王妃はわたくしですよ

朝山みどり

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07 休日

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 ここに来て二度目の休日だ。

 ジュディは帰る実家もないので、休日は図書館で借りた本を読んだり、勉強をして過ごした。


 この学院は原則として実家に帰る以外の外出を認めていない。だから、実家が遠いものは長期休み以外は学院で過ごさなければならない。

 ジュディは前日に保護者が様子を見に来ると知らされていたので、一番いい服を着て部屋で待っていた。

 勉強したものを見せるつもりで、教科書とノートも用意した。いつ来るかなと思いながら本を読んで待っていると部屋に知らせが来た。

 教科書とノートを持って、指定の応接室に向かうと、三人揃って待っていた。

 宰相のバージルは獣人の姿で、今日のラフな服装も似合って格好よかった。ラフと言えば三人とも、砕けた格好で旅の間とも違っていた。

「おじさま」と間違えずに呼びかけた。

「ジュディ、元気そうになったね」とバージルが言うと

「そうですね。そういうのいいですね」ミックが笑い

「どうして教科書を持って?」とライリーが不思議がった。


「はい、ちゃんと勉強してるって報告をと・・・」と言うと

「勉強はどう?難しい?」とバージルが教科書を開きながら聞くと

「最初は戸惑いましたが、なんとか大丈夫になりました。当たり前ですが歴史なんかは視点が違いますし、当てられてから慌てて教科書に目を通したりとか・・・でも今は問題ありません」

「それは良かったが、必要以上に頑張る必要はないからね。大いに学生生活を楽しむように・・・それから、近くに帰省用の家を買ったから、休みは帰っておいで」とバージルが言うと

「え?家を?」

「うん、家を」とバージルが答えるのを、ジュディはおろおろして見て、助けを求めるようにミックとライリーを見た。

「来週は戻っておいで、迎えに来るからね」とミックが言った。

「さて、おみやげを渡そう」とバージルは言うと

「これは今、流行りの小説だよ。宰相の権力で手に入れた」とテーブルに置いた。

「冗談だよ、本気は少し」とジュディが固まったのを見てライリーがウインクしながら言った。

「あとはお菓子」と箱を本の横に置いた。


「さて、ちょっと校内を案内して貰おうかな」とバージルが言うと

「はい、許可を貰って来ます」とジュディが部屋を出ると

「どう、思う?」とバージルが言うと

「計画通りに行けそうですね」と二人がうなずいた。


 ジュディの案内で庭と図書館を見て最後に食堂でお茶をして三人は、生徒たちの好奇心に満ちた視線を集めた。中にはジュディに対する嫉妬が混じっているのを感じながらその相手を記憶していった。


 ジュディと別れて馬車に乗った三人は、王妃としてやっていけるようにジュディを鍛えるには、どうすればいいかと話し合いながら、帰って行った。
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