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05 仏像拝観 カオリ目線

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今日は六十年に一度の御開帳日だ。地主のヤマモトさんと一緒に見に行く約束をしている。

すれ違ったら大変だから、ホテルまで迎えに行く。早めに着いたけど、もうロビーで待っていた。


お寺は電車一本で行けるから駅まで歩く。

「ほんとにテレビみたいだね。人が多いね」

「確かに、あっちは車に乗ってる人が多いですね」

「こっちの人は足が丈夫だね」



最寄り駅で降りて十分の距離をゆっくりと歩く。お寺ストリートだからいくつかお寺を通りすぎて目的のお寺に到着。

思った通り行列だ。境内に木陰もあるからヤマモトさんが疲れたら坐っていて貰おう。

行列のはけ具合からみるにグループでなかに入るようだ。

「ヤマモトさん、わたしちいさな椅子を持ってきたんですよ。座って下さい」とリュックから椅子を取り出して広げた。

「ありがたい。畑で働くのと並ぶのは違うね。助かった」と素直に座って喜んでくれた。

途中で、周りの人に断って木陰に移動して貰った。何人か真似して移動した。見ているとヤマモトさんが立って他の人が椅子に座ったりしていた。後で聞くと珍しい椅子なので、座ってみたいと言われたそうだ。

この椅子はラベンダーランドで役に立っているのだ。


五回移動したら順番になったので、なかに入った。撮影禁止なのでしっかりと目に焼き付けた。

お昼はこのあたりの名物のうなぎをご馳走になった。それから腹ごなしにストリートのお寺を拝見させて貰った。

ヤマモトさんは浄財にお札を入れていたが、わたしはコインだった。


それから、これまた名物の水ようかんを今度はわたしがご馳走して駅に向かった。

いろいろ喋っているうちにわたしの呼び方がカワシマさんからカオリちゃんに変わった。

「カオリちゃん、待ってる時『いいお孫さんだね』っていろんな人から言われてね。僕『いいでしょ』って自慢しちゃった」

て言われたので

「わたしはね、『おじいちゃんのお守りですか?大変ですね』って言った人に『趣味の友達です』って言っちゃた。勝手にお友達にしてしまいました」と頭を下げた。

「うん、孫より友情だね」とヤマモトさんは笑うと

「あっちの爺い共にじまんしちゃろう」とスマホを出したので、車内は禁止だよと止めた。


ホテルで別れる時に

「カオリちゃん明日時間があれば・・・」

「あればって?あるけど」

「ある?・・・・あのね、ずうずうしいけど、都会の洒落た所に行ってみたい。ツアーで爺婆とたまに回るんだけど若い人が普段行くところを見てみたい」

「わかった。それじゃ準備としてスマホでお金払えるようにしましょう」

「それじゃ、なんか食べながら」とヤマモトさんが言うので

「お茶しながらね」とティールームに向かった。









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