22 / 39
20 神子の手配書
しおりを挟む
俺は、魔獣の襲撃の後始末に追われてルークの護衛を休んでいる。後始末で一番面倒なのが騎士団の魔法士の相手なのは誤算だ。
倒した魔獣の素材はできるだけ回収したい。そこはギルドマスターが指示している。矢なども回収してもらったが魔法士のひとりが矢に残っている付与に気づいたのだ。
「攻撃力増加、命中精度増加、ここまではわかります。ですけどかすかに浄化が入っています。浄化って言いますけど聖魔法の浄化ですよ・・・・誰が付与をしたんですか?瘴気に当たって凶暴になっているのに、意外に早く討伐できたのはこれが原因ですね。このような・・・・神子の能力がこれだと言われています。これができるものはすぐにでも保護して・・・・」
「わからないよ。そもそも矢に付与があるとは・・・・確かに矢がよくあたるなって思ったけど・・・・冒険者の腕がいいと思ったし・・・」
俺はこう言うと騎士団の追求を誤魔化した。
騎士団は俺の意見を入れて、外壁のまわりに深い穴をいくつか掘ってくれた。
掘り出した土はそばに積み上げて、それは防壁となった。
次の魔獣の襲来は確定している。ただ、それが来週なのか、一月後なのかわからないだけだ。
騎士団は仕事を終え次の町に向かうが
「見つかるまでわたしはここに残ります。逃すわけにいきません」
こんなふざけた事を言うと、魔法士のローレンス・ブルーホークは冒険者としてここに残った。
腕の良さと愛想のよい所から、いくつかのパーティに誘われていたが、あの大剣の男のパーティに入ったようだ。
ルークは護衛の俺が忙しくなった事から、以前のように一人で薬草を取りに行っているようだ。
薬師ギルドもルークが、取って来たものなら、すべて買い取るようになったので、ルークは依頼の確認をせずに直接、森に行き夕方早い時間に戻って来る。
買取の時に俺は必ず顔を出して、ルークと少し話すが、時間がなくて忙しい。
そんな時王宮に呼ばれた。留守にするのは気が向かないが、仕方ない。
急ぎだと言うのはわかっていたが、夕方ルークが戻ってくるのを待って顔をみてから出発した。
ルークが寂しくなるって言ってくれるかなと期待したが、気をつけるようとしか言ってくれなかった。
うん、俺は気をつける。だからルークも気を付けるんだよ。
王宮で俺を待っていたのは、思いがけない知らせだった。
やはり、うわさ通りハイタック王国は神子の召喚をしたということだ。
その時、手違いがあり二人召喚してしまった。そのうちのひとりが逃げ出してしまった。
その一人を見つけ保護して欲しいという願いが全世界の神殿に出されたと言うのだ。
その時俺の頭にルークが浮かんだ。異世界の貴族なら、あのずらり並んだカトラリーも、胡椒もコーヒーも驚かないだろう。
似顔絵もなんとなく似ている。少し髪の色と目の色が違うが・・・・・
だが、浄化の力が矢にあったとローレンスが言っていたな。これはあたりのような気がする。
早く戻らないと、いろいろ危ない。俺はすぐに戻ろうとした。しかし、従姉妹とその知り合いが、訪ねてきてお茶会が開かれた。
翌日は買い物に付き合えとか、喚きたくなった。
その上、俺が、女共に悩まされている間に、マーシャルのやつがギルドに向かっていた。
残された手紙には、今後に備えて勉強の為に出発する。経験のある騎士団と一緒だから、心配するなとあった。
やられた!!!!
あいつは、俺は王位継承権を放棄しているから気にしなくていいのに、なにかと俺に絡んでくるやつだ。
大人しく王太子にでもなっていればいいのに!
