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1990年代

機動戦士Vガンダム

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1993年4月2日から1994年3月25日、全51話。

原作:矢立肇、富野由悠季。
 
総監督:富野由悠季。

キャラクターデザイン:逢坂浩司。

メカニックデザイン:大河原邦男、カトキハジメ、石垣純哉、佐野浩敏(協力)。

音楽:千住明。

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 第51話予告。

 崩れ落ちるエンジェルハイロウの上で、憎しみと正義がぶつかり合います。

 平和の祈りが天使の輪を飛翔させるのでしょうか。

 昇天していく魂が光の翼を広げさせるのでしょうか。

 最終回、機動戦士Vガンダム「天使たちの昇天」

 見て下さい! 

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 第51話「天使たちの昇天」

 エンジェル・ハイロウのリングの分解は進み、内部で眠る多くのサイキッカーたちも死んでいった。

 ウッソ・エヴィンとクロノクル・アシャーはリングの上で一騎打ち。

 ウッソのために敵を引き受けたオデロとトマーシュはカテジナ機と交戦。


 一方シャクティ・カリンはエンジェル・ハイロウのキールームで戦争を終結させるために祈り続ける。

カテジナ・ルース「なんだ?この光は。うッ!気持ちが・・・、くッ。なんだ・・・!この光、人を逆立てるぅ!」

 オデロが一瞬、躊躇した時、カテジナが突然ぶちぎれてオデロ機を撃破する。

オデロ「お、おれ、どうなっちまってんだ?おい・・・。母ちゃん、オレのこと、ほめてくれるのか。父ちゃんずっとおれのこと嫌い・・・嫌いじゃなかった?ほ、本当かよ。う、うわあぁ!」




