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第13話 侯爵の戸惑い
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気が付くと侯爵は家に戻っていた。夫人を探すと庭で、バーバラとお茶をしていた。
「あら、アリスはまだお城で遊んでいるのですか?」と侯爵夫人が笑うと
「エドワード様がお優しいから」とバーバラが理由知り顔で言った。
「アリスは行方不明だ。あの雨の夜から・・・わたしたちはアリスを忘れて帰った。帰りの馬車は窮屈じゃなかった」と侯爵が言うと
「そうだったわね。でも行方不明って・・・確かあの時お姉様が馬車に乗るように皆に言って・・・エドワード様はすぐに馬車に向かって・・・わたしもすぐに馬車に向かったけど・・・お姉様はぐずぐずしていて」とバーバラが思い出しながら言った。
夫人が
「わたくしたちは悪くないわ。婚約者が残っているのにさっさと馬車に乗る王太子が悪いわ。やっぱりあの女の息子だから」と叫んだ。
「あの女とは姉上のことか?お前こそ、娘がいないに気がつかず」と侯爵が言うと
「そうよあの女よ伯爵家のくせに王家に入って・・・わたくしは公爵家よ。わたくしこそが王家にふさわしい」と口にして夫人がはっとして黙った。
「・・・心配のあまり・・・気が動転して・・・」と涙を流した。
「アリス。どこにいるの?」と言いながらわっと泣き出した母親をバーバラが抱きしめて
「お母様。しっかりして・・・心配しすぎると体に悪いわ・・・お姉様がもっとしっかりしていれば良かったのよ」と言った。
見ていて気分が悪くなった侯爵は、二人をそのままにして家を出た。
侯爵も思い出した。誰かが馬車に戻るように大声で・・・そうだ、あの声はアリスだった。何故かそれに従いさっさと馬車に戻った。そしてすぐに出発したんだ。
当番はスペーダ家だが、あいつらはなにをしていた?俺たちの周りを取り囲んだ一団にいたかも・・・奥方は別の一団に・・・
なにもしてないじゃないか。いやいや、それはない。この当番は国事行為だ。ピクニックなんて楽しい形だが、大切な行事だ。それを蔑ろにするなんて許されることではない。
ピクニックをやった湖に向かって馬を走らせながら侯爵は、妻の言葉、王妃の言葉、書類の山。お城に泊まったと言う意味。分かりたくない、認めたくない事実がぐるぐるうずまきながら自分を飲み込むのを感じていた。
「あら、アリスはまだお城で遊んでいるのですか?」と侯爵夫人が笑うと
「エドワード様がお優しいから」とバーバラが理由知り顔で言った。
「アリスは行方不明だ。あの雨の夜から・・・わたしたちはアリスを忘れて帰った。帰りの馬車は窮屈じゃなかった」と侯爵が言うと
「そうだったわね。でも行方不明って・・・確かあの時お姉様が馬車に乗るように皆に言って・・・エドワード様はすぐに馬車に向かって・・・わたしもすぐに馬車に向かったけど・・・お姉様はぐずぐずしていて」とバーバラが思い出しながら言った。
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「そうよあの女よ伯爵家のくせに王家に入って・・・わたくしは公爵家よ。わたくしこそが王家にふさわしい」と口にして夫人がはっとして黙った。
「・・・心配のあまり・・・気が動転して・・・」と涙を流した。
「アリス。どこにいるの?」と言いながらわっと泣き出した母親をバーバラが抱きしめて
「お母様。しっかりして・・・心配しすぎると体に悪いわ・・・お姉様がもっとしっかりしていれば良かったのよ」と言った。
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侯爵も思い出した。誰かが馬車に戻るように大声で・・・そうだ、あの声はアリスだった。何故かそれに従いさっさと馬車に戻った。そしてすぐに出発したんだ。
当番はスペーダ家だが、あいつらはなにをしていた?俺たちの周りを取り囲んだ一団にいたかも・・・奥方は別の一団に・・・
なにもしてないじゃないか。いやいや、それはない。この当番は国事行為だ。ピクニックなんて楽しい形だが、大切な行事だ。それを蔑ろにするなんて許されることではない。
ピクニックをやった湖に向かって馬を走らせながら侯爵は、妻の言葉、王妃の言葉、書類の山。お城に泊まったと言う意味。分かりたくない、認めたくない事実がぐるぐるうずまきながら自分を飲み込むのを感じていた。
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