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33 お城はびっくり ジュディ目線
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「間違いなく、王妃はわたくしですよ」
門番に向かってわたくしは言った。きちんと使者を先行させて、その使者が門に出迎えたと言うのに
「連絡を受けておりません」と門番がふんぞり返る。
その門番に向かってバージルが
「この紋章の意味が理解出来ないのだな。わかった理解できるのを連れて来よう」と言うなり、中に走った。
門番が追いかけたが無駄だった。残りの門番はライリーとミックがパンパンと殴ったと思ったら、地面に転がった。
しばらくしたら、宰相が引きづられて現れた。
「は、は、はい。王妃殿下お久しぶりでございます」
わたくしの帰国は意図せず広まった。国じゅうとは言えないが、貴族全員に広まった。
調べるとわたくしが戻ることを宰相はきちんと門番に連絡をしていた。しかし、ある人が出迎えをするなと一杯飲ませながら、悪いようにはしないと言ったらしい。
それを聞いたわたくしは、門番を見舞いに言って話をした。
護衛のバージルがドアを開けて、わたくしの後ろに無言で控えていた。
「まぁ災難でしたね。王妃に歯向かえと命令されるなんて・・・これからどうするか指示は来てますか?」
「いえ・・・そんなんじゃなくて・・・ですね・・・番長が言うとおりに、番長が」
「安心なさい。これからはわたくし、王妃の言うことを聞けばいいのです。難しいことは言いません。安心して」
ベッドにいる門番全員を慰めた。これで気持ちよく出入り出来る。
王妃の部屋として案内されたのは客間だった。侍女長がやって来て
「王妃殿下はなにもなさらなくて大丈夫です」と言って去って行った。面白いのでわたくしとバージル、ライリー、ミックの四人で城内を練り歩いた。
騎士団の訓練場を見に行くと騎士の動きがぎこちなくなったような気がした。バージル達は薄笑いを浮かべている。
絶対、わざとだ。
侍女は見かけると逃げていく、追いかけるのもかわいそうなので、あまり可哀想じゃない、宰相に会いに行った。
「すぐに侍女長を呼びつけて」と言ってソファにどっかりと座ってやった。宰相は青い顔になりながら侍女長を呼ぶように指示を出した。そんなに怖がるなら意地悪しなきゃいいのに。
「わたくしは夫と会いたい。手配なさい」と侍女長が部屋に入るなり言ってやった。
侍女長はわたくしを無言で睨みつけた。
「王妃が夫である王と会いたいと言っているの。手配なさい」
「手続きが・・・」
「そうね。手続きは大事ね。王都にいる貴族を全員呼びなさい。息子の不始末の責任を取って人質になっていた王妃が戻った。感謝を伝える挨拶に来るようにと」
「あの・・・」
「あら、宰相に言うことですね。王妃が国王に会う手続きってそう言うことですね。侍女長」
わたくしは宰相に向かって
「聞いていましたね。明後日の朝。わたくしは夫と会います」
「王妃らしかった?」とわたくしはバージルに聞いた。
「そりゃもう・・・」
初めて会った国王は年寄りで車椅子に乗っていた。
「初めまして、わたくしが王妃、あなたの妻でございます。息子の間違いの責任を取って人質として帝国へ行っておりました」
「そのようだな。ご苦労だった。無事に帰れたと言うのは・・・苦労も多かっただろう・・・今後は王妃としてゆっくり過ごして」と言った所で咳き込みだした。
侍従が背中をさすると、車椅子を押して去って行った。
わたくしは、王座の隣りに立つと貴族を見回した。元、実家のガーデナー伯爵と実母の実家のアルトナー子爵は念入りに上から下まで見てやった。
「戻って参りました。先ほども申しましたが、息子がおとなしくしているということで戻って来ました。王妃としてしっかりと努めます。協力して欲しい」
戻ろうとしている、第二妃ジャンヌに声をかけた。
「後宮を案内して下さる」
「え・・・そのあなたは」
「王妃殿下。単純にそう呼んで下さい」
第二妃ジャンヌの護衛と侍女が近寄ってこようとしたが、バージルがさっとわたくしのそばに立つとそこで立ち止まった。
残りの宰相補佐、本当は護衛のライリーとミックはゆっくりとそばに立った。
「後宮を案内して下さる」もう一度言うと
「は、は、はい」と第二妃ジャンヌは吃りながら答えると
「こちらへ」と言うと歩き出した。それはそれはゆっくりと
「お先に参りますね」の一言でわたくしは、ジャンヌを追い越した。
「え?あ?あの」とジャンヌは足を速めた。
「門を開けなさい」とパメラが言うと
ゆっくりと門が開いた。門番はわたくしが王妃だとちゃんと把握しているようね。
わたくしたちはゆっくりと小道を歩いた。後宮には第二妃ジャンヌと第三妃とその息子ビリーが住んでいる。
そして下女とか侍女がたくさんいるのだ。
侍女長が出迎えた。
「おっしゃってくださればお迎えに上がりますのに」
「わたくしから来たわ」
「それは、申し訳ございません」と侍女長が言っていると
「殿下。殿下」と第二妃ジャンヌが追いついた。
「やっと来たのね。今までここの管理は第二妃がやっていたのかしら?」
「はい」
「今から、わたくしがやります。引き継ぎを」
「え?あの・・・」
