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22話 制服

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僕への質問攻めは朝方まで続き、僕達はそのまま学園へと向かう事にした。


「なぁ、アル…お前の主人っていったい誰なんだよ?」
と学園の制服に袖を通しながらカラルに聞かれ
(これって言っても良いんだろか?)
と考え
「う~ん、それは教えられないな」
と答えるとカラルは
「良いじゃねぇか、友達だろ?」
と言われ、少し嬉しくなって言いそうになったが
「いやっ、教えられない」
と答える
「ちぇっ、つまんねぇの」
と言われ、僕はヒントだけ教えとく
「まぁ、学園に行けば多分すぐ分かるよ」
とだけ言っといて、僕達は学園に向かった。


「それにしても、アルの制服どこに取り行くんだろうな?」
とカラルに言われて僕も気づく
(そういえば、僕の制服ってどこに取りに行くんだろ?エイブさんは受け取ってくださいしか言わなかったしな)
「僕にも分からないや」
と言うと、後ろから
「あっ!、やっと見つけました。もぉ~探しましたよ、師……アル君」
とすぐに分かる様に言われ、後ろを振り向くと
「おはようごさいます……アル君」
と良い笑顔でノア様に声かけられた


「ア、アル……お前の主って……ノア様なのか!?」
とカラルに聞かれ、ノア様は嬉しそうに
「いずれはそうしたいのですが、今は違いますよ」
と言うノア様を見て、僕は慌てながら
「ノ、ノア様、従者の私に御用でしょうか?」
とそれっぽく話すと、ノア様も
「えぇ、実は…ま……母様が貴方の事をお呼びですよとお伝えしようと」
と言うと、僕の腕を掴み
「では、アル君の事、借りますよ」
とカラルに言うと、カラルも
「あっ……どうぞ」
と言った
(この裏切り者ぉぉぉぉぉぉ)


「そろそろ、離さないと拳骨するぞ」
と僕は、ノア様に小声で言うと、ノア様はサッと腕を離す

「てか、お前さっき、ソフィア様の事、ママって────」

「もぉぉ、その事は言わないでくださいよ、師匠」

と言い、僕の口を塞ごうとするノア
「わりわり、でさ何でお前が俺を呼びに来たんだ?」
と俺が聞くと
「本当はメアリーが行くはずだったんですけど……今お友達と楽しく登校していたので私が」
と、少し気まずそうに言った
「そ、そうなのか、メリーにもちゃんと友達が居たんだ」
と笑いながら言ったつもりだったが
「あ…あの……師匠…顔が引き攣ってますよ」
と言われ
「うるせぇ」
と思わず素で言ってしまったが、僕達はソフィア様の居る、学園長室へと向かった。


「待ってわよ、ノア、アルカ君」
と学園長室に入るとソフィア様が出迎えてくれた
「いえ、それよりも用って、何でしょうか?」
と聞くと、ソフィア様は自分の後ろから、何かを取り出した
「はい、これ」
とソフィア様に渡され
「私の制服ですか?」
と恐る恐る聞くと
「うん、それと今ちょっと着てみて、大きかったら言ってね」
と言われ、僕は取り敢えず制服に袖を通した。


「どうでしょうか?」
と恐る恐る聞くとソフィア様は
「うん、似合っているわ……それで本題なのだけど…アルカ君のクラスについてだけど」
と言われ
(そういう事か、でも僕に言うって事は何か有るんだな)
「アルカ君はメアリーちゃんやノアとはクラスを離そうと思う」
とソフィア様が言うと、僕より先にノア様が
「納得いきません!!何故、師匠が私と同じ、、、、Sクラスでは無いのですか?」
とノアが言う
(そこは普通、メリーと同じクラスじゃないの?……ってかノア様Sクラスだったの?…てなると…メリーはSクラスじゃないんだ。)
そう思いつつ、ノア様とソフィア様の会話を聞いていると
「もうこれは決定した事なのよ」
としかソフィア様は言わなかったが、僕は冷静に
「ノア様も少しおちついてくださいか。ソフィア様、理由を聞いてもよろしいでしょうか?」
ノア様を落ち着かせ、ソフィア様に聞くと
「大きな理由の一つはメアリーちゃんとノアの安全ね」
と言うと、やはりノア様は首をかしげていた
「ノアはまだ分からないかも知れないかも知れないけど……ルークはどうかしら?」
と聞かれ、僕は少し考え、1つ可能性を見つけた
「はい、他の貴族の反感を買わない為ですよね」
と言うと、ソフィア様は
「正解よ」
と言ったがそれでもノア様は納得がいかないようで
「でも、何故それだけで師匠と同じクラスになれないのですか?」
とノア様が聞くと、ソフィア様はため息をつきながら
「だって…ノア……アルカ君と同じクラスになったら何処でも一緒にいるでしょ?」
と聞かれ、ノア様は疑問を浮かべながら
「はい、勿論ですが?それが駄目なのですか?」
と逆に質問を返され、ソフィア様は頭を抱えていた。


「ノア様、たとえ話をしましょう。もしも私がメアリーお嬢さまやノア様以外の女性と仲良くしていたら、ノア様はどんな気持ちですか?」
とここで僕が助け舟をだす
「それは……とても嫌ですね……はい…とっても嫌です」
と言い、かなりノア様は気を落としていた。


「で、でもこれはあくまでたとえ話なので、そんなに気にしないで下さい」
と言うが、ノア様
「嫌です……とっても嫌です」
とずっと連呼していて、とても僕の話を聞いていなかった
「ソフィア様、申し訳ありません」
と言い、ノア様に近づき、耳元で
「安心しろ」
と囁くと、プシューと音を立ててノア様はその場に倒れてしまった。
「ソ、ソフィア様、どうすれば?」
と聞くと、ソフィア様は
「あ~、そこのソファに寝かせといて」
と言われ、僕はノア様をソファに寝かせといた。


「さて、これで一つ目の話は終わったわ、それでこれからも二つ目の話に入るわ」
と言われ
「は、はぁ、それで二つ目の話とは?」
と聞くとソフィア様は
「ルーク君のクラスについてだけど」
と言うのだった
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