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34 後宮にて
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したり顔の侍女長にジュディは頷いた。
「どうぞ、お茶の用意をさせてます」
「王妃殿下はその・・・ご苦労なさってますから、ご実家でもあちらでも・・・だからお慰めしようと計画してましたのよ。ですが、殿下ってその・・・せっかちで。いえね、それが悪いとは申しません。言えません。でも待てないってこと。ふふっふふ。失礼。笑うなんて無作法ですね」
「本当に」
「あの、殿下・・・」
「さっさとお茶席に案内なさい。仕事が遅い」
「は、はい」
その時、ライリーが戻って来てバージルになにか囁いた。
案内された部屋を一瞥したパメラが
「このような場で王妃殿下をするとは」と侍女長を一喝した。
「な、なにが・・・失礼ながら王妃殿下は伯爵家の。それも。跡取りにもなれない」
「それのどこが王妃殿下に関係ありますか?」
「関係・・・関係・・・ですから・・・」
「もう良い。調べは済んだ。殿下、一度戻って書類を精査しましょう」とバージルが面倒くさそうに言った。
「書類?調べた?え?調べた!」と第二妃ジャンヌが立ち上がった。
「あぁ、後宮の管理は殿下の大事な仕事の一つだ。いつまで立っても連絡がないのでこちらから出向いて調べた。余計な手間をかけさせてくれたな。細かい所は・・・そうだな。そうだ、三日後にもう一度調べるから用意しておいてくれ」とバージルが言う間に王妃はパメラと護衛二人に付き添われてさっさと出て行った。
王妃の姿が見えなくなると、バージルはテーブルに近寄り、マドレーヌを口に頬張り、ビスケットを二枚手に取った。
バージルが部屋から出ると、固まっていた侍女長が
「なんてこと・・・あっ」と言うと部屋を出て行った。それを見て第二妃もあわてて後を追った。
残った侍女達は
「なに?どういうこと。やっぱり王妃が一番よね」「ちょっとよく考えた方が」「どうすれば?真似したらいい?」
「誰の真似を」「えっと・・・侍女長はだめよね」
「あなたがた、誠実にお仕えすればいいのよ」とパンジーが言うと
「その茶器を使おうと言ったのはあなたよね」
「侍女長の意を汲んだからよ」とパンジーは答えて
「そのことを言いふらしたりしないようにね。無駄口は嫌われるわよ」と相手を睨みながら言った。
第二妃ジャンヌと侍女長は予算を適当に、自分のために使い記録をしていなかった。不正をするつもりもなかった。
ただただ、さぼっていたのだ。侍女長は侍女たちの給料を管理していたが、袋にいれる時に間違えて多く入れたり少なく入れたりしてしていた。毎回、最後の一人分が足りないのは気づいていたが、そのまま渡していた。この最後の一人の恨みは多かった。
「どうぞ、お茶の用意をさせてます」
「王妃殿下はその・・・ご苦労なさってますから、ご実家でもあちらでも・・・だからお慰めしようと計画してましたのよ。ですが、殿下ってその・・・せっかちで。いえね、それが悪いとは申しません。言えません。でも待てないってこと。ふふっふふ。失礼。笑うなんて無作法ですね」
「本当に」
「あの、殿下・・・」
「さっさとお茶席に案内なさい。仕事が遅い」
「は、はい」
その時、ライリーが戻って来てバージルになにか囁いた。
案内された部屋を一瞥したパメラが
「このような場で王妃殿下をするとは」と侍女長を一喝した。
「な、なにが・・・失礼ながら王妃殿下は伯爵家の。それも。跡取りにもなれない」
「それのどこが王妃殿下に関係ありますか?」
「関係・・・関係・・・ですから・・・」
「もう良い。調べは済んだ。殿下、一度戻って書類を精査しましょう」とバージルが面倒くさそうに言った。
「書類?調べた?え?調べた!」と第二妃ジャンヌが立ち上がった。
「あぁ、後宮の管理は殿下の大事な仕事の一つだ。いつまで立っても連絡がないのでこちらから出向いて調べた。余計な手間をかけさせてくれたな。細かい所は・・・そうだな。そうだ、三日後にもう一度調べるから用意しておいてくれ」とバージルが言う間に王妃はパメラと護衛二人に付き添われてさっさと出て行った。
王妃の姿が見えなくなると、バージルはテーブルに近寄り、マドレーヌを口に頬張り、ビスケットを二枚手に取った。
バージルが部屋から出ると、固まっていた侍女長が
「なんてこと・・・あっ」と言うと部屋を出て行った。それを見て第二妃もあわてて後を追った。
残った侍女達は
「なに?どういうこと。やっぱり王妃が一番よね」「ちょっとよく考えた方が」「どうすれば?真似したらいい?」
「誰の真似を」「えっと・・・侍女長はだめよね」
「あなたがた、誠実にお仕えすればいいのよ」とパンジーが言うと
「その茶器を使おうと言ったのはあなたよね」
「侍女長の意を汲んだからよ」とパンジーは答えて
「そのことを言いふらしたりしないようにね。無駄口は嫌われるわよ」と相手を睨みながら言った。
第二妃ジャンヌと侍女長は予算を適当に、自分のために使い記録をしていなかった。不正をするつもりもなかった。
ただただ、さぼっていたのだ。侍女長は侍女たちの給料を管理していたが、袋にいれる時に間違えて多く入れたり少なく入れたりしてしていた。毎回、最後の一人分が足りないのは気づいていたが、そのまま渡していた。この最後の一人の恨みは多かった。
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