「執務室はあるの?」
ライリーとミックの姿はもう見えない。探し物でしょうね?ここで話している間にばれてしまうのに・・・
「それはですね。王妃殿下。説明いたします」と侍女長がしたり顔で言い出した。
門番に向かってわたくしは言った。きちんと使者を先行させて、その使者が門に出迎えたと言うのに
「連絡を受けておりません」と門番がふんぞり返る。
その門番に向かってバージルが
「この紋章の意味が理解出来ないのだな。わかった理解できるのを連れて来よう」と言うなり、中に走った。
門番が追いかけたが無駄だった。残りの門番はライリーとミックがパンパンと殴ったと思ったら、地面に転がった。
しばらくしたら、宰相が引きづられて現れた。
「は、は、はい。王妃殿下お久しぶりでございます」
わたくしの帰国は意図せず広まった。国じゅうとは言えないが、貴族全員に広まった。
調べるとわたくしが戻ることを宰相はきちんと門番に連絡をしていた。しかし、ある人が出迎えをするなと一杯飲ませながら、悪いようにはしないと言ったらしい。
それを聞いたわたくしは、門番を見舞いに言って話をした。
護衛のバージルがドアを開けて、わたくしの後ろに無言で控えていた。
「まぁ災難でしたね。王妃に歯向かえと命令されるなんて・・・これからどうするか指示は来てますか?」
「いえ・・・そんなんじゃなくて・・・ですね・・・番長が言うとおりに、番長が」
「安心なさい。これからはわたくし、王妃の言うことを聞けばいいのです。難しいことは言いません。安心して」
ベッドにいる門番全員を慰めた。これで気持ちよく出入り出来る。
王妃の部屋として案内されたのは客間だった。侍女長がやって来て
「王妃殿下はなにもなさらなくて大丈夫です」と言って去って行った。面白いのでわたくしとバージル、ライリー、ミックの四人で城内を練り歩いた。
騎士団の訓練場を見に行くと騎士の動きがぎこちなくなったような気がした。バージル達は薄笑いを浮かべている。
絶対、わざとだ。
侍女は見かけると逃げていく、追いかけるのもかわいそうなので、あまり可哀想じゃない、宰相に会いに行った。
「すぐに侍女長を呼びつけて」と言ってソファにどっかりと座ってやった。宰相は青い顔になりながら侍女長を呼ぶように指示を出した。そんなに怖がるなら意地悪しなきゃいいのに。
「わたくしは夫と会いたい。手配なさい」と侍女長が部屋に入るなり言ってやった。
侍女長はわたくしを無言で睨みつけた。
「王妃が夫である王と会いたいと言っているの。手配なさい」
「手続きが・・・」
「そうね。手続きは大事ね。王都にいる貴族を全員呼びなさい。息子の不始末の責任を取って人質になっていた王妃が戻った。感謝を伝える挨拶に来るようにと」
「あの・・・」
「あら、宰相に言うことですね。王妃が国王に会う手続きってそう言うことですね。侍女長」
わたくしは宰相に向かって
「聞いていましたね。明後日の朝。わたくしは夫と会います」
「王妃らしかった?」とわたくしはバージルに聞いた。
「そりゃもう・・・」
初めて会った国王は年寄りで車椅子に乗っていた。
「初めまして、わたくしが王妃、あなたの妻でございます。息子の間違いの責任を取って人質として帝国へ行っておりました」
「そのようだな。ご苦労だった。無事に帰れたと言うのは・・・苦労も多かっただろう・・・今後は王妃としてゆっくり過ごして」と言った所で咳き込みだした。
侍従が背中をさすると、車椅子を押して去って行った。
わたくしは、王座の隣りに立つと貴族を見回した。元、実家のガーデナー伯爵と実母の実家のアルトナー子爵は念入りに上から下まで見てやった。
「戻って参りました。先ほども申しましたが、息子がおとなしくしているということで戻って来ました。王妃としてしっかりと努めます。協力して欲しい」
戻ろうとしている、第二妃ジャンヌに声をかけた。
「後宮を案内して下さる」
「え・・・そのあなたは」
「王妃殿下。単純にそう呼んで下さい」
第二妃ジャンヌの護衛と侍女が近寄ってこようとしたが、バージルがさっとわたくしのそばに立つとそこで立ち止まった。
残りの宰相補佐、本当は護衛のライリーとミックはゆっくりとそばに立った。
「後宮を案内して下さる」もう一度言うと
「は、は、はい」と第二妃ジャンヌは吃りながら答えると
「こちらへ」と言うと歩き出した。それはそれはゆっくりと
「お先に参りますね」の一言でわたくしは、ジャンヌを追い越した。
「え?あ?あの」とジャンヌは足を速めた。
「門を開けなさい」とパメラが言うと
ゆっくりと門が開いた。門番はわたくしが王妃だとちゃんと把握しているようね。
わたくしたちはゆっくりと小道を歩いた。後宮には第二妃ジャンヌと第三妃とその息子ビリーが住んでいる。
そして下女とか侍女がたくさんいるのだ。
侍女長が出迎えた。
「おっしゃってくださればお迎えに上がりますのに」
「わたくしから来たわ」
「それは、申し訳ございません」と侍女長が言っていると
「殿下。殿下」と第二妃ジャンヌが追いついた。
「やっと来たのね。今までここの管理は第二妃がやっていたのかしら?」
「はい」
「今から、わたくしがやります。引き継ぎを」
「え?あの・・・」
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