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13 夜会の収穫
エリザベートが彼らを追いかけようとした時、
「わたくしが行きます。エリザベート様」と給仕が言った。
「わたくしに見覚えはありませんでしょうか?」の声に覚えがあった。
エリザベートは
「お願い」と言うとロザモンドの方へ急いだ。
ジョセフィンにカーテシーをさせたまま、ロザモンドが
「へーーえ、あなたバードレッドって言うの。その鳥って」と口にしたところに、到着したエリザベートがすかさず
「さすがバードレッド家ですのね。優雅でずっと見ていたいカーテシーだわ。でも楽に・・・・」と言った。
頭を上げたジョセフィンに、にっこりと笑いかけて、
「な、なんて・・・お姉様・・」と言い出したロザモンドに被せて
「そうでしたわ。ジョセフィン様が可愛らしくて、つい」とエリザベートはロザモンドに向かって、
「ご無礼致しました」とおどけた調子で言った。
「ジョセフィン様、その見事な赤い鳥を、拝見させて下さいな」とジョセフィンの手を取った。そして
「さすがですわね。バードレッド家の方々の強さと気品があってこその・・・・その鳥と見事に調和してますわ」
ふっと後ろに視線を流したエリザベートは
「ごめんなさい、ジョセフィン様を独占してしまいました」とまた微笑んだ。それを機にジョセフィンは礼をすると去って言った。
エリザベートは、これ以上ここにいるとロザモンドの機嫌が急降下する事がわかっているので、足早に離れた。
するとあの給仕がよって来て、
「お呼びになったご令嬢がたをお連れしました」
それから更に声を潜めて
「申し訳ありません、連れ出せなくて妃殿下のお名前を使わせていただきました」
「かまいません、よくやってくれました」
エリザベートはカーテシーをしている二人を見て
「呼び立ててしまいまして、こちらへ」と言うと出口に向かった。個室になった休憩室にはいると
「もしかして、余計なことをしてないといいのだけど・・・・あの方たちはご友人?」
二人は顔を見合わせたが、一人が
「いえ、お救い頂けた事を感謝いたします」
「感謝いたします」
「あのような事は今日だけの戯れですの?」とエリザベートが優しく問うと
「あの・・・それが・・・・わたくしたちはその・・・・弱みを・・」
「弱みとは」とエリザベートが言うと二人はホロリと涙をこぼしながら
「借金です。それであの人たちと結婚しろと・・・・・でもその前に・・・・・その・・」一人が言えなくなるともう、一人が
「全員の相手をしろと・・・・どうせ結婚後もそうなるんだし・・・同じ事だと・・・」
「・・・・・」エリザベートは口がきけなかったが、どうにかしようと二人の背中を撫でた。
「結婚から逃げたいのよね」
二人は泣きながらうなづいた。
「まだ学院にいるの?」
「今度の卒業です」
「それでは卒業まで、王宮に住んでわたくしに仕えなさい。その後、文官になって執務を手伝って欲しいの」
「妃殿下・・・」エリザベートは二人が泣き止むまで背中を撫で続けた。
その後、二人は王宮に住み、給仕から第二妃についたあの侍従に守られて学院に通った。
夜会でエリザベートのもとにやって来た給仕は、王太子に着いていた侍従で、遅れて部屋にやって来たエリザベートの為にドアを開けてくれていた。
彼の名前はダラス・ハワード。王太子の学友で侍従に選ばれた。身分は高くなく、子爵の三男だ。
エリザベートは彼を自分つきにする書類を、自分で作り自分で決済した。
二人の令嬢、メアリー・テイネン子爵令嬢。タバサ・ミントス男爵令嬢、をエリザベートがそばにおくことについて侍女長が怒りもあらわにやって来ている。と言う知らせを聞いてエリザベートは、闘志を燃やした。
この女は前回、わたくしに侍女を付けなかったのよね・・・・忘れられないわ
「エリザベート様、王宮の侍女は妃殿下の為に存在します。妃殿下とは寵愛を受けている方のことです。恐れながら、あなた様は白い結婚。王太子殿下自らがお飾りと、揶揄されたあなた様に侍女を持つ資格はございません」
確かこうだったかしらね・・・・
あの男の寵愛のどこに価値があるの?
