神子の余分

朝山みどり

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29 再会 ルーク目線

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フェルナンドは僕の部屋まで一緒に来た。どうやってみんなを納得させたのか分からないが、フェルナンドは僕の護衛兼侍従になっている。

だから、部屋に戻ると、ちょっとぼーーとしていた僕をソファに座らせるとお風呂の準備を始めた。

僕はもともと、侍従などいなくても自分のことは自分で出来るから、侍従はいらないと断ったのだが、フェルナンドは神子に侍従は必要だが、へたな侍従をつけると神子が返って危険だから、自分が侍従もやると言いはったのだ。

隊長が

「それもそうだ。頼む。フェルナンド」と言ったせいでフェルナンドは護衛兼侍従におさまった。それで昼間も夜も僕と一緒だ。

フェルナンドのことは好きだよ。好きだけど、別にお風呂の世話を焼いて貰わなくても・・・貰いたくない。

それにお風呂で僕を洗うのだ。凄く恥ずかしい。侍従だから当たり前ですとか・・・侍従なんて振りだって言ってたのに・・・

「神子様、ルーク。ゆったりして寝ててもいいですよ」なんて言われても、緊張しちゃって無理!

だけど、二回程、寝ちゃったことがあって、今日もなんだか、寝ちゃいそうで心配だから・・・


僕は気を張ってお風呂に入った。特にさっきあんなことをしちゃったから・・・凄く不安!


気を張っていたんだよ。だけど寝ちゃたみたいで、僕はベッドで目を覚ました。

僕は身支度をしてストレッチと体操で体をほぐした。

朝食をすませたら、王宮を散歩することにした。どこにでも行っていいと許可は出ている。城からの護衛は断っているので、フェルナンドと二人でゆっくりと歩く。


僕は人を探しながら歩いている。そう、僕を助けて、城から脱出させてくれた三人。

いた。よかった。ジョンが飼い葉を運んでいる。フェルナンドに「彼だ」と囁くと僕はゆっくりとジョンに近づいた。

「ジョン」と声をかけると「?」と僕を見た。僕だとわかると声を出しそうになったが、ぐっと抑えて

「色男、帰ってきたんだな」と言った。

「うん、無事に、これも三人のおかげだ。みんなは?」と聞くと

「どうにか元気だ」と返事があった。

「三人とゆっくり話したい」と言うとジョンは少し考えて

「小屋で待っていてくれ」と言うと鍵を渡してくれた。

「ありがとう。差し入れを持って行くから」と言うとジョンは嬉しそうに笑った。






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