【本編完結】番って便利な言葉ね

朝山みどり

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51 スミノード家にて

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 不思議な事にわたしとガイツが、外出するとあのスミノードが現れる。

 ガイツの力を見せてやったので、手を出して来る事はないが、面倒だ。

「わたしは魔石を扱うスミノードの者よ。わたしに逆らうと魔石を買えなくなるわよ」と言うので

「情報が古い。今、魔石は交換する物よ」と言い返した。

「なに言ってるの。魔石をギルドから買い取れるのはうちだけよ。あいつら魔石がなくなればおしまいよ」

 わたしがあいつらなんだけど・・・

「そうなんだ。最近は魔石を使った魔道具が出回って生活が便利になってるのを知らないんだ。遅れてるんだ」と言うと

 向こうの世界にあったくるくる伸びる笛を魔石で動かすようにしたおもちゃをシューーーと伸ばしてやった。

「うわーー」と悲鳴をあげた。いい気味だ。

「最近はこんな可愛いおもちゃも出てるのよ。魔石をおもちゃに使えるようになったのよ。知らないんだ。遅れてるんだ」

 と周りに聞こえるように言った。

 そう、思いついたのだ。魔石を売ってはいけないけど、魔石つきのおもちゃは売っていいと。もちろん、実用品もだけど・・・

 それで魔石交換所に少し置いて見たのだ。

 はい!大人気です。特にこのおもちゃは人気なのだ。

 最初は蛇の絵を描いて脅かそうと提案したが、変態を見るような目をされたので・・・ガイツから・・・それで、

『王都の思い出』『ダンジョン制覇』『味一番』とかの字を入れようと言うと採用されたのだ。

 この世界はのんびり旅を楽しめるのは一部の人間だ。だからお土産ってわけじゃないけど・・・

 売りたいのは魔石だからね。

 研究塔でも、こんな物を作るのは研究に対する冒涜と最初は、思われてたようだが、なんのかんの楽しいらしくていろいろなアイデアが出てるようだ。

 売りたいのは魔石だけどね・・・


 そんなある日、ついにスミノードが魔石を買い取れなくなったようだ。

 うわさはいろいろあったが、あのお嬢さんが元気にしてたから、スミノード頑張るなぁと思っていたけど、

 確かに魔石販売の店の売り子さんが、威張ったおじさんに変わったり、魔石交換所におじさんが殴り込んだとか聞いたが・・・

 ちゃんとアーネストが先手を売って、お客の振りした護衛を店に待機させていたので、無事だったらしいけど。

 そしてついについに、買い取れなくなったそうだ。無駄な抵抗をしおってからに・・・

 手広くやっていた商売もうまく行かなくなっているようだし・・・これもブルーリードの力?


 魔石に関してギルドは契約書を片手に買い取りを強制しているようだ。

 そして愉快なことに買い取り資金が足りない分は魔石で支払って貰っているそうだ。半額で・・・


 ひと箱の魔石をふた箱の魔石で買い取らせていたようだが、あちらの魔石がなくなったらしい。魔石販売の店もとうになくなっているしね。

 そこで今日はついに屋敷の差し押さえをすると言うから、ガイツと一緒に見に行った。

 あの小娘が、自分の宝石箱を押さえて泣いている。あのバツじるしのついた護衛が隔離されて、馬車に押し込まれている。そして馬車はさっといなくなった。

「お父様、止めさせて。侯爵でしょ」と聞こえる。

「侯爵は魔石を独占する権利をお持ちの権力者ですよ。買い取るのは侯爵家しかできないのです。王室と侯爵家の契約ですよ。破る事はできません。今、侯爵は権利を行使して魔石を買い取っています。取引の邪魔をしないで下さい」とギルド長が言ってる。この人いかついけど声がちょっと良いのよね。

「こんなの、変よーーー」と泣いている。そうだよね。変だけど・・・こうなるのよね・・・権利だから・・・


「侯爵閣下、お嬢様の嫁ぎ先の大公家で魔石を預かって貰いますか? 大公家に嫁ぐ時に、魔石の権利を分けられてますね・・・どうでしょうか?顧客へのお礼として運ぶお手伝いをしますが・・・」とっても親切そうで、厄介事になる提案だよね・・・受けるかな??

「そうだね、そうして貰おうか」と侯爵が寛大に答えた。ギルド長の合図で手伝っていた冒険者が一度下ろした魔石の箱を荷車に戻した。

「あなたがたはここに住み続けますか?それとも大公家へ?」とギルド長が聞くと

「大公家へ行こう、迎えの馬車をよこすように、娘に伝えてくれ」と言っている所へ

「お父様、どうしてこんな事態に」と声がした。





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