何故、あの発言を許したのかしら・・・・白かろうが、黒かろうが、第二だろうが妃殿下だよね。
自分の馬鹿さに呆れてる場合じゃないわねとエリザベートは思った。
「わたくしが行きます。エリザベート様」と給仕が言った。
「わたくしに見覚えはありませんでしょうか?」の声に覚えがあった。
エリザベートは
「お願い」と言うとロザモンドの方へ急いだ。
ジョセフィンにカーテシーをさせたまま、ロザモンドが
「へーーえ、あなたバードレッドって言うの。その鳥って」と口にしたところに、到着したエリザベートがすかさず
「さすがバードレッド家ですのね。優雅でずっと見ていたいカーテシーだわ。でも楽に・・・・」と言った。
頭を上げたジョセフィンに、にっこりと笑いかけて、
「な、なんて・・・お姉様・・」と言い出したロザモンドに被せて
「そうでしたわ。ジョセフィン様が可愛らしくて、つい」とエリザベートはロザモンドに向かって、
「ご無礼致しました」とおどけた調子で言った。
「ジョセフィン様、その見事な赤い鳥を、拝見させて下さいな」とジョセフィンの手を取った。そして
「さすがですわね。バードレッド家の方々の強さと気品があってこその・・・・その鳥と見事に調和してますわ」
ふっと後ろに視線を流したエリザベートは
「ごめんなさい、ジョセフィン様を独占してしまいました」とまた微笑んだ。それを機にジョセフィンは礼をすると去って言った。
エリザベートは、これ以上ここにいるとロザモンドの機嫌が急降下する事がわかっているので、足早に離れた。
するとあの給仕がよって来て、
「お呼びになったご令嬢がたをお連れしました」
それから更に声を潜めて
「申し訳ありません、連れ出せなくて妃殿下のお名前を使わせていただきました」
「かまいません、よくやってくれました」
エリザベートはカーテシーをしている二人を見て
「呼び立ててしまいまして、こちらへ」と言うと出口に向かった。個室になった休憩室にはいると
「もしかして、余計なことをしてないといいのだけど・・・・あの方たちはご友人?」
二人は顔を見合わせたが、一人が
「いえ、お救い頂けた事を感謝いたします」
「感謝いたします」
「あのような事は今日だけの戯れですの?」とエリザベートが優しく問うと
「あの・・・それが・・・・わたくしたちはその・・・・弱みを・・」
「弱みとは」とエリザベートが言うと二人はホロリと涙をこぼしながら
「借金です。それであの人たちと結婚しろと・・・・・でもその前に・・・・・その・・」一人が言えなくなるともう、一人が
「全員の相手をしろと・・・・どうせ結婚後もそうなるんだし・・・同じ事だと・・・」
「・・・・・」エリザベートは口がきけなかったが、どうにかしようと二人の背中を撫でた。
「結婚から逃げたいのよね」
二人は泣きながらうなづいた。
「まだ学院にいるの?」
「今度の卒業です」
「それでは卒業まで、王宮に住んでわたくしに仕えなさい。その後、文官になって執務を手伝って欲しいの」
「妃殿下・・・」エリザベートは二人が泣き止むまで背中を撫で続けた。
その後、二人は王宮に住み、給仕から第二妃についたあの侍従に守られて学院に通った。
夜会でエリザベートのもとにやって来た給仕は、王太子に着いていた侍従で、遅れて部屋にやって来たエリザベートの為にドアを開けてくれていた。
彼の名前はダラス・ハワード。王太子の学友で侍従に選ばれた。身分は高くなく、子爵の三男だ。
エリザベートは彼を自分つきにする書類を、自分で作り自分で決済した。
二人の令嬢、メアリー・テイネン子爵令嬢。タバサ・ミントス男爵令嬢、をエリザベートがそばにおくことについて侍女長が怒りもあらわにやって来ている。と言う知らせを聞いてエリザベートは、闘志を燃やした。
この女は前回、わたくしに侍女を付けなかったのよね・・・・忘れられないわ
「エリザベート様、王宮の侍女は妃殿下の為に存在します。妃殿下とは寵愛を受けている方のことです。恐れながら、あなた様は白い結婚。王太子殿下自らがお飾りと、揶揄されたあなた様に侍女を持つ資格はございません」
確かこうだったかしらね・・・・
あの男の寵愛のどこに価値があるの?
何故、あの発言を許したのかしら・・・・白かろうが、黒かろうが、第二だろうが妃殿下だよね。
自分の馬鹿さに呆れてる場合じゃないわねとエリザベートは思った。
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