王妃はわたくしですよ

朝山みどり

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13 バーバラ・ジェーン

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 バーバラ・ジェーンが外出から戻り部屋に向かっていると

「ジュディの馭者が素敵だった」「ほんとよね」「馭者があんなに素敵とはね」と言う声が後ろでした。

 ジュディ。あの女の名前を聞くと、腹が立つが挨拶させるくらいしか嫌がらせが出来ない。


『はーなにか出来ないかな』とバーバラ・ジェーンは、無意識に

「あの女・・・潰してやる」とつぶやいていた。



 ジュディは、バージルとわかれると、部屋に戻ってさっそく荷物を開けた。なかにはお茶道具が入っていた。

 パメラに言われた通り、お茶を入れる練習をするのだ。


 さっそくやってみたが、普通の味だった。先は長い・・・


 三人から、これから先の予定を聞かされたが、外出は夏期休暇までなし。時間が出来れば三人揃って様子を見に来ると言うことだが、約束はできないと言うことだった。

 それを聞いたジュディはそれを寂しいと感じて、不思議だった。

 ずっと一人だったのに・・・


 それから、ジュディは勉強に頑張る日々を送った。最近、同じように勉強する人が増えたのか、読みたい図書館の本を誰かが借りていることが増えた。


 ついジュディはそのことをミックに話してしまった。

「ジュディ、それなら読みたい本のリストを書いて送ってくれるといい。図書館はここだけでなく他にもあるし、手配して送るから、君が勉強できないなんて、僕たちも悲しいからね」

「そうして頂けると助かります。すぐに書きますね」とジュディは何冊かの題名を書くと、ミックに渡した。


 それからすぐにリストに合った本の他に関連の本も送られて来て、ジュディの知識の幅が広がった。

『最近、あの女を図書館で見かけなくなったわね』とバーバラ・ジェーンは思った。



「こんにちは、モルフィ侯爵令嬢」と頭を下げられたバーバラ・ジェーンは、いつもの通りゆっくりと

「いやですわ。いつまで経っても親しく挨拶して下さいませんのね」と言った。

「・・・・・・・」

「・・・・・・・・」


「・・・最近、図書館で見かけませんね」

「はい、部屋で勉強しております」

「なるほど・・・失礼。急ぐの」と言うとバーバラ・ジェーンはその場を離れた。

『部屋で勉強?まぁいいか。教科書を暗記した所で、深い知識はつかないものね。本を引っ込めて貰ってよかったわ』

 バーバラ・ジェーンは久しぶりに明るい気分になった。

『考えてみたら、どこかの金持ちの庶子かなんかよね。まぁここを卒業したってことで価値を上げようとしてるんでしょうけど、所詮は平民。目障りだから潰すけど・・・急ぐことないわ」


『今度の試験も首位をとるのはわたくしに決まっているし』とお茶を飲みながらふっふふと笑いがこみ上げて来た。





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