、お前は関係があるのか?」
答えはYesだった。
聞きたいことは一杯あったのだが、どう聞いたらいいのかとあれこれ考えあぐんでいると、クラウとマリアナが料理を運んできた。
どうやら、セラベラムは大人しく俺のそばにいるようだし、まずは腹ごしらえをすることにした。
「はい。召し上がれ」
クラウが昨夜の売れ残りの鶏肉のトマト煮込みをカウンターの上に置いてくれた。
続いて俺の背後から無言で手を伸ばし、マリアナがサラダボウルを俺の前に置こうとした。
「サンキュー!」
俺は何気なくサラダボウルを手に取った。
と、俺の指がマリアナの指に微かに触れた。
その瞬間、マリアナがビクッと全身を震わせた。
「――どうかしたか?」
「い、いえ………。なんでもないス……」
マリアナが狼狽し、逃げるように厨房に消えていった。
ん………?デジャブか、これは?
昨夜のクラウも急に厨房に消えていった。
そして、戻ってきた時には…………。
「ジョニー!ドゥルセ・デ・レチェとパステル・デ・ケソよ。」
マリアナが焦がした練乳の入ったコップとチーズケーキの皿をいそいそと運んで来た。
やっぱり、クラウの時と同じパターンだ。
「これ、私が作ったのよ。食後のデザートに食べてね!」
マリアナの目が潤み、頬が火照り、胸が弾んでいる。
「マ、マリアナ!?なんだか、様子がおかしいぞ?」
「そうなんス……。なんか急に頭の芯が痺れるような……、夢の世界に遊ぶような……うっとりする喜びを感じるス!」
俺は焦って、隣に立っているセラベラムに小声で尋ねた。
「おい!これってお前の仕業なのか?」
答えはYesだった。
驚きともショックとも名づけようのない不思議な感情が湧きあがった。
「――もしかして、俺が直接触れた女性は、俺に惚れるのか?」
答えはYesだった。
「くそうッ!モテ期じゃなかったのか……」
全身の力がふっと抜ける心地がし、俺はがっかりして肩を落とした。
「も、もしかして、マリーが俺と付き合ってくれたのもお前の仕業だったのか?」
答えは――Noだった。
俺はホッとして、胸を撫で下ろした。
「どうしたの、ジョニー?早く召し上がれ!」
クラウとマリアナが、鼻声で甘えて、物をねだる猫のように頬を寄せてきた
ともかく、今は腹ごしらえだ・
特殊能力を使っているせいなのか、俺は最近やたらと腹が減った。
俺が鶏肉をほおばった時、隣に立つセラベラムがゆっくりと店の外を振り返り、右手で指さした。
また、敵か!?
俺がこわばった表情で背後を振り向いた。
少女は両手をゆっくりと顔の前まで持ち上げると、人差し指をピンと立て、顔の前でクロスさせた。
「――ペケ!?ペケってことだな!神話に出てくる名前じゃないって言いたいんだな」
俺は少々興奮してまくし立てると、今度は少女は右手だけでOKサインを示した。
よしよし!イエス、ノーだけでも会話ができたら、かなりの進歩だ。
「念のために聞いておくが、お前は天使なのか?」
答えはNoだった。
「お前は、俺の味方なのか?」
答えはYesだった。
「俺が不死身の身体になったことと、お前は関係があるのか?」
答えはYesだった。
聞きたいことは一杯あったのだが、どう聞いたらいいのかとあれこれ考えあぐんでいると、クラウとマリアナが料理を運んできた。
どうやら、セラベラムは大人しく俺のそばにいるようだし、まずは腹ごしらえをすることにした。
「はい。召し上がれ」
クラウが昨夜の売れ残りの鶏肉のトマト煮込みをカウンターの上に置いてくれた。
続いて俺の背後から無言で手を伸ばし、マリアナがサラダボウルを俺の前に置こうとした。
「サンキュー!」
俺は何気なくサラダボウルを手に取った。
と、俺の指がマリアナの指に微かに触れた。
その瞬間、マリアナがビクッと全身を震わせた。
「――どうかしたか?」
「い、いえ………。なんでもないス……」
マリアナが狼狽し、逃げるように厨房に消えていった。
ん………?デジャブか、これは?
昨夜のクラウも急に厨房に消えていった。
そして、戻ってきた時には…………。
「ジョニー!ドゥルセ・デ・レチェとパステル・デ・ケソよ。」
マリアナが焦がした練乳の入ったコップとチーズケーキの皿をいそいそと運んで来た。
やっぱり、クラウの時と同じパターンだ。
「これ、私が作ったのよ。食後のデザートに食べてね!」
マリアナの目が潤み、頬が火照り、胸が弾んでいる。
「マ、マリアナ!?なんだか、様子がおかしいぞ?」
「そうなんス……。なんか急に頭の芯が痺れるような……、夢の世界に遊ぶような……うっとりする喜びを感じるス!」
俺は焦って、隣に立っているセラベラムに小声で尋ねた。
「おい!これってお前の仕業なのか?」
答えはYesだった。
驚きともショックとも名づけようのない不思議な感情が湧きあがった。
「――もしかして、俺が直接触れた女性は、俺に惚れるのか?」
答えはYesだった。
「くそうッ!モテ期じゃなかったのか……」
全身の力がふっと抜ける心地がし、俺はがっかりして肩を落とした。
「も、もしかして、マリーが俺と付き合ってくれたのもお前の仕業だったのか?」
答えは――Noだった。
俺はホッとして、胸を撫で下ろした。
「どうしたの、ジョニー?早く召し上がれ!」
クラウとマリアナが、鼻声で甘えて、物をねだる猫のように頬を寄せてきた
ともかく、今は腹ごしらえだ・
特殊能力を使っているせいなのか、俺は最近やたらと腹が減った。
俺が鶏肉をほおばった時、隣に立つセラベラムがゆっくりと店の外を振り返り、右手で指さした。
また、敵か!?
俺がこわばった表情で背後を振り向いた。
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