 V2ガンダムはビームサーベルを二本合わせたビーム束でリグ・コンティオを撃墜。

 クロノクルは落下して行くリグ・コンティオから放り出される。

クロノクル「姉さん、マリア姉さん、助けてよ。マリア姉さぁん!」

 クロノクル、頭部を強打して死亡。



 カテジナは搭乗機でV2ガンダムを掴んで抑えつけたあと、コックピットから出て来る。

カテジナ「どうしようもないでしょ?こうまで君と戦ってきたあたしは、クロノクルのところに行くしかないのよ。だったらいさぎよく君の手でこのあたしを・・・!」

ウッソ「死ぬことなんてありませんよ!もう、戦争は終わったはずなんです!」

 ウッソがカテジナの元に近づいていく。 

 と、カテジナは豹変し、右手にナイフを持ってウッソを突き刺す。

カテジナ「甘いよねぇ、坊やぁ!」

 カテジナとウッソは、それぞれのモビルスーツのコックピットに戻っていく。

 ウッソは刺された傷口を押さえながらぼやく。

ウッソ「・・・まったく!」



 エンジェル・ハイロウの外に出たウッソは、エンジェル・ハイロウのリング中央を貫通するシャフトの穴へと向かう。

 そこには、カテジナのゴトラタンが待ち伏せしていて、大型砲をウッソへと向ける。

カテジナ「来ると思ったよ。甘ちゃん坊やは。この船が沈めば、この船もろともみんなが幸せになるんだろぉ!?」

ウッソ「待ち伏せですよォ!カ、カテジナさん!そこまでやるんですか!?」

 無防備に直立不動のV2。

カテジナ「バ、バカにして・・・!坊主がやること、坊主が!?」

 カテジナ機から放たれた大火力ビーム。

ウッソ「ガンダムッ!!」

 ウッソが叫ぶ。

 ウッソは光の翼を機体前方に持ってきてビームを防ぐ。



 V2ガンダムの翼が広がった事でエンジェル・ハイロウの残っていた一番内側のリングと中央のコントロール艦がバラバラになってしまう。

 エンジェル・ハイロウは完全にバラバラになり、両軍の軍艦、モビルスーツ群を連れて地球から宇宙へと去って行く。


 V2のコックビット内から上空を見上げるウッソ。

ウッソ「え?シャ、シャクティは!?パワーがダウンしている・・・。だ、ダメなの!?」

ハロ「ダメみたい」

 V2がゆっくりと落下していく。

ウッソ「ガンダムよォ、天に昇れェ!こ、こんなことじゃ、こんなことじゃぁ!」

 泣きじゃくるウッソ。


 と、上空から何か降りてくる。

ウッソ「あれは、キールームの・・・リングだ!」

 光に包まれたシャクティが上空からゆっくりと降りてくる。

 シャクティを無事に救出するV2ガンダム。

 戦闘は終結する。





 故郷のカサレリアに戻ってきたウッソ達は墓参りをしている。

 季節は冬に入り、マーベットのお腹も大きくなっている。



 一方、川で洗濯しているシャクティ。

 そばには犬のフランダースとシャクティに引き取られた幼児カルルが遊んでいる。

 そこに失明したカテジナ・ルースがワッパというホバーバイクに乗って通りかかる。

 フランダースがカテジナを警戒して唸り声をあげる。

カテジナ「人がいらっしゃるのですか?」

シャクティ「はい、何のご用でしょうか?」

カテジナ「ワッパのオートコンパスが壊れてしまって、方向がわかりません。ウーイッグは、どちらでしょう?」

 失明したカテジナは一人、生まれ故郷のウーイッグの町に帰ろうとしていたのだ。

 カテジナは目の前にいるのがシャクティだとは気づかない。

シャクティ「ここからもう少し南ですけど、うちにコンパスのスペアがありますから差し上げます」

カテジナ「教えて下さるだけでいいんです。お金は、ありませんから・・・」

シャクティ「目もご不自由なようですし良いんですよ。すぐ持ってきます!」

 コンパスを取りに行くシャクティ。


 カルルがカテジナにたどたどしく挨拶をする。

カルル「こんにちはぁ」

カテジナ「こんにちは。お名前、なんていうんですか?」

カルル「かりゅりゅ!」

カテジナ「カルル?いい名前だ」

カルル「かりゅりゅまん!」

 カテジナ、カルルの名前にハッと気が付く。


 雪が降ってくる。

カテジナ「・・・雪?」

 そこへシャクティーが戻ってきてワッパのコンパスを交換してくれる。

シャクティ「メモリーはいつも使っているものですから、間違いなくウーイッグに行けますよ」

カテジナ「・・・」

シャクティ「どうなさいました?」

カテジナ「い、いえね・・・、冬が来ると、わけもなく悲しくなりません?」

シャクティ「そ、そうですね」

 目をそらすシャクティ。

カテジナ「ありがとう、お嬢さん」


 ワッパに乗って去って行くカテジナ、嗚咽する。

カテジナ「うっ・・・うっ・・・」


 入れ違いに戻ってくるウッソ。

 去り行くカテジナの後ろ姿に気が付く。

ウォレン「シャクティ、誰だったの?」

シャクティ「道に迷った旅人よ」

 シャクティはカテジナのことを隠す。

 ウッソがシャクティの手を握る。

ウッソ「うん?シャクティ、手が氷のようだよ?」

シャクティ「河で洗い物してたから」

 ウッソはカルルを抱いて家に帰って行く。


 感情を圧し殺し、カテジナの去った方角を見つめるシャクティ。

 人知れず涙を流すシャクティ。


 森の中、一人ワッパに乗って去り行くカテジナ。


 森に乗り捨てられたガンダム機に雪が積もる。


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  千住明さんの「野辺の花」のBGMと共にシャクティが語る次回予告。

 そして、この最終回のラストシーン。

 いまだに幾度となく見返しています。

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声の出演

ウッソ・エヴィン:阪口大助

シャクティ・カリン/次回予告ナレーション:黒田由美

カテジナ・ルース:渡辺久美子

クロノクル・アシャー:檀臣幸

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