湖の町。そこにある学校

朝山みどり

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10 大会へ向けて

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わたしたちは、町の人の多大な協力を受けて、毎日練習した。そして寄付してくれたおうちに行って、雑用をした。

さすがに歌と踊りじゃすまないと思ったからだ。

そして、嬉しい事に大会本部からも援助を貰った。ほんとに感謝だ。

ただ、カスミが面倒になった。基本おだてていれば問題ないのだが、今では馬鹿にしていたヒバリが目立っているし、サチヨも。もともとレイナにはかなわないと思っていたみたいだから、レイナが押さえてくれているが、レイナだって忙しい。カスミに割く余分な力はないようだ。

もちろん、わたしたちも自分の練習で忙しいし・・・カスミは最初、楽器を持つ役だったのだが、目立つ場所に立たないからってそれをやめて、あちらこちらに首を突っ込んで、嫌がられてヒバリに付きまとうようになっていて・・・楽器の人たちも今では途中で着替えたり、目立つ場所に立ったりするようになったんだけど。

カスミがやってらんないってやめたあとに入った子が上手だし、今更、元に戻れないよね。

それでみな、笑顔で話すけど・・・カスミを邪魔だと思っているのを一生懸命隠すのが大変になって来ていて・・・

こっそりマサトに生徒会で引き受けてって頼んだけど、きっぱり断られた。

弟の分際で生意気だ!!


そして嬉しいことにあのお金持ちの子達が、約束通り本番の日に見に来てくれたのだ。

あの格好良い瀟洒な船が港に止まっているのを見た時はとても嬉しかった。


「あれはここの町だからできる芝居です。ここの空気感のなかで見たいと思ったんだ」

「大会の事は聞いたけど、ここで見たい。ここで見たって自慢になると思うんだ」と言われた時は、一生ついていくって思ったけど・・・実際そうしたら、犯罪だよね。

彼らは、町の人に混じって本番を見た。町の人は彼らに席を譲ろうとしたが、彼らは遠慮して立って最後までそして、最後に観客が観客役になって舞台に上がるのに驚いたようだが、それを高く評価してくれた。

そして、惜しみない拍手をたくさん、たくさん送ってくれた。

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