絶対、ルークになにかする。俺もすぐに出発した。
倒した魔獣の素材はできるだけ回収したい。そこはギルドマスターが指示している。矢なども回収してもらったが魔法士のひとりが矢に残っている付与に気づいたのだ。
「攻撃力増加、命中精度増加、ここまではわかります。ですけどかすかに浄化が入っています。浄化って言いますけど聖魔法の浄化ですよ・・・・誰が付与をしたんですか?瘴気に当たって凶暴になっているのに、意外に早く討伐できたのはこれが原因ですね。このような・・・・神子の能力がこれだと言われています。これができるものはすぐにでも保護して・・・・」
「わからないよ。そもそも矢に付与があるとは・・・・確かに矢がよくあたるなって思ったけど・・・・冒険者の腕がいいと思ったし・・・」
俺はこう言うと騎士団の追求を誤魔化した。
騎士団は俺の意見を入れて、外壁のまわりに深い穴をいくつか掘ってくれた。
掘り出した土はそばに積み上げて、それは防壁となった。
次の魔獣の襲来は確定している。ただ、それが来週なのか、一月後なのかわからないだけだ。
騎士団は仕事を終え次の町に向かうが
「見つかるまでわたしはここに残ります。逃すわけにいきません」
こんなふざけた事を言うと、魔法士のローレンス・ブルーホークは冒険者としてここに残った。
腕の良さと愛想のよい所から、いくつかのパーティに誘われていたが、あの大剣の男のパーティに入ったようだ。
ルークは護衛の俺が忙しくなった事から、以前のように一人で薬草を取りに行っているようだ。
薬師ギルドもルークが、取って来たものなら、すべて買い取るようになったので、ルークは依頼の確認をせずに直接、森に行き夕方早い時間に戻って来る。
買取の時に俺は必ず顔を出して、ルークと少し話すが、時間がなくて忙しい。
そんな時王宮に呼ばれた。留守にするのは気が向かないが、仕方ない。
急ぎだと言うのはわかっていたが、夕方ルークが戻ってくるのを待って顔をみてから出発した。
ルークが寂しくなるって言ってくれるかなと期待したが、気をつけるようとしか言ってくれなかった。
うん、俺は気をつける。だからルークも気を付けるんだよ。
王宮で俺を待っていたのは、思いがけない知らせだった。
やはり、うわさ通りハイタック王国は神子の召喚をしたということだ。
その時、手違いがあり二人召喚してしまった。そのうちのひとりが逃げ出してしまった。
その一人を見つけ保護して欲しいという願いが全世界の神殿に出されたと言うのだ。
その時俺の頭にルークが浮かんだ。異世界の貴族なら、あのずらり並んだカトラリーも、胡椒もコーヒーも驚かないだろう。
似顔絵もなんとなく似ている。少し髪の色と目の色が違うが・・・・・
だが、浄化の力が矢にあったとローレンスが言っていたな。これはあたりのような気がする。
早く戻らないと、いろいろ危ない。俺はすぐに戻ろうとした。しかし、従姉妹とその知り合いが、訪ねてきてお茶会が開かれた。
翌日は買い物に付き合えとか、喚きたくなった。
その上、俺が、女共に悩まされている間に、マーシャルのやつがギルドに向かっていた。
残された手紙には、今後に備えて勉強の為に出発する。経験のある騎士団と一緒だから、心配するなとあった。
やられた!!!!
あいつは、俺は王位継承権を放棄しているから気にしなくていいのに、なにかと俺に絡んでくるやつだ。
大人しく王太子にでもなっていればいいのに!
絶対、ルークになにかする。俺もすぐに出発した。
624
あなたにおすすめの小説
禁書庫の管理人は次期宰相様のお気に入り
結衣可
BL
オルフェリス王国の王立図書館で、禁書庫を預かる司書カミル・ローレンは、過去の傷を抱え、静かな孤独の中で生きていた。
そこへ次期宰相と目される若き貴族、セドリック・ヴァレンティスが訪れ、知識を求める名目で彼のもとに通い始める。
冷静で無表情なカミルに興味を惹かれたセドリックは、やがて彼の心の奥にある痛みに気づいていく。
愛されることへの恐れに縛られていたカミルは、彼の真っ直ぐな想いに少しずつ心を開き、初めて“痛みではない愛”を知る。
禁書庫という静寂の中で、カミルの孤独を、過去を癒し、共に歩む未来を誓う。
【完結】Restartー僕は異世界で人生をやり直すー
エウラ
BL
───僕の人生、最悪だった。
生まれた家は名家で資産家。でも跡取りが僕だけだったから厳しく育てられ、教育係という名の監視がついて一日中気が休まることはない。
それでも唯々諾々と家のために従った。
そんなある日、母が病気で亡くなって直ぐに父が後妻と子供を連れて来た。僕より一つ下の少年だった。
父はその子を跡取りに決め、僕は捨てられた。
ヤケになって家を飛び出した先に知らない森が見えて・・・。
僕はこの世界で人生を再始動(リスタート)する事にした。
不定期更新です。
以前少し投稿したものを設定変更しました。
ジャンルを恋愛からBLに変更しました。
また後で変更とかあるかも。
完結しました。
君に望むは僕の弔辞
爺誤
BL
僕は生まれつき身体が弱かった。父の期待に応えられなかった僕は屋敷のなかで打ち捨てられて、早く死んでしまいたいばかりだった。姉の成人で賑わう屋敷のなか、鍵のかけられた部屋で悲しみに押しつぶされかけた僕は、迷い込んだ客人に外に出してもらった。そこで自分の可能性を知り、希望を抱いた……。
全9話
匂わせBL(エ◻︎なし)。死ネタ注意
表紙はあいえだ様!!
小説家になろうにも投稿
祖国に棄てられた少年は賢者に愛される
結衣可
BL
祖国に棄てられた少年――ユリアン。
彼は王家の反逆を疑われ、追放された身だと信じていた。
その真実は、前王の庶子。王位継承権を持ち、権力争いの渦中で邪魔者として葬られようとしていたのだった。
絶望の中、彼を救ったのは、森に隠棲する冷徹な賢者ヴァルター。
誰も寄せつけない彼が、なぜかユリアンを庇護し、結界に守られた森の家で共に過ごすことになるが、王都の陰謀は止まらず、幾度も追っ手が迫る。
棄てられた少年と、孤独な賢者。
陰謀に覆われた王国の中で二人が選ぶ道は――。
婚約破棄させた愛し合う2人にザマァされた俺。とその後
結人
BL
王太子妃になるために頑張ってた公爵家の三男アランが愛する2人の愛でザマァされ…溺愛される話。
※男しかいない世界で男同士でも結婚できます。子供はなんかしたら作ることができます。きっと…。
全5話完結。予約更新します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる